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モーリシャスでの日本貨物船座礁・石油流出事故ポータルサイト

 

=環境・社会・健康・経済破壊を防ぐために、モーリシャスの市民とともにできること=

 

座礁した「わかしお」と流出する重油
座礁した「わかしお」と流出する重油
©Halley Movement Coalition

インド洋の島国、モーリシャスで7月25日に発生した日本の大型貨物船「わかしお」の座礁・石油流出事故は、モーリシャスの貴重な生態系を破壊し、観光業を主要産業の一つとする同国の経済にも大きな影響を与えかねない事故として、世界に大きなインパクトを与えています。モーリシャスはその歴史的背景から多様な人々を抱える国ですが、アフリカ大陸から直線距離で東へ約2,300kmにあり、アフリカ連合の55の加盟国の一つでもあります。

今回の事故は、ブラジルの鉱物資源企業から鉄鉱石を輸入するためにブラジルに向かう途中だった日本の大型貨物船が起こした事故です。直接の加害者は日本企業であり、日本のサプライチェーンの在り方、ひいては私たちの経済の在り方が問われる事故でもあります。

こうしたことから、アフリカ日本協議会では、この事故についてポータルサイトを設け、私たち日本の市民が、事態を正しく理解するため、そして、この事故の影響を減らし、モーリシャスの環境、経済、社会の破壊を防ぐために、モーリシャスの人々とともにできることを少しでもご紹介します。本ページは適宜更新します。(2020年9月11日更新)

<お知らせ>モーリシャスに関するウェビナーを開催!!

アフリカ日本協議会では、9月23日、モーリシャスの現状に関するウェビナー「『わかしお』座礁から2か月 モーリシャスの今と市民連携」を開催します。モーリシャス現地のNGO「ハレー・ムーブメント」のリーダーが、現地の今の状況を報告します。詳細はここから。 

日本からできること

1.モーリシャスの団体による寄付キャンペーン

◎ハリー・ムーブメント/GCAPモーリシャス

Halley Movement Coalition / GCAP Mauritius

団体ウェブサイト:http://halleymovement.org/

重油回収のボランティアに集まる若者たち
重油回収のボランティアに集まる若者たち(右側)
©Halley Movement Coalition

ハリー・ムーブメントは、1989年に発足した、モーリシャスの子どもや家族の福祉に取り組む市民団体の連合体で、モーリシャスにおける児童虐待の防止や家族のカウンセリング、若者たちのボランティア活動の取りまとめなどに取り組んできました。貧困をなくすためのグローバルな運動である「GCAP」(貧困をなくすためのグローバル・コール)のモーリシャスのネットワークでもあります。

今回の事故が起きて以来、同団体は、石油汚染の除去などに取り組む若者のボランティアの取りまとめを行い、数多くの若者のボランティアが被害地域に派遣、現場の石油除去や貴重な生物の保護などにあたっています。現在、同団体は石油除去に必要な手袋や上着、職を失いかねない零細漁業者への支援などのために、寄付を集めています。

(寄付先および寄付の方法)

以下のハリー・ムーブメントの寄付サイトから、寄付を受け付けています。同団体の銀行口座情報が掲載されていますので、お振込みいただければ寄付できます。

Donate

 

◎モーリシャス環境保護・保全機関(EPCO)

Environmental Protection and Conservation Organization

石油汚染前の美しい海

モーリシャス環境保護・保全機関(EPCO)は、モーリシャスで1988年に設立された、モーリシャスの環境保護や貧困の解消に取り組む団体です。自然資源を利用した仕事づくりによる貧困からの脱出や女性のエンパワーメント、気候変動による災害に関する地域住民の意識の向上等にも取り組んでいます。

EPCOウェブサイト https://epco.ngo/

今回の事故にあたって、EPCOは石油汚染の影響を受ける沿岸の13の漁村において、人々の生活支援と代替的な生計手段の確保のために、クラウドファンディングのサイトを立ち上げました。「皆さんのできる方法で支援を」と呼びかけています。

EPCOクラウドファンディングサイト

https://www.crowdfund.mu/post-oil-spill-emergency-plan-bringing-the-affected-fishermen-and-sea-users-community-back-to-life-371.html

