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TNnet事務局活動日誌

TNnet secretariat’s Report

『アフリカNOW』82号(2008年10月31日発行)掲載

執筆:山田 真理子
やまだ まりこ:TCSF国内連携担当。関西で大学の事務職員を経て、2007年4月より外務省NGO専門調査員としてTCSFで働く。趣味は散歩(特に葉っぱ観察)。岐阜県出身で赤味噌好き、中日ドラゴンズ好きの東海人であるが、青春時代を関西で過ごしたせいか、今でも標準語より関西弁の方が心地よい。アフリカへの渡航経験は話題のジンバブエのみ。


TICADⅣがようやく終わった。長かった。TICADⅣ前はまさに体力勝負。毎日睡眠を削っての業務で、昼食さえ箸を片手に、空いた方の手で仕事をしていた。TICAD IV本番中はついには熱を出し、声さえ出なくなったので、薬を処方しながら会場を走り回った。自分でもよく踏ん張ったと思う。
私は、TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet)の事務局であるTICAD市民社会フォーラム(TCSF)で、2007年4月から働き始めた。その時にはTNnetはすでに発足しており、2回ほど会合が終わっていたため、途中からTNnetの事務局業務を行うことになったのだが、私自身、初めはTICADについてほとんど知識がなかったため、戸惑うことが多かった。
TCSFという団体は、2003年秋に開催されたTICADⅢをきっかけに結成されたシンクタンク系のアドボカシー団体である。日本とアフリカのNGO/CSOが市民レベルで連携し、日本の対アフリカ政策への提案をしながら、2008年のTICADⅣへの働きかけをすることを目的にできた。
TCSFでの担当業務は、国内ネットワーク構築業務が主で、ロビイングの対象であるTICADに関わる国内アクターとの人的ネットワーク構築の他に、日本のNGOの連携業務も担当している。そのために今回、TNnetの事務局を任されることになった。業務内容は、団体への加盟の呼びかけ、メーリングリストやブログの管理、会合の準備・運営、TNnetが開催したTICAD外務省・NGO定期協議会やイベントの準備・運営全般、TNnetが関わるアクターとの連携業務(あいさつ回り、アポ取りや礼状文書作成)などがあり、なかなかの大仕事であった。何度か業務をこなすうちに業務処理スピードも向上したが、TICADⅣが近づくにつれて業務量が増え、仕事が追いつかず、夜寝ている間に夢の中で作業を進めていることも多々あった(もちろん朝起きたら、仕事は振り出しに戻るのだが)。毎日時間に追われ作業をしていた日々を考えると、余裕を持って仕事ができる今を、すごく幸せに感じる。

連携業務として「やり取り」を楽しむ

NGOネットワークの事務局業務の中でも、一番楽しかったのはTNnetが関わるアクターとの連携業務かもしれない。連携業務といっても私の業務はあくまで事務局であるから、実際には、TNnetの運営委員が外務省や国際機関、国会議員など、さまざまなアクターと折衝するのに対し、私は事務レベル担当官とのやり取りをするということである。この事務レベル担当官とのやり取りが、何でもなさそうで微妙な駆け引きの連続なのだ。例えば、外務省と行ったTICAD外務省NGO定期協議会。実のある協議を進めていくために、外務省側からアフリカ審議官及びその他のハイレベルな参加者に出てもらおうというTNnetの意向から、外務省側の事務レベル担当官との間で日程や協議内容の調整をするのだが、日程調整のタイミング、議題に関する相談の微妙な駆け引きが、先方の参加者や協議の準備を左右する。
また、時には協議の上で「やり合った」後で、そこでねじれた人的関係を事務的に補うというのも役目の一つであった。私にとって、このような業務上の「駆け引き」は何とも言えない面白さがあった。

TNnetの体制の変遷  ネットワークの難しさ

TNnetは、2007年3月より会合を重ねてきた。月例で月に1回は会合を開き議論を重ねてきたが、TNnetが活動を始めて半年ほど、ネットワークの体制が整うまではかなり苦労した。ネットワーク運営においてTCSFが主導する運営が目立ったため、ネットワーク内の体制のあり方について、議論に及んだ。
というのも先に述べたように、TCSFはTICADⅣのために立ち上がった団体であり、TNnetが発足する約3年前からTICADⅣのためだけに、ネットワークを構築し、アドボカシー活動をしてきた。そのためTICADに対する情報量が、TNnetの加盟団体とはあまりにも違っていた。TNnetの会合では、TCSFの情報を元にTCSFが提案する事を協議する、という形ができ、ネットワークとして民主的な体制が取りづらくなったことが問題とされた。この問題を皆が認識しはじめた2007年夏頃から、TNnet内に運営委員を設置することになった。立候補した6団体が運営委員となり、意思決定権こそ持たないものの、会合の議題やその他の重要事項が前もって民主的に協議される形が整えられた。その後、TNnetの活動が活発化していく中で、ワーキンググループが立ち上がり、ネットワーク内の活動が分担されるようになった。TNnetは協議を重ねながら、最終的にその体系をうまく変えることができたのだ。このような変遷を振り返ると、改めてネットワークの難しさとネットワークの強みを感じる。

TICAD IVを終えて 新生ネットワークへ

TICADⅣが終わった後、TNnet加盟団体やTICAD共催者、その他多くの方から「本当に大変だったでしょう。本当にお疲れさま」と言われた。実際、TICADⅣが終わってすぐは、「終わった」という実感がなく、落ち着かなかったが、G8サミットも終わり、NGOネットワークの活動が収束に向かう7月末あたりから、やっとこのことを実感できるようになった。
TNnetの活動の忙しさは、4-5月にピークを迎え、TNnet運営委員をはじめとする皆が、自分の通常業務を抱えながら睡眠を削って戦っていた。皆、日々変化する情勢の中に、その先の成果を見据えていたからこそ戦えたのだろうと思う。
TICADⅣが終わった今、TNnetで生まれた成果と課題を活かすべく、新生ネットワークが立ち上がる事になっている。以前、加盟団体に「ネットワークの今後について」のアンケート調査を行った際に、多くの団体が「TNnetの成果を活かすためにネットワークを続けていくべき」だと回答した結果だ。事務局にとって、これほどうれしい回答はなかった。
新生ネットワークでは、TNnetでの反省点と成果を活かし、NGOネットワークとして最大限の成果につながる活動ができるように、私も微力ながらに関わっていきたいと思っている。


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