【報告】SDGsから見た労働者の健康~すべての人に健康を~

2月21日(木)、連合会館にてアフリカ日本協議会もメンバーになっているNGO労組協働フォーラム(※)のHIV/エイズ感染症等グループ主催のセミナーを開催しました。

今回は、持続可能な開発目標(SDGs)3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」に照らした労働者の健康問題を取り上げました。

沢田貴志さん

まず、アフリカ日本協議会の稲場雅紀よりSDGsの概要と、特に目標3について概要を解説しました。

次に、「「見過ごされている健康格差~外国人労働者の健康を守るには~」と題し、(特活)シェア=国際保健協力市民の会副代表で、港町診療所所長で医師の沢田貴志さんが発表を行いました。現在、在住外国人、訪日外国人の数が急増しているが、日本人に比べて健康の維持が難しい状況があること、医療通訳などのサポート体制を整える必要があることなどをご報告いただきました。特に、日本で働いている人を支える必要性については、企業の社会的責任が問われています。

小熊栄さん

つづいて、連合社会政策局長の小熊栄さんより、「SDGsと労働組合が目指す持続可能で包摂的な社会」と題してお話をいただきました。まず冒頭で連合についての概要をご説明いただいたのち、連合ビジョン2035などを含むSDGsに関連のある今後の活動や、気候変動と「公正な移行」に関する労働組合としての見解と方向性について発表していただきました。

後半の質疑応答の内容とアンケートの一部を以下にご紹介します。


【質疑応答より】

(質問)外国人労働者の健康問題は重要になると思うが、人権や健康問題についてEUが知見をあるのではないか?EUや他の経済圏でどのような状況になっているのか?

(回答)日本とは制度的な違いがある。緊急医療は人権であり、予算をつけなければならないことになっている。日本の場合は、一部の自治体で未払い医療に対する補てんはあるが国の制度ではない。移住労働者に関する国際条約に日本は批准しておらず、移民としての権利を守る法的枠組みが必要である。神奈川などでは事例があるものの、地方参政権の問題などで外国人が政治に提言できない状況にある。韓国では外国人に地方参政権を提供しているため、移住労働者の人権問題の解決が進んでおり、ベトナムの技能実習生は韓国に行きたがっていると聞くこともある。

(質問)日本人より外国人の方が言語の問題もあり、労災のリスクが高いと思われる。通常、労災のリスクが高い職場は保険料が高い。人手が足りないというが、社会的なコストを企業が適切に負担していないと感じることがある。神奈川は外国人を雇用している企業の負担に関する議論や制度設計は進んでいるのか?

(回答)労災に関しては、在留資格がある場合に対象になる。しかし、在留資格がない外国人は言葉や教育がなく労災リスクが高い。NGO、組合、医療機関等との連携が必要である。医療通訳の費用なども含め、企業の責任という意味でもう少しがばってほしい。


【参加者の感想(アンケート結果より)】

  • 「SDGs」という」言葉は聞いたことはあったが、内容の理解が深まった。
  • 外国人の健康問題について、知識がなかったので概観できたのが良かった。また、これまでまったく知らなかった連合さんの活動概要を知れたのもよかった
  • SDGsについて改めて詳しく知る機会になり、大変有意義なフォーラムでした。ありがとうございました。
  • SDGs、労働、健康について理解を深めることができた。特に外国人労働者の課題については、知らないことばかりだったので勉強になった
  • 通訳に関しては、今後AI技術の活用で対応できるのかな? と思いました。でも、今後の日本は外国人の力が必要なので興味を持ちました。
  • SDGsについて、直接仕事で携わる機会がなかったため、説明を聞けて有意義であった。また、外国人労働者の健康についても、これまで知る機会のなかった部分であり、今後、継続してウォッチしていきたいと感じた
  • SDGsの達成に向けた労働組合の役割が理解できた

2.本日一番心に残ったことをお聞かせください

  • 「ほっといたら世界は続かない」「医療通訳不足による外国人労働者の不利益」
  • 自身の居住地域での事象として外国人(盗難アジア/南アジア)の人が増えたのは、目にするところがあるが、そこにこうした課題があるということを示していただいた。
  • 自分の住んでいる地域もネパール人、中国人の人が多いのですが、病気になった時どうしているのか心配になりました。
  • 外国人労働者もしくは、労働者として入国はしていないが労働に従事している人の労働環境悪化と結核新規登録者数の増加に関するお話に、労働運動に携わる者として、我々の取り組みの遅れ、不在を改めて実感した。自組織に持ち帰りたい。
  • 外国人労働者の健康を守るには、言葉の壁で医療を受けられなく、これから外国人聾者が増加するなかで、自治体でなく国として課題があると感じた。
  • 公正な移行
  • 神奈川で通訳の派遣制度によって、医療費補填事業が0に近くなったという(指摘)
  • 労働組合の活動がSDGsとも関りが深いということ

※NGO労組協働フォーラムとは:NGOと労働組合が社会開発と国際連帯という共通の目標に向かって、人材、資金、技術を互いに補完しあい、貧困、人権、平和、環境などの地球規模の課題解決に協働して取り組むプラットフォームとして2004年に設立されました。