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「地球規模のエイズ問題を考える10日間」に参加して

『アフリカNOW』 No.63(2003年発行)掲載

執筆:門脇七美(看護師、元青年海外協力隊員)

わたしは2002年の7月まで2年間にわたり、西アフリカのセネガルで青年海外協力隊員として保健活動をしていた。
帰国後に保健分野NGO研究会の主催で行われた「南部アフリカ・エイズ禍を生きる人々」と題した企画を通じて初めてAJFを知り、「地球規模のエイズ問題を考える10日間」のプログラムには、準備段階から参加させてもらうことになった。
NGOの活動に参加するのは初めてであり、今回の企画の一環であるシンポジウムは、ようやく内容を理解できる状態で、まだまだ自分自身の考えには至っていないが、10日間でたくさんの刺激を受けることができた。
各国のエイズ状況・シンポジウム開催などについてのガイダンスを受け、シンポジウム開催4日前から事務作業に入った。
この10日間は、ケニアでHIVに感染している女性たちを支援しているアスンタさん(女性)と、南アフリカで主に抗エイズ薬の供給を求める運動に関わるフォロゴロさん(男性)に同行して、アテンド・NGO訪問・東京でのシンポジウム・外務省訪問などのスケジュールを担った。
2人とも10日間の日程をスマートに、フル活動でこなされた。
アスンタさんは来日当初、時差ぼけや胃痛のために多少つらそうだったが、フォロゴロさんは「いい仕事ができるようにがんばっているんだ」と、いつもにこやかであった。
シンポジウム前日から、ゲストとスタッフの間で活動の紹介や専門用語の翻訳などの打ち合わせをしたために、当日の進行はスムーズに行われたが、わたし自身は、シンポジウム全体を通して使用されている用語の意味が理解できず、知識不足を実感した。
そのような中でもわたしの心に残っているのは、地道に今やるべきことを行い、女性の生活向上に努めているアスンタさんのパワーと、ダイレクトに政府へ働きかけるフォロゴロさんの行動力だ。
そして、「HIV感染者自らが治療と予防の活動を行うべきである」ということをわたし自身にも納得させてくれた2人の姿である。
1人1人の意志からすべての運動が始まり、問題に気づいた誰かが運動をやり始めなければならないことを改めて実感した。
HIVに感染しているために就職先がない、感染や失業に伴う収入の低下、抗エイズ薬が高価で自国生産ができない(薬の特許権の問題が関係している)、差別に伴う心の痛み、女性感染者が売春婦だろうと見なされる偏見など、彼・彼女らにとっての障害はいくつもある。
特に治療薬の問題について、WTO(世界貿易機関)における日本政府の姿勢が、安価な抗エイズ薬の普及にとって大きな障害の一つになっていることは、本当に残念である。
またシンポジウムの参加者が少ないことも同様に、悲しい現状だと感じた。
シンポジウムを通して、AJFの具体的な活動状況を知り、各NGOの訪問に参加でき、特に日本のエイズの歴史と現状を学べたことは、わたしにとって大きな経験になった。この分野への興味と新たな疑問が湧いてきたところである。
今回のようなシンポジウムがより多くの人に広まるように、大衆向けのより理解しやすい問題の伝え方はないものかとも考えている。


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