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プロサバンナ事業:畑から見た小農の農業

『アフリカNOW』99号(2013年10月31日発行)掲載

執筆:秋本陽子
あきもと ようこ:ATTAC ジャパン国際ネットワーク委員会委員。早稲田大学法学研究科修士課程終了。専門は労働法。東京都新宿労政事務所外国人労働相談員を経て、2001年にATTAC ジャパンを立ち上げた後、世界社会フォーラム(WSF) をはじめオルタ・グローバリゼーション運動に関わり、海外の社会運動と交流を持つ。


私はモザンビーク北部の小農は本当に生産技術を持っていないのか、水源にアクセスできないのか、さまざまな努力をしていないのかについて、見てきたことを報告します。

私が訪れたナンプーラ近郊の畑は、日本の畑を思わせるようなものがありました。苗床があり、畝がきちんと並んでいました。この農家の人は農業研修を受けたそうです。いくつかの作物を作るために畝を真っ直ぐにそろえ、苗がきれいに植えられていました。苗床から少し離れたところにはピーマン・インゲン・葉野菜などの数種類の作物が青々と立派に育っていました。これらは出荷するそうです。水源は小さな小川(日本で言えば農業用水路)で、ここから畑にずっと取水してきました。しかし、最近、工場ができたことによって、水量が少なくなってきたと聞きました。

このようにモザンビーク北部の小農は、彼/彼女らなりの農業を模索しています。小農は「大規模農業ではなく小農とその家族が暮らしていける、余剰の作物を地元のマーケットに売って生活ができることを第一の目標にしている」と言います。大規模耕作や契約農業を望んでいるわけではありません。

一方で、JICA・外務省が進めているプロサバンナ事業では、輸出型作物の作付けを奨励しています。地元農民がこれまで行ってきた農業、すなわち自分の家で食べるための作物栽培をやめて、輸出用作物の生産やグローバル市場に耐えうる農業を奨励しているのです。このことは、世界市場の動向によって、モザンビーク小農の生活も影響を受けることを意味しています。自分たちが食べる食べ物を作ることができなくなる可能性も生じてくるでしょう。

今年の2月と5〜6 月に、モザンビーク最大の農民組織であるモザンビーク全国農民連盟(UNAC) の代表団が来日しました。そのときアドボカシーオフィサーのヴィセンテ・アドリアーノ(Vincente Adriano) さんは、「自分が大学に行けたのは、両親が小さな農地を持っており、それを耕すことができたから」と語っていました。これはとても重みのある言葉です。モザンビークの小農の多くは、大規模な農業を目指すのではなく、家族農業を大切にして、暮らしていける現金収入があればよいと考えています。モザンビーク農民が持続可能な農業を目指して努力していることを、JICA・外務省はぜひ理解してほしいと思います。

現地調査からプロサバンナ事業を問い直す


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