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今知る世界の食料危機 No.2(2018年6月号)

国連食糧農業機関(FAO)は、Global Information and Early Warning System(GIEWS)というページで、世界の食料危機に関する情報を提供しています。

2017年度まで、国際農林業協働協会が発行する季刊誌「世界の農林水産」に、GIEWSの資料の一部(”Crop and Prospects”および”Food Outlook”)を紹介するページが設けられていました。

2018年度、同誌は紙面リニューアルを行い、この紹介ページはなくなりました。
そこで、昨年度からAJFが呼びかけて行っている「FAOの資料を読む学習会」参加メンバーが中心となって、”Crop and Prospects”の「外部からの支援を必要としている国」「世界の穀物の需給概況」「低所得・食料不足国の食料事情」の3項目の参考訳を作成し、紹介していくことになりました。

「今知る世界の食料危機 No.2」では、今年6月に公開された”Crop and Prospects #2 JUNE 2018″の該当ページを紹介します。

「FAOの資料を読む学習会」、「今知る世界の食料危機」の作成に関心を持ったら、food@ajf.gr.jpへ連絡ください。

外部からの支援を必要としている国

アフリカ (31カ国)


食料生産・供給総量の異常な不足

中央アフリカ共和国-紛争、避難、食料供給の制約

•2018年3月の国内避難民は68万7,000人と推定され、2017年10月から14%増加した。広範な社会不安が続き、数年にわたる低い食料生産量、避難民・受け入れ家族・帰還者に対して市場が十分に機能していないため、人口の34%に当たる約160万人が食料支援を必要としている。
•暴力的な衝突と共同体間の緊張が引き続き高く、避難をさらに大規模で広範なものにし、これが食料保障に悪影響を与えている。


広範囲な食料アクセスの欠如

ブルンジ-社会不安、経済の悪化、一部地域での作物生産不足
•市場、農作業、暮らしの混乱が、限られた人道支援や食料輸入能力の低下と相まって、引き続き食料保障に影響を与えている。食料不安が最も深刻な地域は東部のルイギ州。厳しい食料不足に直面している人口は約180万人と推定されている。

チャド共和国-社会不安、国内避難民、牧畜環境の悪化
•2018年3月の「Cadre Harmonisé」によれば、3月から5月期の食料支援を必要としていた人口は約62万4,000人と推定された。6月から8月期にはサヘル地域の牧畜環境の厳しい悪化により、約99万人が食料不安に陥ると予測されている。
•北東部の反乱だけで、190万人近くが国内避難民となっている。
•おおよそ45万人の難民が記録されている。

コンゴ民主共和国-紛争と東部および南部地域からの避難、そして難民の流入が受け入れコミュニティの負担になっている
•約770万人が緊急食料不足と生計の危機に直面している。同国は中央アフリカ共和国から18万2,000人の難民を入れているが、最近、南スーダンから9万1000人、ブルンジから4万7,000人が加わった。2018年2月時点で、国内避難民は450万人と推定されている。
•エボラ出血熱(EVD)の発生が報告され、3月18日時点で45件が確認された。

ジブチ共和国-連続する雨季の降雨不足による牧畜民の暮らしへの影響
•降雨不足の雨季が続いた影響で、主にオボック市北部と南東部国境地域の牧畜地域に集中して約19万7,000人が厳しい食料不足に直面している。
•3月19日と20日に同国を襲った熱帯低気圧サガールによって起きた洪水により、3月後半時点で約3,000人が避難していた。

エリトリア-経済的制約による食料不安人口の増加

エチオピア共和国-干ばつの地域の生計システムへの影響
•2016年中ごろと2017年後半の干ばつの影響を受けた主に南東部の農牧畜地域で、2018年2月後半の時点で788万人が食料不足に陥ったと推定された。
•5月19日と20日に同国を襲った熱帯低気圧サガールと4月の豪雨に起因する洪水で、5月後半時点で22万人近くが避難していた。

