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一期一会~日本で体感・アフリカバーチャルツアー

マリ共和国を訪ねる旅

イベント概要

  • 日 時 :2008年11月29日(土)14:00-16:30
  • 講師 :紙田恭子さん(旅行会社 道祖神・コーディネーター)
  • 会場:JICA地球ひろば セミナールーム302

人生は旅だ、という言葉があります。人が旅に出るのはなぜでしょうか。一昔前と比べ現在はいろいろな国へ行けるようになりました。アフリカの大地も遠い場所ではなく、一度は訪れてみたい人が増えています。人が旅に出る理由、アフリカに馳せる想い、それらを旅のプロフェッショナルを呼び一緒に答えを探してみたいと思います。
今回はアフリカ渡航回数が30回以上!旅行会社 道祖神の社員であり、ガイドからコーディネートまで幅広く活躍されている紙田恭子さんを講師にお招きします。第1部は世界遺産が印象的なマリ共和国を写真とスライドを使い、現地さながらのガイドのもと、バーチャルツアーを行います。第2部はエコツーリズムやスタディツアーなど最新の人気ツアーの紹介やガイドとは何か?コーディネーターとはどんな仕事なのか?などプロからみた旅の話を伺います。思わぬ裏話が聞けるかもしれません。アフリカ旅行を計画中の方から旅行会社で働いてみたい方まであなたの旅する理由を見つけてみませんか?

講師プロフィール

紙田恭子さん
株式会社道祖神 アフリカ専門旅行会社の社員。 東アフリカを中心として旅行の手配を担当。 年に数回の添乗以外も、プライベートでもアフリカ旅行を楽しんでいる。
詳しくは(道祖神HPhttp://www.dososhin.com/)

イベント報告

講師に加え参加者10名、スタッフ9名、計20名となりました。講師の紙田恭子さんは株式会社 道祖神に勤め、アフリカ現地のガイドからツアーコーディネートまで幅広く活躍されています。渡航回数は30回以上 、添乗以外のプライベートでもアフリカを楽しんでいます。 今回は、第一部をバーチャルツアーとして「マリ共和国」を体感してもらいました。第二部はインタビュー形式で最新人気ツアーやおすすめの国について、また実際のお仕事内容までお話を伺いました。

【マリ共和国について】

アフリカ大陸の中でも、西側に位置し西アフリカの北側、モロッコから下がった場所にあります。サハラ砂漠が国土の半分以上を占めています。国土は日本の3.3倍程、人口は約1400万人。20以上の民族が生活をしています。ニジェール川を中心に栄えた王国です。宗教はイスラム教が80%以上占めています。伝統宗教を信仰している人もいて犬や牛を食べることもあるそうです。
詳細はこちら
http://www.dososhin.com/dictionary/mali/index.htm/

第一部~アフリカバーチャルツアー~

マリの風景

「日本から20時間のフライトおつかれさまでした。マリの首都バマコに到着しました。まずはマリをイメージする5つのキーワードを紹介します」 

【イスラムの国】~泥のモスク~

ジェンネ泥のモスク

国民の80%以上がムスリムです。イスラムの寺院が町の中にいくつも存在しており、一日5回のお祈りをします。ラマダン(断食月)が行われ、1カ月後には犠牲祭も行われます。イスラムの教えが広がっておりイスラムのカレンダーで人々は動いています。古都ジェンネには世界遺産でもあり、世界一の規模である泥のモスクが存在します。

【サハラ砂漠】~交易路~

アフリカ大陸の3分の1を占め、マリも国土の半分を占めています。ここでは青の人たち、トアレグ(民族)がサハラ砂漠をラクダで縦横断しています。サハラのキャラバン隊(アザライ)は塩や他の交換物を求めて交易をしています。サハラ砂漠が交通路(道路)になっており、北からは織物や陶器、ビーズなどが運ばれてきます。南からは象牙、黒檀、金、奴隷が運ばれてきました。

【ニジェール川】~アフリカ大陸第三の大河~

マリの中を流れている大河です。乾季になるとそのまま歩いて渡ることできます。人の生活に密着しており、また交易路になっています。「ピーナス」と呼ばれる船は車と同じように人や物、家畜を運ぶ役割となっています。

【世界遺産】~4つの世界遺産~

ドゴン族と呼ばれる民族がいます。断崖絶壁に住み数年に一回のお祭りや儀式を行いますが、中でも有名なのは60年に一度の’シギ祭’。このバンディアガラと呼ばれる地域は世界遺産となっています。他にも泥のモスクがあるジェンネ、サハラ砂漠のトンブクトゥ。そしてアスキア王朝があったお墓が世界遺産となっています。世界遺産とは後から付けられた名前ですが、それだけマリには文化・王朝が栄えたことを象徴しています。

