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新型コロナウイルスと公正な医療アクセス

2020年初頭から始まった「新型コロナウイルス感染症」(COVID-19)。世界はこのパンデミックによって、大きく変わっています。COVID-19パンデミックが始まって以降、アフリカ日本協議会では、その世界的な動向や、国際的な対策の形成や実施の状況について継続的に調査を行い、最新情報を日本語で提供してきました。特に以下の3つの視点を大切に、情報発信を行っています。

COVID-19と「公平な医療アクセス」

「連絡会」ウェビナーで「知的財産権保護免除」に向けて意思表示(2021年11月30日)

COVID-19パンデミックが始まって以降、膨大な資金と、これまでのさまざまな研究の積み重ねによる知見を総動員して、多くのワクチンや治療薬、診断薬などの開発が行われてきました。また、2000年代初頭のエイズ問題の教訓などを生かして、「公正なアクセス」に向けた国際機関の連携枠組み(ACTアクセラレーター)なども設立されました。しかし、残念ながら、ワクチンは当初、資金力を持つ先進国が独占し、今に至るまで「ワクチン・アパルトヘイト」ともいわれる先進国と途上国の格差が続いています。治療薬、検査についても同様です。また、その背景には、90年代から続く、知的財産権を行使しての、製薬企業の医薬品独占の問題があります。

アフリカ日本協議会では、公正な医療アクセスを実現するための世界的なアドボカシーの取り組みに日本から参加するとともに、8つの団体と連携して「新型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!連絡会」を設置、国内でも政策提言や、国際的な医療格差の問題を日本社会に伝えていく活動に取り組んできました。

「知的財産権保護免除」を求めるアクション
南アフリカ共和国のドイツ大使館前で行われた「知的財産権保護免除」を求めるアクション(提供:国境なき医師団)

<詳しく知りたい方へ>
「新型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人へ」連絡会ページはこちら

アフリカ日本協議会による「公正な医療アクセス」に関する発信
■新聞記事
オミクロン株出現は途上国支援不足のツケか 先進国目線の限界(東京新聞 2021年11月30日)

誰もが安全になるまで(毎日新聞 12月4日 ※有料記事)

■コロナと知的財産権に関するインターネットTV番組「マル激オンデマンド」
※完全版は有料(以下のウェブで購入できます)
新型コロナワクチン開発は自国中心主義から脱却を
稲場雅紀 (2020年7月25日)
新型コロナワクチンは国際公共財として考えるべきだ
 稲場雅紀 (2021年4月24日)

COVID-19と国際的なパンデミック対策・対応の動向

グローバルヘルス戦略ウェビナー
日本の新グローバルヘルス戦略策定に向けた海外市民社会との対話ウェビナー(2021年11月8日)

2020年3月11日、世界保健機関(WHO)は、COVID-19について「パンデミック宣言」を行いました。その一か月後、ワクチン・治療・検査の開発から供給まで一体で取り組む国際機関・民間財団の連合体「ACTアクセラレーター」(COVID-19関連製品アクセス促進枠組み)が設立され、COVID-19パンデミックに対する世界的な取り組みが始まりました。しかし、この画期的な枠組みも、残念ながら資金不足や供給不足で困難な歩みを続けています。

一方、生物多様性の喪失や気候変動の結果、パンデミックが以前よりも生じやすくなっている状況の中で、COVID-19の教訓を生かして、パンデミックの予防・対策・対応のあり方を大きく変え、途上国、低所得国を含む世界全体で公正・公平かつ迅速なパンデミック対策の仕組みを構築していく必要があります。これについて、WHO・国連やG20などが検討枠組みを設置、報告書を発表。WHOも「パンデミック条約」の制定に向けて動きつつあります。これらの実現に向けた取り組みが2022-23年に向けて本格化しつつあります。

アフリカ日本協議会では、こうした国際的動向について、「国際保健とCOVID-19」というコーナーを設け、月2本の記事をアップする形で、最新情報を日本語で提供しています。

<詳しく知りたい方へ>

国際保健とCOVID-19(AJFウェブサイトコーナー)

<ポスト・コロナの国際保健を占う重要な資料を日本語化>

★2022年2月15日 以下を収録しました
◎WHOパンデミック対策・対応独立パネル(IPPPR)報告書「COVID-19 新型コロナを最後のパンデミックに」概要
◎G20ハイレベル独立パネル(HLIP)報告書「我がパンデミック時代の地球規模の取引」ハイレベルサマリー
出版物・世界物(AJFウェブサイトコーナー)

COVID-19とさまざまな保健課題の関係

南アのアクション
欧州連合に対して、公正な医療アクセスを求める南アのアクション(提供:国境なき医師団)

COVID-19の感染拡大や重症化には、さまざまな社会的・経済的・文化的な要素が絡んでいます。肥満や高血圧、糖尿病といった非感染性疾患(いわゆる「生活習慣病」)はCOVID-19の重症化をもたらしますが、これらは、途上国・先進国をとわず都市に生きる貧困層に大きく広がっています。また、途上国の大都市の大気汚染により、多くの人々が肺疾患になっていますが、これもCOVID-19の重症化につながっています。一方、スラム街などの劣悪な住環境、生活環境は、COVID-19の感染爆発を生んでいます。接触感染を防ぐための手洗いに使える清潔な水へのアクセスも厳しい状況です。COVID-19の世界的な収束、そして今後のパンデミックの予防・対策・対応のためには、こうした問題に継続して取り組む必要があります。

また、COVID-19によるロックダウン措置や物理的距離戦略は、多くの子どもたちから学校教育の機会を奪い、高齢者のコミュニティ活動も制限されるなど、保健以外にも多くの影響を与え、人々の「生活の質」(QOL)を下げています。一方で、デジタル化が促進されていますが、デジタルにアクセスできる人とできない人の格差も開いています。アフリカ日本協議会では、必ずしもコロナ対策の中で注目されてこなかった、こうした問題についても警鐘を鳴らしています。

<詳しく知りたい方へ>
稲場雅紀による論文
・「コロナ時代のSDGs戦略」(外交[外務省刊]Vol.65)
http://www.gaiko-web.jp/archives/3257 (サイトから購入可能)
・「ポスト・コロナを切り拓くアフリカの肖像」(世界(岩波書店刊)2021年10月号)
https://ajf.gr.jp/book-sekai10/
・「SDGsはなぜ必要か コロナの現実から考える」(「議会と自治体」2021年5月号)
https://www.jcp.or.jp/web_book/2021/04/post-768.html (サイトから購入可能)