EPCO寄付説明サイト

Donations

◎モーリシャス野生生物基金

Mauritian Wildlife Foundation

団体サイト:https://www.mauritian-wildlife.org/home

事故が起こる前のエグレット島
©Halley Movement Coalition

モーリシャス野生生物基金は、モーリシャスで貴重な動植物と生態系の保護に取り組んでいるNGOです。事故現場に近く、汚染にさらされているエグレット島などの自然保護に長年直接携わってきた団体でもあります。

今回の事故にあたって、同団体は早い段階から、エグレット島やその他の周辺地域の希少動物の救出や生態系の維持などに取り組み、国際的な呼びかけなども行っています。

(寄付先および寄付の方法)

※以下の寄付サイトから、500モーリシャス・ルピーから寄付可能です。

https://www.mauritian-wildlife.org/donate

※ジャストギビングのウェブサイトからも寄付を受け付けています。

https://www.justgiving.com/crowdfunding/mauritiusoilspill?utm_term=Kpe267wPw

※Small Step Matters.orgのウェブサイトからも寄付を受け付けています。

Ref:105991- #SAVEOURLAGOON! WAKASHIO Mauritius Oil Spill – An ecological disaster! Let’s team up and donate…

 

◎エコ・スッド・モーリシャス

Eco Sud Muaritius

団体サイト:https://ecosud.mu/ (フランス語)

クラウドファンディング・サイト(団体の説明もあります)

https://www.crowdfund.mu/mauritius-oil-spill-cleaning-2020-mv-wakashio-306.html

事故前のモーリシャスの美しい夕日
©Halley Movement Coalition

エコ・スッド(日本語訳:南の環境)は、モーリシャスでも貴重な動植物や生態系が存在している同島東南部のブルー・ベイ、マエブール地域(Blue Bay、Mahebourg)の住民たちが20年以上前に設立した、同地域の生態系と貴重な動植物を守るための団体です。

今回の事故は、エグレット島を含むブルー・ベイ、マエブール地域に近く、湿地帯でマングローブ林が広がるポアント・デニ(Pointe d’Esny)の沖合で生じており、エコ・スッドはこの地域の石油除去や生態系の保護、および将来における汚染による生態系や動植物への影響の調査などに活用する寄付金を受け付けています。

 

(寄付先および寄付の方法)

以下のモーリシャスのクラウドファンディングのサイトから寄付を受け付けています。

https://www.crowdfund.mu/mauritius-oil-spill-cleaning-2020-mv-wakashio-306.html

 

2.事故に関して参加できる署名運動・市民活動

◎Government of Japan / Mitsui must pay for the oil spill in Mauritius (英語)

商船三井が傭船している大型貨物船が引き起こした環境破壊について、商船三井と日本政府が責任を負い、必要な資金を拠出すべきとする署名です。

(主催者)オーストラリア在住のモーリシャスの環境活動家、アリス・オークバー氏(Alice Auckbur)氏らがこのキャンペーンを設置し、呼びかけています。

以下から署名できます。

https://www.change.org/p/government-of-japan-government-of-japan-mitsui-must-pay-for-the-oil-spill-in-mauritius

 

◎Mitsui OSK Lines must be held responsible for disastrous oil spill in Mauritius

重油回収に当たるボランティアたち
©Halley Movement Coalition

商船三井に対して、石油汚染の除去と環境の修復に必要な費用を負担し、被害を受けた人々への賠償を支払うことを求める署名です。

(主催者)モーリシャス在住でこの事故に心を痛めている市民、タムシン・ラクーテ(Tamsin Lacourte)氏がこのキャンペーンを設置し、呼びかけています。

以下から署名できます。

https://www.change.org/p/mitsui-osk-lines-mitsui-osk-shipping-must-be-held-responsible-for-disastrous-oil-spill-in-mauritius

 

◎Save Paradise from Petrol Disaster — Protect the greatest treasures of the Indian Ocean

モーリシャスと日本の政府に対して、直ちに行動して環境汚染を防止し、生態系を守ることを要請する署名です。

(主催者)モーリシャス在住で汚染除去のボランティアを行っているスニル・ドワーカシン(Sunil Dowarkasing)さんがこのキャンペーンを設置し、呼びかけています。

以下から署名できます。

https://www.change.org/p/government-of-japan-save-paradise-from-petrol-disaster-protect-the-greatest-treasures-of-the-indian-ocean?redirect=false