ニジェール共和国-社会不安と牧畜用牧草不足が食料保障を阻害
•「Cadre Harmonisé」最新号の分析によれば、おおよそ78万7,000人が緊急支援を必要としている。6月から8月期にはこれが80万人に微増すると予想されている。
•近隣諸国の社会不安により、16万6,000人以上が難民として住んでおり、そのうち10万8,000人がナイジェリアから、5万7,000人がマリからの難民である。

ナイジェリア連邦共和国-続く紛争が、北部地域での避難民、市場の混乱、食料支援へのアクセスの制限の原因となっている
•2018年「Cadre Harmonisé」の分析によれば、約310万人が支援を必要としている。6月から8月期にはこれが530万人に増加すると予想されている。
•現在進行中の社会不安は脆弱世帯の食料アクセスを制限し、市場機能と生計活動に引き続き影響を及ぼしている。人道支援にアクセスできない地域は、最悪の食料保障環境に直面している。

南スーダン共和国-紛争、内戦、深刻な経済低迷
•継続的な人道的支援にも関わらず、食料危機はまだ人口の大半に影響を与えている。5月から7月にひどい食料危機に直面する人々の数は710万人にのぼると予想され、それは継続的な社会不安、貿易の不振と食料価格の高止まりによるものである。


厳しい局地的食料不安

ブルキナファソ-供給ひっ迫と食料価格高騰
•2018年3月の「Cadre Harmonisé」の分析によれば、3月から5月にかけて約74万2,000人が食料支援を必要とすると予想される。この数は、地域的な食料生産不足のために6月から8月にかけて95万人以上に増大すると予想される。
•国内に2万5,000人の難民、多くはマリからの難民が暮らすと推定される。

カーボヴェルデ共和国-2017年の農牧収穫期が不作に終わり生計に大きな損失が出た
•2018年3月の「Cadre Harmonisé」の分析によれば、2018年3月から5月にかけて2万1,000人(全人口の約4%)がフェイズ3「危機」もしくはそれ以上の厳しい状況にあったと推定された。これは2017年10月から12月にかけて2万8,500人が危機に直面していたとの推定からすれば若干の減少となる。もし事態を改善する措置がとられなければ、6月から8月にかけてもこの数字に変化はないと予想される。

カメルーン共和国-難民流入によるコミュニティへの負担と国内避難民の発生
•中央アフリカ共和国からの難民の数は2018年4月に25万6,000人と推定された。ナイジェリアとの国境地域の治安の悪化により、24万1,000人の国内避難民が発生した。

コンゴ共和国-難民流入が国内共同体のすでに少ない資源を圧迫している
•2017年11月末時点で、中央アフリカ共和国からの約3万2,000人の難民が国内で生活している。

エスワティニ王国(旧:スワジランド王国)-穀物の不作
•2018年は穀物の不作が予想され、前年にくらべ食料不安は強まると予想される。

ギニア共和国-局地的な生産不足
•約3万4,000人が食料 支援を必要としていると推定される 。

ケニア-引き続き起こる雨期の降雨不足による食料生産と家畜への影響
•2016年半ばから2017年末まで続いた干ばつの影響を受け、主として東部、南東部および沿岸部の諸州で約235万人が厳しい食料不安に直面している。
•3月来の豪雨が引き起こした各地での洪水により、5月末時点で、30万人以上が避難している。

レソト-局地的な生産不足
•2018年の食料事情は穀物生産量の減少予測により、前年に比べ悪化すると予想される。
•2017年に、約22万5,000人が食料支援を必要としたと推定された。

リベリア共和国-局地的な生産不足および難民の流入
•約2万9,000 人が食料支援を必要としていると推定される。

リビア-社会不安
•食料支援を必要としている人々の数は、40万人と推定され、そのもっとも食料危機にさらされやすい人々の中に、難民、難民申請者、国内避難民がいる。
•食料不足は基礎的な食品の供給が不足している南部と東部で主に報じられる。影響を受けた人々の中で補助金の支援がある食料へのアクセスが限られている。

