2022年3月:気になったニュースご紹介

立命館大学生存学研究所とAJFは、アフリカ関連情報アーカイブの構築・公開で協力しています。

また、AJFでは主に日本のメディアが報じているアフリカ関連情報を毎月紹介しています。記事を選んでいるインターンの皆さんによる紹介・解説もついています。詳細は以下をご覧ください。

1.アフリカ関連情報データベース更新

2022年4月のアフリカ関連ニュースは以下からご覧いただけます。
http://www.arsvi.com/i/2-202203.htm(立命館大学生存学研究所・生存学ウェブサイト)

2.気になるニュース・情報

※インターンの皆さんのコメントもついています。

(1)ウクライナ・ロシア
(2)アフリカと中国
(3)TICAD(アフリカ開発会議)
(4)アフリカと日本(市民交流)
(5)COVID-19
(6)その他

(1)ウクライナ・ロシア

ウクライナ関連の報道で最も多かったのは、国連決議に関するものでした。下記いくつかご紹介です。
〇国連での一度目の決議
〇国連での二度目の決議
馬場口さん「エリトリアが反対。ロシアとの関係が気になる。もっと歴史を勉強しようと思った。ロシアに言及しない、つまりロシアの責任に触れない南アの人道決議案提出は残念に思った。コロナの知的財産権の件で、アメリカが歩み寄りを見せていたので、暫定合意した後でよかったと少し思った。南アが提出した案の採決をとることに賛成する国が多く、そのなかでも提出したのが南アだったことは、ロシアとのつながりの強さを思わせる。アフリカでの冷戦の代理戦争を想起させた。一方で、『西側諸国の決議案を快く思っておらず、(ロシア案との)中間点を望んでいることを示したかった(26日、朝日新聞より)』との主張から、非を明確にしないことで、冷戦のような対立に巻き込まれたくないという意図もあるのかと考えさせられた。また、アフリカ諸国が『“もし将来、自国で存続上の脅威や革命のような事態に直面した場合に、選択肢を残して”おきたいからだとアデコヤ氏は指摘する。(27日、CNN)』とあり、ロシアの力の大きさに将来的な有用性を考えていると推測されていることも特筆に値すると思った」

3月上旬、ウクライナから脱出できないアフリカの方々のことも記事になりました。
◆2022/3/4 CNN ウクライナで立ち往生の外国人留学生、「助けてください」と訴え
後藤さん「 留学生が紛争に巻き込まれて立往生してしまうという状況と、国や政府が何もできない状況なのがすごく悲しい。このようなことが続くとどんどん留学に行く子が減ってきてしまうと思うので、なにか対策や方針が決まっていってほしい」

(2)アフリカと中国

アフリカ・中国関係についての記事も出ています。概況分析が以下2本です。
各国の動向もいくつか出ています。断片的で内容も異なりますが、ウガンダ、マラウイ、ジブチ、ケニア、ガーナのものが記事になっていました。
渡邊さん「この石油埠頭がケニアにどのような影響を及ぼしていくのか注視していきたい」

(3)TICAD(アフリカ開発会議)

(まとめ:http://www.arsvi.com/i/2-ticad.htm#2022
3/26-27に閣僚級会合が開催されましたが、報道はわずかでした。

(4)アフリカと日本(市民交流)

(まとめ:http://www.arsvi.com/i/2civilsociety.htm
今月もたくさんの交流がありました。いくつかご紹介です。

◆2022/3/17 日刊スポーツ 松井秀喜氏、昨年12月「タンザニア甲子園大会」活動参加
◆2022/3/15 朝日新聞デジタル 仮放免者の姿、料理で伝える 愛知・津島で母国料理ふるまうイベント
◆2022/3/7 日本海新聞 レソトで教育活動の渡辺さん 小中学生撮影の写真展示
◆2022/3/19 日本海新聞 レソトの子どもが撮影した日常生活 米子市美術館で写真展
◆2022/3/20 日本海新聞 レソト大使が米子市長と面談 民間交流の大切さ訴え
◆2022/3/25 毎日新聞 ギニアにランドセル贈ろう 木更津市国際交流協会 中古の学用品、遊具31日まで募集 /千葉
2022/3/29 上毛新聞 南スーダンと新たな交流 サッカー2選手 ザスパ練習生に

