「動く→動かす」から「SDGs市民社会ネットワーク」へ

From Ugoku Ugokasu to Japan Civil Society Network on SDGs

『アフリカNOW』108号(2017年5月31日発行)掲載

執筆:関澤 春佳
せきざわ はるか SDGs 市民社会ネットワーク・コミュニケーションコーディネーター。在学中、学生団体を立ち上げ、フィールドワークのかたわら世界15ヵ国を旅する。伝えることの重要性を実感し、広告代理店に就職。企業とNGO のマッチングによる社会課題解決に取り組んだ。その後NGO に転職し、セクター間連携や多岐にわたる分野の広報に携わり、現職。また書道家として日本文化を広めながら異文化交流を行う。


「動く→動かす」の8年間

「動く→動かす」(1)は、一人の「動く」が、世界を「動かす」をテーマに、2009年3月5日、28団体の参加により発足集会を開催。2000年に国連で採択された「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)」の達成を目指し、国際協力NGO80団体以上と連携し、政策提言(アドボカシー)と啓発活動(キャンペーン)の2本柱で活動。アフリカ日本協議会(AJF)に事務局を置いてきました。

政策提言(アドボカシー)

「動く→動かす」は、2009年の発足以降、まずはMDGs の達成に、2013年以降は、MDGs にも力を入れつつ、のちに「持続可能な開発目標(SDGs)」となる新たな目標を、世界・日本の人々にとってより良いものにしていくために、政策提言に尽力しました。2011年の東日本大震災の際には、「復興も世界の貧困の解消も」ということで、皆で力を合わせて当時の菅内閣が打ち出したODA1000億円削減方針に反対する運動をつくり、削減幅を半分にとどめるという快挙も成し遂げました。2013年以降のSDGs 策定プロセスでは、「ポスト2015NGO プラットフォーム」を発足させ、政府のSDGs 交渉官らと、3年間で20回以上の対話を行い、市民の意見を反映してきました

啓発活動(キャンペーン)

MDGs の達成を目指し、80団体が参加する大きなネットワークに成長した「動く→動かす」は、2006〜2015年までの9年間 ‘STAND UP TAKE ACTION’ キャンペーンを行いました。
日本全国でのべ24万人が立ち上がり、MDGs を理解し、行動するムーブメントを作りました(ちなみに、私も大学生の時にゼミでやりました)。ご協力いただきました、企業・学校・自治体・連合、労組、NGO/NPO……などの皆さま、ありがとうございました。
「世界の貧困をなくしたい」という気持ちは、日本でも多くの人々が抱いています。また、近年の日本においても、ホームレスや派遣切りといった貧困問題が大きな注目を集めています。貧困を生み出す構造は世界でも日本でも変わりありません。2009年、日本の政権交代と時を同じくして発足した「動く→動かす」は、この歴史的転換点をひとつの契機とし、日本全国の人々、そして世界各国の市民社会と連携し、貧困問題解決に取り組みました。

「SDGs 市民社会ネットワーク」の発足

2017年3月31日に「動く→動かす」は幕を閉じ、2017年4月より「SDGs 市民社会ネットワーク(略称:SDGs ジャパン)」へとそのネットワークをつなげました。SDGs 市民社会ネットワークは、「誰ひとり取り残さない」をキャッチフレーズに、国連加盟国193ヵ国(2011年現在)が合意した世界目標「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals; SDGs)の達成に向け、2016年4月に発足。2017年2月に一般社団法人になりました。
SDGs は2015年9月の国連総会で採択され、MDGs時代とは異なり、分野横断的な大きな目標となりました。日本も対象国となった今、SDGs 市民社会ネットワークの政策提言チームが働きかけた成果もあり、2016年5月のG7 伊勢志摩サミットを契機に、安倍首相をトップとしたSDGs 推進本部が設立されました。2017年7 月にニューヨークで開催されるSDGs 進捗評価の最高機関、国連持続可能な開発ハイレベル政治フォーラム(HLPF)では、SDGs への取り組み状況を発表する「自発的レビュー」に、日本政府も手を挙げています。
これまで以上に活動領域を拡大し、より一層多くの方々と国内問題と国際問題を結び付け、グローバル全体での社会貢献に取り組めるように、日々活動をしていきます。SDGs 時代は市民社会全体が一つにまとまるチャンスになると、私は捉えています。情報交換やパートナーシップを組む上でもネットワークを有効活用していただければと思います。

