G7に問う グローバルな食料安全保障と健康で持続可能な「食と農」=G7宮崎農業大臣会合に向けて=

【日時】:3月22日(水)18:30-20:00
【形式】:オンライン・セミナー
【参加】:無料。以下のフォームから参加登録をお願いします。
登録フォーム:https://forms.gle/5sojSkAYZjSFznTy8
申し込まれた方には後日、動画を共有します。
【主催】:(特活)アジア砒素ネットワーク、GII/IDI懇談会NGO連絡会、(特活)AMネット、(特活)アフリカ日本協議会、G7市民社会コアリション2023
【お問合せ等】:アジア砒素ネットワーク(担当:石山)
メールアドレス:aanishiyama(@)gmail.com
※( )を外して送信してください。

<プログラム> 90分
開会挨拶:星野智子(G7市民社会コアリション2023/環境パートナーシップ会議)
趣旨説明:石山民子(アジア砒素ネットワーク)
基調講演:松平尚也(農業ジャーナリスト/AMネット代表理事)
農業者からの提言(農業団体等)
参加者間でのディスカッション
総括・閉会挨拶:稲場雅紀(アフリカ日本協議会/GII/IDI懇談会NGO連絡会代表)

<趣旨>
2023年4月、G7農業大臣会合が宮崎市で開催されます。G7は2022年6月のドイツ・エルマウでのサミットで世界の食料安全保障に関するG7声明を採択し、世界の食料と栄養の安全保障の強化や食料と農業市場の開放を確認しました。しかしG7の巨額の食料安全保障策がメディアで大きく取り上げられる一方で、その農業開発の方向性が世界の農民に悪影響を及ぼすと指摘されています。G7はまた2015年のサミットにおいて、2030年までに途上国の5億人を飢餓と栄養不良から解放することを目指していますが、その中身はほとんど知られていません。

第二次世界大戦後、世界の食料生産は大きく変容しました。アジアやアフリカでは「緑の革命」とも呼ばれた農業の近代化や食料増産が進んだ一方、世界的に単作化が進み、小麦、米、トウモロコシ、大豆の4作物が、地球の全農地のうちの半分を占めるようになりました。一部の多国籍企業が主導する食料のグローバル化は、食文化の衰退や各国の食料自給率低下を引き起こし、世界で肥満と飢餓が同時的に起こるという食の格差を生み出しました。そこでは栄養不良人口の急増や慢性疾患の増加など健康への悪影響の問題が指摘されるようになりました。

G7は食料安全保障の課題に対し世界銀行と共同で「食料安全保障のためのグローバル・アライアンス」を設立しています。世界銀行が主導する農業開発は、農民を世界市場に組み込む一方で現場の課題を解決するものでなくその自立性を奪う、という批判があります。そこでは農民自身が食料生産について考える機会を奪い、貧困を定着させ、女性の参加をも阻んできたことが指摘されています。さらに多国籍企業が深く関わる化学肥料や地下水灌漑の多投をする大規模な工業的農業は、世界の温室効果ガス(GHG)全体の約3割、淡水使用量全体の7割を占め、気候変動や天然資源枯渇などの地球環境にも大きな負荷を与えることが指摘されています。一方で国連などは、小規模・家族農家について、少ない資源を活かして人々が直接口にする食料の7割を供給している、持続可能な農業・農村の担い手として再評価しています。

G7各国においては、食料安全保障の不安定化、生産者の減少や高齢化、食料の格差とフードロス、といった共通的な課題に対し、各国がそれぞれ責任を果たしながら、持続可能な食料生産を次世代に引き継いでいく必要があります。自立性や食料主権を奪われた小農の手に決定権を取り戻すための環境整備も、G7に共通する課題であり、各国は、課題解決にむけた役割を担うことが求められています。本イベントは、G7農業大臣会合に先立ち、市民社会として、食と農業に関して重点的に取り組むべき点について考え、発信することを目的に開催します。さまざまな分野の方々のご参加をお待ちしております。