マダガスカル-乾燥気候とサイクロンの影響
•南西部における雨期の降雨不足が食料事情を圧迫し、生産量の減少が予想される。
•一方で国レベルでは、2018年におけるコメの生産量は増加が予想されるので、逼迫していた供給が緩和され食料供給が改善される。

マラウイ-穀物の生産減
•2018年の穀物生産は平年を下回ることが予想され、食料事情は前年に比べ逼迫すると予想される。
•2017年には84万人の人々は、人道支援を必要としたと推定される。

マリ共和国-北部での社会不安と、牧畜業収入の減少による食料へのアクセス制限
•この国は約2万人の難民、5万人の国内避難民、6万4,000人の帰還民がいて、主に人道支援に依存している。
•2018年の3月の「Cadre Harmonisé」の分析によれば、約38万7,000人が3月から5月の間に食料支援を必要とすると推定された。国内紛争が続くと予想されるため、6月から8月までに食料支援を必要とする人々の数は93万3,000人に増加すると予測される。

モーリタニア-農業と牧畜業生産の減少の結果食料不安に陥る
•「Cadre Harmonisé」の分析によ れば、3月から5月にかけ、35万人が食料支援を必要とした。穀物供給が平年を下回り、家計の購買力が低下するため、6月から8月にかけ、53万8,000人は食料支援を必要とすると推定される。
•主としてマリからの難民約5万8,000人が国内に居住している。

モザンビーク-荒天の影響
•天候条件が不適なため2018年の穀物収穫は減少すると予想され、南部と中部のいくつかの州では2018年の食料事情は悪化すると予想される。

セネガル−北部で牧畜業の条件が厳しくなり、食料事情が悪化した
•2018年3月の「Cadre Harmonisé」の分析によれば、約32万人が3月から5月にかけ、食料支援を必要としたと評価された。6月から8月にかけては75万人が支援が必要と推定される。
•主としてモーリタニアからの難民、推定1万5,000人が国内に居住している。

シエラレオネ共和国-洪水、局地的な生産不足
•約1万2,000人が深刻な食料危機に直面していると推定される。

ソマリア-紛争、社会不安、広範囲にわたる干ばつの影響
•2016年半ばから2017年末まで続いた干ばつで被害を受けた、主に国内避難民と農牧民コミュニティの約270万人が緊急支援を必要としていると推定される。
•4月からの集中豪雨による洪水が発生し、5月末時点に22万7,000人が避難している。

スーダン-紛争と社会不安
•5月から7月の期間、主に国内避難民と紛争影響地域にある共同体で暮らす人々、620万人は厳しい食料不安に直面すると推定される。2018年を通して、乱高下する食料価格と穀物生産減の影響で余裕を失った家計は懸念の対象である。

ウガンダ-平年以下の穀物生産
•2016年から続く、2期連続の不作により約44万人が厳しい食料不安に直面している。
•南スーダンからの100万人を超す難民が北西部のいくつかのキャンプに流入しており、人道支援によって支えられている。

ジンバブエ-食料アクセスの制約
•2018年後半、特に南部および西部諸州で穀物生産量が下落し、食料事情を逼迫させる見通し。前年に比べて、約100万人以上が食料不安に直面している。

アジア (7カ国)


食料生産・供給総量の異常な不足

シリア-紛争
•現時点では約650万人が食料危機に直面しており、さらに400万人が食料危機におちいる可能性がある。
•国際的食料支援が実施されているものの、シリアからの難民が近隣諸国の受け入れコミュニティの食料不安を高めている。


広範囲な食料アクセスの欠如

朝鮮民主主義人民共和国-農業生産の低迷と経済不振
•2017年主耕作期は、水不足のため、ほぼ平年作であった2016年より生産が減少したと予想される。
•その結果、引き続き多くの家庭で食料消費が生存可能ラインギリギリもしくはそれ以下の状態にあると予想される。

イエメン-紛争、貧困および食料価格・燃料価格の高止まり
•約1,780万人が食料危機にあり、緊急の人道支援を必要としている。2017年から5%上昇すると予想される。