3.事故に関する市民団体の声明など

(1)日本語で発表されている声明

◎FoEジャパンモーリシャス沿岸での日本船舶の座礁事故:日本政府は、国際社会とともに緊急かつ中長期的な対応を

モーリシャスの石油流出による環境汚染の危機を訴え、初動の遅さを批判し、日本政府および事故当事者の企業に対して、早急に十分な対応を行うこと、中長期的に国際社会と協力して環境や人々の生活の原状回復を行うことを求めています。

・ウェブサイト: https://www.foejapan.org/infomation/news/200814.html

また、FoEジャパン・ブログにある以下の文章は、石油流出事故等に関する国際的な賠償制度の欠陥について分析しています。

・モーリシャス重油流出事故に見る国際的な賠償制度の欠陥(FoEジャパンブログ 執筆:村上正子氏(高木基金アジア担当プログラム・オフィサー)

◎グリーンピースジャパン

(1)モーリシャス座礁事故、商船三井と長鋪汽船に公開状を送付―-事故の補償と化石燃料からの撤退を要求

事故を起こした大型貨物船「わかしお」の傭船者である商船三井と船主である長鋪汽船に対して、汚染者負担原則の完全履行や、第3者機関による事故調査および調査費用負担、事故を起こした航路の使用中止、および化石燃料からの撤退を求めています。

・ウェブサイト: https://www.greenpeace.org/japan/nature/press-release/2020/08/14/17971/

(2)グリーンピース、モーリシャス政府による貨物船投棄計画に警告

二つに分断された事故船「わかしお」を海底に沈めることを計画しているモーリシャス政府に対し、同船には多くの汚染物質が存在している可能性があり、さらなる環境破壊につながる可能性があることなどから、この計画への反対を表明しています。

・ウェブサイト: https://www.greenpeace.org/japan/nature/press-release/2020/08/20/18048/

◎WWFジャパン:モーリシャス沖の重油流出事故に関する声明

モーリシャスの重油被害にさらされている海岸等の資産価値などを紹介し、今回の環境汚染に関連して適用できる条約等について紹介する内容となっています。

・ウェブサイト: https://www.wwf.or.jp/activities/statement/4379.html

◎ピースボート災害ボランティアセンター「モーリシャス重油流出災害緊急支援募金」

ピースボート災害ボランティアセンターは、モーリシャスの石油流出災害に関して、「モーリシャス重油流出災害緊急支援募金」を立ち上げ、募金を募っています。この募金はこのサイトの寄付サイトでも紹介した「モーリシャス野生生物基金」(Mauritius Wildlife Foundation)に寄付されます。サイトは以下の通りです。

・ウェブサイト:モーリシャス重油流出災害緊急支援募金

(2)アフリカの団体による声明

◎パン・アフリカ気候正義同盟(PACJA):PACJA calls for energy shift after Mauritius fuel spill

海岸に漂着する重油
©Halley Movement Coalition

アフリカで気候変動に取り組む市民社会のネットワークであるPACJAは、今回の事故に関して、化石燃料による汚染の深刻化を懸念し、再生可能エネルギーへのシフトを求める内容となっています。

・ウェブサイト

https://www.pacja.org/using-joomla/extensions/components/content-component/list-all-categories/85-news/133-pacja-calls-for-energy-shift-after-mauritius-fuel-spill

◎アフリカ気候正義グループ:Climate Justice Statement On The Oil Spill On The Coast of Mauritius

上に紹介したパン・アフリカ気候正義同盟(PACJA)を含むアフリカ気候正義グループは、FoEアフリカ、FoEジャパンと共同声明を発表しました。声明では、モーリシャスを含むアフリカにおける気候変動や環境破壊の影響が甚大であること、アフリカ諸国の政府が環境保護のための規制を緩めよという圧力を受け続けていることなどを指摘しています。そのうえで、今回のモーリシャスにおける石油汚染について、商船三井などに対して、ただちに汚染源の除去に取り組むことや、被害を受けたモーリシャスの人々や産業への賠償を行うことを求めています。また、アフリカおよび国際的な機関に対して、環境汚染の除去のための取り組みを支援することを求め、モーリシャスの人々には、アフリカからの強い連帯を表明しています。

・ウェブサイト

https://www.polity.org.za/article/climate-justice-statement-on-the-oil-spill-on-the-coast-of-mauritius-2020-08-24

