2021年12月:気になったニュースご紹介

立命館大学生存学研究所とAJFは、アフリカ関連情報アーカイブの構築・公開で協力しています。

また、AJFでは主に日本のメディアが報じているアフリカ関連情報を毎月紹介しています。記事を選んでいるインターンの皆さんによる紹介・解説もついています。詳細は以下をご覧ください。

1 アフリカ関連情報データベース更新

2021年12月のアフリカ関連ニュースは以下からご覧いただけます。

http://www.arsvi.com/i/2-202112.htm

2 気になるニュース・情報

※インターンの皆さんのコメントもついています。

(1)COVID-19
(2)アフリカ・日本間の交流
(3)南アフリカ
(4)ICT関連
(5)その他

(1)COVID-19

(まとめ:http://www.arsvi.com/i/2-SARS-CoV-2.htm

・オミクロン株関連の記事が激増したため、12月だけで200件程の記事が出ましたが、その中でも注視すべき報道がいくつかあり、ご報告します。

南アのオミクロン株発見者トゥーリオ・デ・オリベイラ氏

南アのオミクロン株発見者トゥーリオ・デ・オリベイラ氏がネイチャー今年の10人に選ばれたとのこと。オミクロン株が見つかって以降、南アは各国から国境を閉ざされるなどしたことを考えると、こうして評価がなされるのはよいのかと思います。

◆2021/12/16 毎日新聞 南アフリカのオミクロン株発見者、ネイチャー「今年の10人」に

やや関連して、保健医療分野ではしばしば感染症問題をめぐるヒーローを作るのが大好きですが、きちんと声を聞き描かれるべき人は誰なのか、例えばこの本でよく考えることがあります。『ジカ熱:ブラジル北東部の女性と医師の物語』(デボラ・ジニス、水声社、2019年訳)

ナイジェリアのワクチン廃棄(100万回分)

・日本だけでなく国際メディアも相次いで批判的に報道しています。しかし実際のところ使用期限1か月ほどのワクチンが送られたと報じられています。「アフリカにワクチンを送っても、使わず捨てるじゃないか」と言われかねず(実際よく聞きます)、適切な分析と情報発信を行う必要があります。

◆2021/12/14 共同 ワクチン100万回分を廃棄へ ナイジェリア、使用期限切れで
◆2021/12/14 ロイター ナイジェリア、期限切れコロナワクチン100万回分を廃棄へ

◆2021/12/23 ロイター 期限切れワクチン100万回分の廃棄を開始 ナイジェリア WHOなど供与(字幕・23日)
◆2021/12/23 AFP BB News ナイジェリア、期限切れワクチン100万回分以上を廃棄

◆2021/12/27 The Wall Street Journal ワクチン廃棄進むアフリカ、寄付も使用期限短く

「医療アクセス」問題

・引き続き医療アクセスをめぐる問題があり、記事も出ています。

◆2021/12/16 毎日新聞 広がるワクチン格差 オミクロン株が突き付ける先進国優先の限界

◆2021/12/17 毎日新聞 広がるワクチン格差 「先進国優先」変異生む土壌

◆2021/12/17 NewSphere 「不当な差別、撤回を」南部アフリカからの渡航禁止、現地反発の理由

◆2021/12/19 CNN アフリカのワクチン接種率70%達成、2024年まで実現しない可能性も

他の感染症対応への影響

インターン渡邊さんよりコメント「コロナウィルスの存在によりマラリアの問題は忘れがちであるが、今尚存在している問題であり、この二つの感染症を両立をして解決する必要性がある」

◆2021/12/25 毎日新聞 ケニアの現場から/中 遅れるマラリア発見 マスク不足、家庭巡回できず

AJF国際保健部門 でもウェブ記事を出しています。合わせてご参照ください。

2022/1/29 知的財産権フリーの新型コロナワクチンが登場

2022/1/29 グローバルファンドの第7次増資準備会議はアフリカ5か国が共同開催

2021/12/28  「パンデミック条約」制定は2024年以降?

(2)アフリカ・日本間の交流

(NEW!!  http://www.arsvi.com/i/2civilsociety.htm

◆2021/12/1 河北新聞 もっと交流深めよう 石巻でチュニジア物産フェア 住民ら高い関心

オリパラきっかけでのチュニジアと石巻の交流。今年のTICAD8はチュニジア開催ということもあり、注目したいところです。

◆2021/12/7 funglr GAMES 鳥取とナイジェリアが繋がる!eスポーツイベント「TNED2021」が鳥取とナイジェリアで開催!

鳥取とナイジェリアがeスポーツ大会を開催したとのこと。

◆2021/12/21 NetIB-News 最貧困国の貧困地から、モザンビークの未来を担う人材を輩出する

インターン三原さんよりコメント「支援活動というと支援するアクターが主体となって取り組むことが多いと思われるが、モザンビークのいのちをつなぐ会に属する榎本さんの、「主人公はモザンビークの人たちであるのが重要で、私は黒子に徹し、縁の下の力持ちでありたい」という発言が心に残った」

(3)南アフリカ

◆2021/12/22 朝日新聞デジタル 小沢氏、90年のマンデラ氏来日で外務省に苦言 資金援助困難に不満

インターン馬場口さんよりコメント「人種差別は絶対に許されないと政治家が発言するのは、とても大切なことと思う。結果が伴っていればなお。日本は経済を優先して貿易相手国1位に当時なったことは有名で、一方で日本でも反アパルトヘイト運動を様々な形で展開した市民もいたことは知っている。しかしその他「名誉白人」とされた日本人の意識はどうだったのか気になって読んだこの論文を思い出した。「名誉白人」概念の変化。人種概念としての「名誉白人」アパルトヘイト期南アフリカの日本人コミュニティに注目して――山本めゆ https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshioroji/56/3/56_103/_pdf/-char/ja 

(4)ICT関連

◆2021/12/25 tech crunch ナイジェリアのEdTechスタートアップTeesasがプレシードラウンドで約1.82億調達

インターン後藤さんよりコメント「今後オンラインでの学習は教育分野において重要なツールになってくると思うので、この調子で浸透していけばいいなと感じた」

◆2021/12/7 Wired 衛星データが、雑草の”侵略”からアフリカを救う

インターン渡邊さんよりコメント「衛星データが農業に生かされるということはとても興味深い。また、そのデータが地域の人にも共有されるということで、「宇宙」という存在がどんどん身近なものになっていることが感じられる。私がこの記事で特に関心を抱いたのは、ホテイアオイという雑草をただ排除するのではなく、その利点を上手く生かしていこうというプロジェクトがベナンで行われていることだ。環境にも人にも配慮したもので評価に値する活動だと思った」

◆2021/12/10 IDEAS FOR GOOD 材料は不用品。パソコンを自作する方法を教える、西アフリカのスタートアップ

インターン渡邊さんよりコメント「魅力的な企画だと思う。デジタルデバイスは、金銭的な格差によりそのアクセスが限られてしまうが、その問題を超えた「自分で作る」というアイディアにとても魅力を感じた」

(5)その他

◆2021/12/25 madame FIGARO ガーナから、アフリカ現代アートを世界へ発信。

インターン渡邊さん「今までこうした記事集めをしていて、大体このような取り組みに関わっているのは男性だった。しかし今回は黒人女性であり、女性でもこのような活動を行うことが出来始めていることがうれしい」

2022年1月:気になったニュースご紹介>>