【民俗】~20を超える異なる文化・言葉・風習~

フラニの民俗は口のまわりを刺青のように黒くし、富や美の象徴であるアクセサリーを沢山つける風習があります。それぞれの民族は漁民や農耕民もおり、牧畜を生業としている者もいます。違う環境で違う文化で活動していますがみんな仲良く活動しています。例えば、牧畜が牛を放牧しフンを落としたら、それを農耕民が肥料にするなど協力しあっているそうです。フラニは”プール”や”フルベ”といった呼び方もあります。スーダンのダルフール地方のフールはこの”フル”からきているそうです。彼らは砂漠を越えてここまで辿り着いたのです。

説明する紙田恭子さん

バマコ観光

夜中に到着しリフレッシュした翌朝、首都のバマコを観光します。「クールバ」という丘からバマコを眺めます。12月から2月ぐらいだと”ハルマッタン”というサハラ砂漠からの風で砂埃が舞うことも。 2002年にアフリカネーションズカップというサッカーの大きな大会がありました。それを境に一気に発展しました。バマコというのはワニの住む所という意味で昔はワニも住んでいました。ちなみにマリという意味はカバという意味です。バンバラ語という現地語でカバという意味になるそうです。

バマコからセグーヘ

その後セグーという町に車で向かいます。移動の途中でも面白いものがあれば立ち寄っていきます。カラバッシュ(ひょうたんのこと)が11月から2月の間に収穫されます。中身は食べず、外側のみ洗って食器や容器代わりに使用するそうです。 バオバブの木もマリでは非常に役立てられています。木の幹はロープとして利用されて、若葉はシチューの具になり、果実は酸味があるのでつぶして清涼飲料水に利用されます。

ジェンネ・モスクと月曜市

続いてジェンネのマーケット。週に1回月曜市が行われます。コラナッツという嗜好性が高く非常に苦いものがありますが年配の人達は煙草のように噛んで味わったり長老の手土産に持ってゆくなど人々の交流の際に使われているようです。 そして泥のモスクはツアーではかかせません。一辺が一番長く150m、高さは20mあります。一番上にはダチョウの卵が必ずおかれています。平和の象徴となっています。

モプチの町

船が沢山あり北や南から荷物が届く港町です。両岸を小さいピローグという船で渡ります。岸で見える風景とは異なるものが川の上では見えてきます。 レストランでは「ザメプレマ」という料理がとても美味しいです。魚や野菜の出汁を使って御飯を炊き「キャタン」という白身の魚が乗っています。 マーケットの近くには板状の塩があります。一枚が50kgほどで下流にあるトンブクトゥよりさらに900km以上離れたタウデニというところで取れました。昔は金と塩がほぼ同じ金額だったほど貴重であったそうです。

船の旅

屋根やトイレもついています。日中は自由に屋根の上で昼寝をしたり読書をしたり、「ワリ」という現地のゲームをしたりします。夕方になると砂地でテント張り、夜にはキャンプファイヤーをします。村人が集まりそれぞれが自由におしゃべりをすることもあります。 ニジェール川で洗濯している光景も見られます。アフリカの人々はとてもきれい好きです。時間をかけてピカピカにします。また、ミレットという日本で言うトウジンビエがマリの主穀の一つとなっており、臼の中に入れみんなでついて粉にした後、練ってお餅にした「トウ」というやおかゆ、それにビールもこれで作ります。

トンブクトゥ

サハラ砂漠の岸辺(サヘルと呼びます)にあります。イスラムの宗教が浸透しており、コーランを教えています。トアレグ族のダンスを見ることができます。女性が歌ってドラムを叩き男性が踊ります。男性はとてもロマンティックで結婚する前に詩を贈るそうです。また、ミントティをごちそうしてくれます。お砂糖がたっぷり入りとても甘いです。全部飲むのに1時間以上かかります。ゆったり話をしながら飲むそうです。そして必ず3杯砂糖を入れます。1杯目は人生のように苦い味、愛のように甘い味、死のように柔らかい味という意味があります。 トンブクトゥの町には三大モスクの一つがあります。椰子の木を突っ込んでありこれは装飾であり足場にもなっています。泥のモスクは雨季の前に塗り替えを行っておりその際の足場になります。15世紀に建てられ当時は大学でした。2000人以上の学生を抱えていました。文化的にも商業的にも栄えたこの町の噂が広がり、ヨーロッパ人の”ルネ・カイエ”などの探検家が訪れましたが訪れた時には砂の町になっていました。

バンディアガラの崖

世界遺産の一つでありドゴン族が住んでいます。断崖絶壁は200km以上も続いており、高低差が300mから500mあるそうです。中腹にはドゴンの村があり、緑が7月~8月は多くまた雨季の時期にしか見られない滝を見ながらトレッキングを行います。そして民家の屋根にテントを張り、星空を眺めながらの宿泊。村の配置が人の体になっており、北から、頭があり手があり本体があり、そして足。頭の上の方には長老など偉い立場の人達が住んでいます。もともとは、住みやすいニジェール川上流に住んでいましたがイスラム教への改宗を拒み、逃げて、ここまで辿り着きました。この断崖絶壁にやってくるまでの長い歴史が踊りや伝話になったそうです。 お祭りではそれぞれが仮面をつけて踊ります。何キロもある仮面を口だけで支えます。この踊りはドボンの人達の創世記を表現しておりダマ祭という死者を弔うお祭りの一つにもなっています。そして、シギ祭というお祭りが有名で60年に一回行われます。毎回7年連続で行われますが前回の1967年では6年目まではうまくいっていましたが、7年目に行われる村で不作になりミレットが取れずビールが作れず完結できずに終わったそうです。次回の2027年に期待が高まります。