 

ARCHIVEーこれまでの経緯と概要ー

 

~モーリシャス近海での大型貨物船「わかしお」座礁・石油流出事故の詳細について~

1.事態の変遷

(出典:各種メディア報道、長鋪汽船ウェブサイト等)

7月25日 長鋪汽船(株)子会社所有の大型貨物船「わかしお」がインド洋・モーリシャス島のポワント・デニ(Pointe d’Esny)近くで座礁。

8月6日 「わかしお」の燃料である重油の流出が始まる。(長鋪汽船による第1報は8月8日)

8月7日 モーリシャスのプラヴィンド・ジュグノート首相が「環境非常事態宣言」を発令

8月8日 フランスがモーリシャス政府の依頼を受け多目的船および軍輸送機を派遣。マクロン大統領が支援を表明。

8月10日 モーリシャス政府の要請を受け、日本政府、海上保安庁職員等で構成する国際緊急援助隊専門家チーム6名を派遣。

8月11日 長鋪汽船の社員2名を派遣。船外に1000トン程度の油が流出、海洋・海岸線が汚染

8月12日 国際海事機関(IMO)および国連人道調整事務所(OCHA)が専門家派遣

8月15日 「わかしお」が二つに分断

8月17日 日本政府、国際緊急援助隊第2次隊を派遣

8月18日 「わかしお」船長・一等航海士をモーリシャス警察が逮捕

9月7日 日本の茂木敏充外務大臣、モーリシャスのプラヴィンド・ジュグノート首相と電話会談、石油流出災害に関する継続的な支援を約束。

9月10日 商船三井、モーリシャスの石油流出災害について複数年度で10億円規模の支援を行うことを発表。「モーリシャス自然環境回復基金」(仮称)の設立やサンゴ礁、マングローブ林の保護育成、現地NGOへの支援、モーリシャス政府と連携しての漁業支援等の取り組みを含む。(商船三井のプレスリリースはこちら

2.事故を起こした大型貨物船「わかしお」について

(1)「わかしお」について

船種:ばら積み貨物船

全長:299.5メートル

全幅:50.0メートル

乗組員:20名(インド人 3名、スリランカ人 1名、フィリピン人 16名)

船籍:パナマ

船主:OKIYO MARITIME CORP.(長鋪汽船株式会社の子会社)

竣工年:2007年5月

(2)今回の航路について

「わかしお」は商船三井株式会社が傭船し、中国、シンガポールを経由して、ブラジルのエスピリト・サント州にあるブラジルの資源開発企業ヴァーレ社が所有するツバラン港(Port of Tubarao)に向かっていた。

3.今回の事故による被害について

「わかしお」と流出する重油
©Halley Movement Coalition

◎モーリシャス島の南東部、ラムサール条約に登録された国際保護湿地帯である「ポワント・デニ」(Pointe d’Esny)から南東約2キロの沖合に、商船三井が傭船中の大型貨物船「わかしお」が座礁。周辺海域には、ポワント・デニのマングローブ林、貴重な動植物を含む生態系が保存されているエグレット島自然保護区(Ile aux Aigrettes)、ブルーベイ海浜公園などが集中している。この海域に、重油1000トン以上が流出した。影響を受けた海岸線は15キロに及んでおり、上記の貴重な生態系が保存されている海域・海岸が含まれている。

◎この重油汚染により、同地周辺の海岸に分布するサンゴ礁やマングローブ林、1500種に及ぶ貴重な希少動植物などに大きな影響が出たものと考えられる。

◎ポワント・デニ周辺のブルーベイ、マエブール(Mahebourg)地区は、エコ・ツアーなど観光の最前線でもある。同国の主要産業である観光業や漁業などにも大きな影響があるものと考えられる。

◎事故現場やその周辺の地理的情報などを示す地図や、詳細な被害情報については、例えば、「国連人道問題調整事務所(OCHA)」のウェブサイト「リリーフウェブ」等に詳しい。

★国連人道問題調整事務所(OCHA)リリーフウェブ・モーリシャスReliefweb/Mauritius  https://reliefweb.int/country/mus

★事故現場や周辺の地理的情報などに関する地図(8月17日)https://reliefweb.int/map/mauritius/mauritius-oil-spill-dg-echo-daily-map-19082020