アフリカ農業発展ための農業普及事業の課題

2006 第3回 食料安全保障研究会 公開セミナー 報告

開催日時:2006年4月18日(火)午後6時半~8時半
講師:藤田 康樹さん(東京農業大学客員研究員)
会場:丸幸ビル2F JVC会議室

4月18日(火)に開催した公開セミナーで、藤田さんの長い経験と農業普及事業に関わる多角的な視点を踏まえた問題提起を受けました。参加者からも体験を踏まえた報告、質問が出され、非常に興味深いセミナーになったと思います。

報告

以下、問題提起・質疑から印象に残った点です。

  • 農業普及事業では、農業の担い手の意欲を高める働きかけが重要。
  • 途上国とりわけサハラ砂漠以南アフリカ諸国では、女性が食料生産の80%近くを担っている。女性のグループを活性化させることが、農業普及事業にとっても重要。
  • ラオスでの農村支援の経験から、女性を対象とする事業は、多忙を極める女性たちが参加できる場所で実施する必要がある。
  • アフリカ諸国では、農業普及事業を国家が実施しているが、1980年代に構造調整が始まって以来、公務員削減の最初のターゲットとされたため、農業普及員の数が減っている。
  • 2002~2005年のザンビアにおける農業と農業普及事業の問題点をまとめたJICAザンビア農業普及研修員のレポートによると、エイズによって農業の担い手である若い男女が減少する、病人の世話に追われて農業生産に注力できない、といった問題が生じている。
  • 農業普及事業の効果を高めるには、モデル地区の設定して成果を見せる、意欲と能力のある農家をモデルあるいはリーダーにしていく、農業従事者のグループを育成することが必要。
  • セネガルでは、女性たち専用の耕作地・作物などがあり、収穫物の使い方も女性たちが決めることができる。
  • セネガルでは、農業普及員が減少し、NGOや民間団体が農業普及事業を行うようになったことで、政府の役割が明確になっている。すなわち、政府・地方政府は、農業振興のために政策的な助成金の支給や情報提供などを行う役割を担っている。
  • NGOや民間企業が農業普及事業を継続的に行うことができるかどうか、疑問だ。

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