マリの人達

ドボンの長老達は紺色の藍染をよく着用しています。長老達は尊敬されており、村の中でも主導的な役割を担っています。フランス人のマルセル・グリオールがドゴンの村に十年何年間も滞在し、長老にドゴンの話を聞いて本にまとめあげました。33日間かけて語られるのがドゴンの神話だったそうです。また長老の中には占い師もいて、枠を石で囲み木や小石を並べ一晩置き、翌日の石や木の動きを見て占います。これはきつねが倒した石や動かした様子を見て占う「きつね占い」と呼ばれています。

以上がアフリカバーチャルツアーです。 
道祖神の実際に行っている
【大ニジェール河の舟旅とサバンナ民俗15日間の旅】
を再現したものです。

【第二部~インタビュー】

(インタビュアー:星埜 恵/ひろばコアメンバー)

インタビュー

※まず、道祖神のアフリカ専門になった設立主旨とは?

「創立30周年を迎えたんですけれど、もともとは社長がアフリカを一緒に体験しませんか?という新聞を載せてアフリカ縦断しその流れで設立に至ったようです。現在は、日本、ケニア(ナイロビ)、南アフリカ共和国(ヨハネスブルグ)に駐在員がいます

※紙田さんが道祖神で働こうと思ったきっかけは?

「旅行が好きで、アジア~ヨーロッパに行き、そしてアフリカに行った際に、人にとても魅力を感じました。アジアやヨーロッパとは異なり、裏表のなさ、人の良さを感じ、私でもス~っと入ってゆけて、このままアフリカを仕事にしたいと思ったんですよ」

※大学生の頃からアフリカはビジョンにありましたか?

「いえ、卒業旅行はハワイでしたから(笑)」

※南アフリカのソウェトを訪れるツアーに興味が湧きましたが、他にはどんなものがありますか?」

「弊社の会報誌を2カ月に一回、無料でお届けしていますが、この中で各ツアーやアフリカの文化を紹介しています。例えばソウェトは、治安に対する不安もあると思いますが、駐在員もいるのでちゃんとした形で参加すれば地域の空気を直に感じ楽しめると思います。他にもゴリラトレッキングを行うツアーもあって。これがとても面白いんですよ。ゴリラが手が届くぐらいの近くで見られたり好奇心旺盛な子ゴリラが近寄ってきたりするんです」

※私はアフリカ音楽がきっかけでアフリカにはまったんですが、触れる機会は多いですか?

「やっぱりアフリカ音楽は深いですね。ジェンベのイメージが強いんですけれど奥の深さは計り知れないですね。マリでいえばコラという弦楽器やバラフォン(木琴)もあるし、これはカラバッシュを木琴の下におくことで反響させるとか、あと、グリオという語り部がいて、昔からの話を歌にしていたり、音楽はその地域によって幅広いですね。音楽に触れるツアーもあります」

※実際にされているガイド、コーディネートの仕事とは?

「決まりは全くないので、個人で行って面白いなぁと思ったものをツアーにしています。特に私は食や音楽を入れてツアーにしています。あと、ケニアのスタディツアーやウガンダのホームステイプランなども作っています」

※ツアー中に困ったことはありませでしたか?

「マリに行った時なんですけれど、壊れた車が到着したり予定の半分しか行けなかったり、どんどんずれていったんですね。アフリカでは予定がうまく進まないこともあるのでそれ自体を楽しむといいですね」

※旅行を通じた国際協力とは何だと思いますか??

「現地の人との交流が一番だと思います。一方的に知るだけじゃなくて互いが会話することで身近に感じることができると思います。アフリカの知識がちょっとでも入るとアフリカに対する見方も変わるのもの。これも地道ながら国際協力だと信じています」

※最後に道祖神、そして紙田さんはこれからどういう役割を担ってゆくのでしょうか?

「道祖神のポリシーでもあるんですけれど単なる旅行会社ではなくアフリカ旅行を紹介する一方で文化、音楽、伝統なども同時に発信してゆきたいと思います」
現地の人との交流が一番と語る紙田さん

【ここでアンケートに寄せられたメッセージを紹介します】
◆マリがとても素敵な国だと感じて行ってみたくなりました。
(20代女性)

◆旅先としてはあまりピンときてなかったアフリカが少し身近に感じられました。第一歩かな・・・という感じです。(40代女性)

株式会社 道祖神では、今回取り上げたマリ共和国以外にもたくさんのツアーを紹介しています。 また個人ツアーのコーディネートも行っているのでお気軽にご相談してください。
株式会社 道祖神:http://www.dososhin.com/

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