厳しい局地的食料不安

アフガニスタン-継続的な紛争と避難民の発生
•約190万人が厳しい食料危機に直面しており、さらに570万人が食料危機に陥る可能性がある。
•2016年は65万人以上が,また2017年は50万人が移動したのに加えて、現時点で10万人を超える人が、紛争により移動させられた。

イラク-紛争
•2018年1月時点で、約260万人が国内避難民となった。
•2017年12月現在、約80万人が食料支援を必要としていた。

ミャンマー-カチン州、シャン州の一部での紛争、及びラカイン州で再発した暴力の影響
•国際連合人道問題調整事務所(UNOCHA)の最新の情報(2018年5月)によれば、約90万5,000人のミャンマーからの難民がバングラディシュにおり、続く紛争のため、カチン州カイン州、シャン州およびラカイン州の24万1,000人が国内避難を強いられている。これらの人々は、必要最低限の生活をするために人道支援に頼っている。

パキスタン-避難民の発生と一部地域での穀物生産不振
•シンド州サルパカール県とその周辺では、3年連続のに干ばつによる穀物生産不振と家畜被害により食料危機が進行し、厳しい栄養不良につながった。
•この国では、140万人に近い、登録、非登録のアフガン難民いる。これらの人々の大半が、人道支援を必要としている。

ラテンアメリカ・カリブ海 (1カ国)


厳しい局地的食料不安

ハイチ-干ばつの再発及びハリケーン被害の影響
•2016年のハリケーン「マシュー」、2017年の「イルマ」による被害に加え、2014年と2016年に再発した干ばつの影響により、132万人が食料支援を必要としていると推定される。

世界の穀物の需給概況


世界予想は改善しているが、まだ生産予想は昨年実績より低い

FAO予想では2018年の世界穀物生産は26億1,000万トンで、5月の暫定予想よりも300万トン増加した。しかし、このレベルでは、世界の生産はまだ前年比4,060万トン(1.5%)低くなっている。
世界の小麦生産予想は、今月の750万トンの上方修正を受けて、7億5,400万トンになった。月間の増加は主にアルゼンチン、カナダ、米国に関係し、そこは改善した天候条件が冬と春のそれぞれの生産高を増加させたところである。最新のインドの公式予想によると以前の予想より増加し、世界の生産量の見通しを押し上げている。

粗粒穀物については2018年の世界生産は520万トン下方修正され、現時点は13億4,500万トンとなり、これは2017年の記録的な穀物生産量より3.2%(4,430万トン)低い。ソルガムのスーダンと米国における生産減が予想されたため、下方修正が6月に行われた。世界の2018年のとうもろこし生産量はわずかに減少し、10億4,600万トンになり、これは中国(本土)で、農民がより利益の高い作物生産にシフトし、生産地が減少したことや、ブラジルで乾燥気候が続いたことから、第2耕作期の植え付けと生産性が減少すると見込まれたことが影響している。これらの減少は、ロシア、ウクライナ、米国における生産性見込みの改善によりほぼ相殺されると見込まれる。

FAOの世界の5月のコメ生産予想では70万トン増加して年間5億1,130万トンに達し、2017年の最高値より1.3%増となる。この2018年に関する予想修正は主にインドでの増産予想を反映したもので、これはインドの公式推計による2017年生産増と合致する。にも関わらず、ブラジルでは単位あたり収量が予想より低かったため生産量がわずかな増加となると予想された。


世界の穀物の使用は2018/19年度に新たなピークを迎える

2018/19年度の世界の穀物使用予測は記録的な26億4,600万トンに達し、2017/18年度より1.2%上昇した。これは、直近10年の傾向から見ると約0.5%低い。全体の穀物消費の伸びの背景には、食料利用や飼料利用や工業利用による利用の増加がある。

小麦の利用は2018/19年度に7億4,300万トンに達し、前期より500万トン多いことが予想されている。人口増加に伴い、世界的な小麦の利用は増加が予想されている。全体の飼料利用は2017/18年度より早く拡大することが予想され、より安価な競合粗粒穀物の供給の増にも関わらず、約1.3%増加した。

