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海外NGOのニュースレターから:沙漠化はアフリカだけの問題か?

ENDA Inter-arabe発行”Info Desertification” No.2より抄訳

『アフリカNOW』20号(1996年4月15日発行)掲載

沙漠化はアフリカだけの問題か? ~沙漠化における論点CRDI 1994.9より

沙漠化はアフリカ特有の問題と考えられている傾向があるが、実際には世界各地で百近い国が砂漠化の影響を受けている。一方、沙漠化や土壌劣化に直接影響されている人の半数はサヘル地域に住んでいる。サヘルのすべての土地は荒廃を起こしている。アジェンダ21の定義によれば、沙漠化の影響する範囲は、乾燥・半乾燥・乾燥湿潤地域、つまり乾燥地域と呼ばれている地域に限られている。これらの乾燥地域は地球の陸地面積の41%を占めている。また、強度の乾燥地、つまり沙漠においては人間活動は微々たるもので、アジェンダ21でも、砂漠化防止条約においても、危険度の高い地域とはみなされていない。

アフリカ大陸の3分の2は乾燥または半乾燥地で地球の乾燥地全体の32%に相当することは容易にわかるだろう。けれども、北アメリカの3分の1が乾燥地であり、そのうちの74%が土壌荒廃を起こしていることを知る人は少ない。さらに驚くべきことにはこの荒廃の率はすべての大陸の中で、最も高いのである。

アフリカでは北アメリカに次いで乾燥地のうち、耕地、牧畜地の73%が劣化を起こしている。しかし、正確に言うと、アフリカの土地劣化の度合は、他の地域よりもひどい。予防や回復の手段がない為に、アフリカの土地は驚くほどの被害を受けているのである。

沙漠をなぜ憂慮するか?

世界人口の6分の1にあたる9億人の生活手段は沙漠の脅威にさらされた地域の土地に依存している。このことは(経済的、生態的、政治的)難民の深刻な状況をもさらに悪化させているのである。

UNEP(国際環境計画)の推定では、地球の土地の30%が沙漠化に脅かされており、乾燥地の3分の1は既に土地生産力を4分の1も失っているという。沙漠化の影響は、アフリカ、アジア、ラテンアメリカといった地域で、より深刻である。1991年にはアフリカの人口の4分の1が慢性の食糧不足に陥っていた。FAO(国連食糧農業機関間)の予想では、2000年までに2億人のアフリカ人が飢餓または栄養不良に脅かされるという。沙漠化はこの悲劇の唯一の原因ではないが決定的な要因のひとつである。UNEPによれば、乾燥地の1千万ヘクタールが毎年失われ、農業や牧畜を営めなくなっているという。そして乾燥地域の約70%が沙漠化または土壌劣化を起こしているというのである。

食糧生産のための土地は減少する一方で、人口は絶間なく増加している。ナイロビ大学地理学部のRichard Odingo教授は1990年に『世界の食糧生産の減少の影響は、すべての人間社会において認められるだろう』と宣言したが、これに対処する為には、国連の計画において沙漠化問題が大きな位置を与えられる必要がある。

食糧生産の低下が心配されているが、植物、動物の多様化が喪失する危険性も人間の活動を麻痺させる原因となる。この多様化なしには、増加する人口の食糧を確保する技術の進歩はあり得ない。生命の材料、貴重な遺伝子さえも永久に失われるかもしれないのである。再生する生態系の能力はまだよく知られておらず、多くの生態系が危機に瀕している。


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