SDGs 市民ネットワークの情報発信ツール

・ホームページ:https://www.sdgs-japan.net/
・Facebook:https://www.facebook.com/SDGsJapan/
・Twitter:https://twitter.com/SDGs_Japan
・Instagram:sdgs_csn(SDGs 市民社会ネットワーク)

(1) http://www.ugokuugokasu.jp/whatwedo/index.html


SDGs 市民社会ネットワークとは

「一般社団法人SDGs 市民社会ネットワーク(SDGs ジャパン)」は、2015年9月に国連総会で採択された、17の地球規模課題をまとめた「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals; SDGs) の達成をめざして行動するNGO/NPO など市⺠社会のネットワークです。「誰も取り残さない」かたちで貧困や格差をなくし、持続可能な 世界の実現をめざすというSDGs の理念に賛同し、その実現のために、(1) 幅広い市⺠社会のネットワークづくり、(2) 政府・国会などとの対話を促進することを目的に、2016年4月に発足しました。SDGs が掲げる各課題について、日本の NGO/NPO の幅広い連携・協力を促進し、⺠間企業、地方自治体、労働組合、専門家・有識者などとの連携も進めていきます。

「一般社団法人SDGs 市民社会ネットワーク(SDGs ジャパン)」は、日本におけるSDGs の取り組みを加速化するために、以下のような取り組みを行っています。

政府「SDGs 推進指針」策定に向けた働きかけ

政府は2016年5月、総理大臣を本部⻑とする「SDGs 推進本部」を設置、「SDGs 推進指針」の策定に取り掛かりました。「SDGs 市⺠社会ネットワーク」は、指針策定に向けて、政府が主催するSDG s推進円卓会議に委員として3名が参加、日本の幅広いNGO/NPO の声を集め、政府に届けていく試みを行ってきました。「SDGs 推進指針」は2016年12月22日に官邸より発表されています。

SDGs 推進に向けた幅広い連携・協力の構築に向けた働きかけ

日本国内でSDGs の達成に向けた幅広い協力・連携体制を作るため、有識者・専門家、⺠間企業、労働組合、地方公共団体、協同組合など様々なセクターに働きかけ、推進ネットワークづくりに取り組んでいます

SDGs についてより多くの人に知ってもらうための働きかけ

SDGs は日本国内でまだまだ知られていません。SDGs について、より多くの人々に知ってもらい、サポートを広げるための取り組みを行っています。
「一般社団法人SDGs 市民社会ネットワーク(SDGs ジャパン)」は、日本でまだ認知の低い「持続可能な開発目標(SDGs)」について伝え、一緒に考えるきっかけも提供しています。

講師派遣

全国各地での団体や地方自治体、学生ネットワークなどが主催する「SDGs」を紹介するイベント、講座、シンポジウムへ講師派遣を実施しています。SDGs 市民社会ネットワーク世話人・進行役・事務局はもちろん、本ネットワークに関わる有識者などからご相談内容に応じて、希望されるテーマを話すことができるスタッフを派遣します。

SDGs を伝えるためのイベントやキャンペーンについても相談に乗っています。

日本国内でSDGs の達成に向けた様々な取り組みは始まっています。さらなる情報発信をSDGs 市民社会ネットワークではお手伝いしています。

子ども・若者向けのハンドブック、日本語版も完成!

子ども・若者向けハンドブック『私たちが目指す世界 子どものための「持続可能な開発目標」』は、自由にダウンロード、印刷してお使いいただけます。ぜひいろいろな場でご活用ください。

https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/sdgs_child_friendly.pdf

 


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