新型コロナが映すいのちの格差DVD発売&上映運動

新型コロナが映すいのちの格差

アジア太平洋資料センター(PARC)の新作DVD『新型コロナが映す いのちの格差』が発売されました。本作は「公正な医療アクセスを世界のすべての人に!」連絡会の企画・監修による作品です。

先進国と途上国のあいだでの「いのちの格差」を生じさせてしまう医療に関わる知的財産権の問題を取り扱っています。ブラジル、インド、ベトナム、南アフリカでのコロナ対応についての現地からの報告を交えながら、製薬産業をめぐる世界的な経済システムの問題点を解説しています。

1.背景
2019年末から世界に広がった新型コロナウィルス感染は先進国・途上国を問わず広がりましたが、その対応としての検査・ワクチン・医薬品・医療アクセスは平等に行き渡りませんでした。コロナ禍で改めて明らかになった、世界での医療アクセスの格差。すべての人に公正で公平な”いのちの権利“を確保するために、私たちは何をすべきでしょうか?

「公正な医療アクセスを世界のすべての人に!」連絡会(https://ajf.gr.jp/covid-19/network-covid19/)*は、世界の現実をとらえ、社会を見つめなおす映像作品を数多く送り出してきたアジア太平洋資料センターと共に「新型コロナが映すいのちの格差—公正な医療アクセスを求める世界の市民社会」を制作しました。

2.作品について (予告編:https://www.youtube.com/watch?v=H9V7_p-L8ag&t=3s
2019年末から世界に広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。感染は先進国・途上国を問わず広がったが、その対応・対策としての検査・ワクチン・医薬品・医療アクセスは決して「平等」に行き渡らなかった。

そもそも途上国はHIV/エイズやマラリアなどの感染症に直面し、また基本的医療サービスや衛生的な水へのアクセス、食料の確保も不十分だ。例えばブラジルでは貧困層が住むファベーラ(スラム)で密集して暮らさざるを得ない人びとの間で感染が爆発した。

新型コロナが映すいのちの格差すでに存在する貧困や格差の上に起こったコロナ禍は、世界の経済システム、とりわけワクチンや医薬品にかかる知的財産権の問題を明らかにした。

これに対し、インド、南アフリカはじめ100カ国以上の政府が、コロナに関するワクチンや医療製品にかかる知的財産権を一時免除し、多くの国に供給できるよう世界貿易機関(WTO)に求めた。医療関係者やNGO、市民団体などがこれに呼応し、国際的な運動が一気に広がった。しかし、グローバル製薬企業の利益の側に立つ先進国は強く反対。激しい攻防が繰り広げられた。

なぜ「いのちの格差」が生じてしまうのか?その背景にある知的財産権の課題は、いのちよりも利潤追求が優先される経済システムの問題を映し出している。すべての人が安全になるまで、誰も安全ではない――公正な医療アクセスは、未だ実現していない。

企画・監修:「公正な医療アクセスを世界のすべての人に!」連絡会
監督:山口勝則
助成:オープン・ソサエティ財団(OSF)
制作:特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)
2023年/DVDまたはオンラインストリーミング視聴/43分

本体価格:2,000円+税(図書館価格15,000円+税)
72時間レンタル 600円

・DVDのご注文はPARCウェブサイトから
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/inochi.html
・オンラインストリーミング視聴(Vimeoオンデマンド)
https://vimeo.com/ondemand/parcinochi
※英語字幕版”Pandemic Unmasked”(Vimeoオンデマンド)
https://vimeo.com/ondemand/pandemicunmasked

*「公正な医療アクセスを世界すべての人に!」連絡会呼びかけ団体一覧
(特活)アジア太平洋資料センター(PARC)
(公財)アジア保健研修所(AHI)
(特活)アフリカ日本協議会
(特活)国境なき医師団日本
(特活)シェア国際保健協力市民の会
(公社)日本キリスト教海外医療協力会
世界民衆保健運動(People’s Health Movement)
ヒューマンライツウオッチ

3.上映会の実施と今後の予定
<2023年>
2月7日:完成記念上映会(連合会館)
4月14日:C7経済正義&国際保健ワーキンググループ共催分科会での上映会+ライブトーク(東京プリンスホテル)
4月16日:広島市民サミット『「新型コロナが映すいのちの格差」I知的財産権 II認知症の人におこったこと』上映会+ライブトーク
5月12日:上映会+ライブトーク(長崎大)
9月19日:Global People`s Assembly-Social Justice sessiondでの一部上映(Church Center for the United nations, New York)
10月21日:川村学園女子大学鶴雅祭上映会(我孫子キャンパス)
10月28日:G7貿易大臣会合サイドイベント「貿易大臣会合へ届けたい より良い未来をつくるための市民社会からの提言」での上映(大阪・堺)
12月2日:明治学院大学国際平和研究所「世界の医療格差をなくすために―映画上映と海外ゲストを交えたトークライブ」
12月21日:Monthly21「コロナの次のパンデミックにどう備えるか:公正な世界に向けて」PEACE DAY monthly & radio (レポートとアーカイブ:https://peaceday.jp/news/pdmonthly2312-report/)

<2024年>
1月29日:自由学校”遊”との共催上映会&トークイベント「新型コロナが映すいのちの格差」(札幌、愛生舘サロン)
2月26日:学堂会との共催上映会(第2衆議院議員会館第1会議室)
4月21日:日本国際保健医療学会ー学生部会(Jagh-s)との共催オンライン上映会

4.上映会共催のお誘い
今回、本ドキュメンタリーを当連絡会との共催で上映してくださるパートナーを募集しています。地域で、職場で、学校で、私達といっしょに世界の医療格差について考える機会をつくりませんか?

こんな方にお勧めです;
1)国際保健に関心がある方
2)世界の不平等を生み出す仕組みについて考え、行動したい方
3)グローバルサウスとの協力について考えたい方

御連絡・お問い合わせは「新型コロナが映すいのちの格差」DVD上映運動事務局/アフリカ日本協議会の小泉までお寄せください。(ajf.globalhealth@gmail.com)