(5)COVID-19 

3月の大きなニュースの1つは、知財権保護の免除に関する暫定合意です。ロイターの記事が上記です。これに対するAJFを含めた世界の市民社会の評価と対応については、AJF国際保健部門がまとめている以下の記事をご確認ください。
コロナ知財権保護免除の暫定合意案、市民社会からの批判にさらされるhttps://ajf.gr.jp/covid19_02apr2022/

(6)その他

インターンの皆さんが興味深い記事を紹介してくださっています。ぜひご一読を。
◆2022/3/16 TOKYO ART BEAT 建築界のノーベル賞とも呼ばれる「プリツカー賞」。初のアフリカ出身の建築家、ディエベド・フランシス・ケレが受賞
渡邊さん「 ケレ氏がアフリカ人初の受賞ということで、これはアフリカにとってとても価値のあることだと思う。貧しい環境で生まれたからこそわかる建築のあるべき姿を彼が実際の創作の中でも生かしていることは大変評価出来る点だと思う」
◆2022/3/17 IDEAS FOR GOOD ごみで作ったアートを展示。ナイジェリアの「廃棄物美術館」
後藤さん「 発想がとても面白いし、広まってほしいと素直に感じた」
 
◆2022/3/13 AFP BB News 字幕:海を汚すビーチサンダル、おもちゃやアートに ケニア
渡邊さん「 ゴミをゴミと捉えず何かの原料として捉えているこの取り組みはとても魅力的だし、もっとその活動範囲を拡大して欲しいと思う」
 
渡邊さん「パリ条約よりも拘束力の強い国際条約の合意が検討されている。プラスチックゴミが環境に与える影響の深刻さがやっと世界的に認められ始めていることを意味するのではないかと考える」
三原さん「世界情勢の不安定化により打撃を受けている産業が多数存在していることは明らかだ。安定した政治なしに循環した経済活動は行えない」
渡邊さん「以前までは原材料の輸入に焦点を当てていたようだが、原材料を加工し新たな付加価値を追加した商品を輸入するというスタンスに移ってきているようだ」
◆2022/3/15 JETRO 国際女性デーにバイク取り締まり強化を発表
渡邊さん  「バイク事業で生計を立てている人もいるため、この政府の対応は手厳しすぎるもののようにも思えるが、バイクタクシーの運転手による女性への暴行が増えていることも考慮すると妥当な策のようにも思われる。また、この記事を通して、アフリカでの女性の地位が少しづつ向上していることも読み取れる」
◆2022/3/17 NEXT MONEY FTXはケニア企業AZAファイナンスとの提携でアフリカに進出
渡邊さん  「 女性が運営している仮想通貨取引所。仮想通貨というデジタル的なことだけでなく、ケニアに新しい風を吹かせてくれるのではないかと期待」◆2022/3/21 NEXT MONEY ガーナ中央銀行がCBDCの立ち上げを計画
渡邊さん  「 先月の記事で、ケニア中央銀行が仮想通貨について国民に意見を求めている、というものがあったのを記憶している。デジタル通貨のアフリカでの需要が高まっていることが伺える」

渡邊さん「EVの導入は今回の件が初めてであるようだ。その上、設計開発は全て手ケニアの技術者によって行われた。よく海外の自動車メーカーがアフリカにその技術を導入した話はこのAJFの活動の中でもよく耳にするが、今回のように純アフリカ製のものは耳にしたことがなかったため、とても興味を持った。アフリカが「自立」の一途をどんどん辿っていることが伺える」

◆2022/3/28 朝日新聞デジタル 「元祖Q」は南アフリカ在住の男? 突然4→8移動、栄光からの転落
馬場口さん「ネットなので当たり前なのだが、この連載からQアノンと日本、南アまでのつながりを知り、Qアノンの思想とその盛り上げ・波がアメリカのみならず世界中で行われていることに驚いた」