2018/19年度の粗粒穀物の全体の利用は現時点でおよそ13億9,340万トンに達すると予想され、前期より2,100万トンの増加、また5月予想より2,000万トン増加した。月々の急激な増加は中国(本土)と米国での工業利用とうもろこし需要予測の上方修正を反映している。

世界的なコメの利用は2018/19年度で1%増加し、5億9,030万トンに達すると予想される。食料利用では4億1,170万トンと予想され、1人あたり摂取量が約53.9kgで安定することを意味する。


2018/19年度の貿易は記録更新

2018/19年度の穀物の世界貿易は4億960万トンと予想され、2017/18年度より約0.5%(200万トン)高く、記録更新が見込まれる。この予想は5月に発行されたFAOの2018/19年度最初の貿易予想より340万トン高い。

2018/19年度(7/6月)の粗粒穀物の世界貿易は1億8,720万トンで、2017/18年度から0.9%増加し、とうもろこしの貿易が2017/18年度より1.1%増の、1億4,700万トンに増加することが予想されている。毎年、世界のとうもろこし貿易が増加している背景には、アジアにおける一般的に強い輸入需要と、(ブラジルの)輸出可能余力が継続的に存在することである。

2018/19年度の世界小麦貿易(7/6月)は1億7,500万トンと予想され、2017/18年度の予想生産高に迫っている。全体として、アフリカ諸国による輸入の減少はアジア諸国による輸入の増加によってほぼ相殺されると予想される。また輸出側では、EU、ロシア連邦、米国によるより多くの輸出が予想され、アルゼンチンやウクライナからの輸出の減少を相殺して余りあるだろう。

2018年1年間の世界のコメ貿易は記録的に高かった2017年よりわずかに減少し、全体で4,780万トンになることが予想される。2018年には主要な南アジア市場の需要の低下予想にも関わらず、輸出国の中では、豊作が予想されているインドの輸出量は史上2番目に多くになるだろう。

中国(本土)におけるとうもろこし在庫の歴史的修正により、世界の穀物在庫が急増

FAOによる2019年に迎える耕作期末の世界の穀物在庫推計量は7億7,200万トンであり、5月の報告から3,700万トン近く高いが、耕作期首の見込みより4,450万トン(5.4%)低い。このレベルでは、2019/20年度末の消費量に対する2018/19年度末の世界的な穀物の持越し量の割合は28.5%で、2017/18年度からわずかに低下したが、まだ比較的高い。これは2018/19年度の供給量もそれまでに続いて豊富と見込まれていることを意味している。

6月の前月比の大きな修正は主に中国(本土)のとうもろこし在庫の推定に上方修正があったことを反映している。これは直近数年の中国のとうもろこし工業利用の減少と関係している。その結果、2018/19年度の中国(本土)のとうもろこし在庫量がほぼ6,300万トンの増加になり、現在は1億2,200万トンになった。これにも関わらず、中国での前年比とうもろこし在庫は著しく減少と予想(2,400万トン)され、今年の中国のとうもろこし生産予想が下がり、国内需要が高まったことを反映している。
世界的には、粗粒穀物の在庫量は5年ぶりに減少して3億1,500万トンとなると予想され、世界の期末の利用に対する在庫率は2017/18年度の26.4%から2018/19年度の22%へと低下すると予想される。

2019年に迎える期末の世界の小麦在庫は現時点では記録的な2億8千300万トンと高どまりすると予想され、その期首ですでに高水準であった量よりほぼ600万トン多い。最新の予想も5月の予想を440万トン上回り、これは主にアルゼンチン、EU、インドで見込まれる期末在庫を勘案したものである。しかし、中国(本土)における毎年積み重なってきた在庫を除き世界の小麦在庫は、期首より6,000万トン減るだろう。

5月以降の80万トンの上方修正がなされたことにより、2018/19年度末の世界のコメ在庫は期首より1.4%上回ることが現時点で予想されており、1億7,380万トンに達する。在庫増は主に中国(本土)とインドによるものと考えられ、前期からの繰り越しはインドネシアと米国で微増するが、バングラデシュ、ブラジル、エジプトでは在庫減になるだろう。

低所得・食料不足国の食料事情

天候条件が不適なためLIFDCにおける2018年の予想は悪化する

FAOの2018年の低所得食料不足国(LIFDCs)の穀物生産の予想は、前年より約170万トン(0.4%)減少するが、過去5年間の平均をはるかに上回る4億8,820万トンとなった。前年同月比の減少は、主にCISアジア、南西アフリカ諸国の生産減の予想に起因する。
南部アフリカやCISアジア諸国では、耕作期後半の気象条件が改善されたにもかかわらず、雨期初期の降雨不足が、作物の成育に悪影響を及ぼし、収量予想を低下させた。結果として、穀物生産は、2017年の良好な水準から急速に低下し、一部の国では過去5年間の平均水準を下回ると予想される。 一方で、西アフリカは作物成育の時期としては初期であり、2018年の作柄予想にはばらつきがある。これは沿岸諸国の降雨不足予想を反映しているが、サヘル諸国では収穫量が昨年の最高値から平均レベルに戻るとみられる。
紛争が2018年の穀物生産に及ぼした影響に加え、乾燥気象条件によってさらに近東での生産減が予想される。これらの国々で、穀物収穫量は平年以下の水準になると予想される。

穀物生産はアジア東部で増加が予想される。昨年同月比で見ればインドの大豊作によって記録的な小麦生産となり、バングラデシュではコメ生産が天候不良であった2017年の収穫から回復すると予想される。東アフリカの国々では2018年も大収穫となることが予想される。第一収穫期における有益な降雨によって、収穫が進んでいる。「長雨」(6月~9月)による平均、もしくは平均以上の降水量は、一部地域における生産予想をさらに引き上げた。アフリカ中央部と中米の生産見通しは、平均に近い水準であった前年と比較して、2018年にもほとんど変わらない収穫量となっている。

需要はアジア東部で減少するが、生産見通しが良くない為にアフリカの一部では輸入需要は増加すると予想される

2017/18市場年のLIFDCsにおける穀物輸入に関するFAOの予想は6,430万トンで、同年前月比でみればわずかに減少している。減少の多くは極東(アジア東部)における輸入見通しの減少の結果である。バングラデシュの生産高が回復して200万トン以上の輸入量が削減され、インドでも輸入量がわずかに減少する見込みである。 同様に、東アフリカ諸国でも国内生産が増加すると予想され、輸入量が減少する見と見られる。一方、南部アフリカおよびCISアジア諸国では、2018年の国内生産が減少したために、これらの国々が供給を満たすために輸入が増加すると予測されている。

今知る世界の食料危機 No.10(covid-19の影響)⇨

今知る世界の食料危機 No.9(2020年3月号)⇨

今知る世界の食料危機 No.8(2019年12月号)⇨

今知る世界の食料危機 No.7(2019年9月号)⇨

今知る世界の食料危機 No.6(2019年7月号)⇨

今知る世界の食料危機 No.5(2019年3月号)⇨

今知る世界の食料危機 No.4(2018年12月号)⇨

今知る世界の食料危機 No.3(2018年9月号)⇨

⇦ 今知る世界の食料危機 No.1(2018年3月号)


世界の食料 国別状況 あ行

ウガンダエスワティニエチオピアエリトリア

世界の食料 国別状況 か行

カーボヴェルデカメルーンギニアケニアコンゴ共和国コンゴ民主共和国

世界の食料 国別状況 さ行

シエラレオネジンバブエスーダンセネガルソマリア

世界の食料 国別状況 た行

チャド中央アフリカ

世界の食料 国別状況 な行

ナイジェリアニジェール

世界の食料 国別状況 は行

ブルキナファソブルンジ

世界の食料 国別状況 ま行

マダガスカルマラウイマリ南スーダンモーリタニアモザンビーク

世界の食料 国別状況 ら行

リビアリベリアレソト