- 日 時 :2009年02月28日(土)17:45下北沢駅西口改札集合
一部18:00-19:00/二部19:00-20:00(いずれかの参加でも可) - 講師 :小島美佐さん(アフリカ雑貨店「African Forest」店主)
- 会場:一部:African Forest、二部:チャカティカ食堂
カンガ、シアバター、バオバブ、ジャンベ、パチカ…アフリカにはこれら魅力溢れる品々があります。今回はアフリカ22カ国の商品を扱っているアフリカ雑貨店「African Forest」に足を運び、品々を見ながらエピソードやルーツ、またフェアトレードや雑貨ビジネスについて、店主である小島美佐さんにお話を伺います。
第一部はアフリカ雑貨店「African Forest」を訪ね、アフリカ雑貨を手に取りながら、その雑貨のルーツを店主の小島美佐さんにお話して頂き、どこの国で作られたのか?どんな人に作られたのか?どんな風にして日本にやってきたのか?など、生産者の顔が見える商品の仕入・販売、品物にまつわる背景を探ってゆきます。後半には買い物タイムを設けますのでお気に入りの雑貨を見つけてみて下さい。
第二部は多国籍料理屋「チャカティカ食堂」にて、一部に引き続き、小島美佐さんに雑貨屋を始めたきっかけやフェアトレード、アフリカマーケット(アフリカでの効果・生産者の生活はどう変わったのか?)、日本での反響(フェアトレードに対する反応)などを伺いながら現地の写真や思い出のアルバムを見ていきます。
講師プロフィール
小島美佐さん
アフリカン雑貨店「African Forest」の店主。 幼少の頃からの趣味である雑貨収集とライフワークである国際協力を融合させて、アフリカとのフェアトレードを実践する。アフリカには、数十回以上の渡航経験を持つほどアフリカの生活や文化に精通する。アフリカ雑貨を専門に扱う、日本では数少ないスペシャリスト。
話題奮闘中のブログはこちらhttp://ameblo.jp/africanforest/
イベント報告
参加者12名、スタッフ9名、合計21名となりました。講師の小島さんはアフリカ雑貨店「アフリカンフォレスト」の店主で、立ち上げ前から雑貨屋が好きで、そして国際協力にも関心があったそうです。
ある日、フェアトレードに携わる方の家に行き、フェアトレード紅茶を出された時に衝撃を受けたそうです。”お買い物から国際協力ができること”にです。その事がきっかけで、雑貨店・貿易をはじめたそうです。最初はアジア・アフリカ・中南米と多岐にわたり仕入れを行っていましたが、市場が成熟しているアジアではなく、チャレンジングでやりがいを感じたアフリカに市場を絞ったそうです。
そして立ち上げ場所として多様なお店が並ぶ下北沢を選び、現在に至る「アフリカンフォレスト」が立ち上がりました。
生産者とのやりとり~仕入れるルートの発掘~
仕入ルートの発掘には3つあります。1つめは直ルートの確立。実際に現地に赴きアフリカの街を歩くそうです。アフリカの雑貨店を知ることができるのと、現地の人たちはフェイストゥフェイスしかないので直接交渉ができることが一番大きいルートだそうです。2つめはネットの活用。アフリカフェアトーレドの組織(国内外含め)のホームページをチェックすることです。そして3つめは国内の展示会やギフトショーに足を運ぶことだそうです。それぞれ、情報を集めることや直に交渉することがポイントだそうです。
交渉時に大変だったこと、重要なこと
まず、さまざまな価値観の相違があることです。最初の壁はアフリカの人たちはおおらかでビジネス交渉時にコミュニケーションをとることが大変だったそうです。また、金銭面では前払いを希望されるそうですが金額を半分以下の前払いにすることがお互いのために良いとのことです。この2点を前提としたうえで、梱包が雑だったり、着払いで商品を送るなど細かな価値観の違い、こういった相違を踏まえつつ時間をかけてお互いのクオリティを高めてゆくことが重要だそうです。例えば最初のサンプル段階では寄付代わりの購入でボランティアに近いものであっても、つながりを切らないようにコンセプトを大事にし付き合いを続けてゆくことが大切だそうです。また、リピートについての違いもあります。日本でいえばリピーターになることでサービスやディスカウントがあるけれど、アフリカの場合は徐々に値上げしてゆくことがあるそうです。そういった場合にはビジネスの観点から取引を中止にする場合もあるそうです。ビジネスの観点、国際協力の観点から常に判断をしてゆかなければならないそうです。
商品の選択について
商品の作りはヨーロッパを意識した品物が多いそうです。その中で日本の面積や日本人の好みとして”プチ”好きな部分を考慮し自分の趣味ではなく日本人の好みに合わせた商品のチョイスをしているそうです。また日本市場の販売価格の適正を考慮し規格外の価格を提示されているものは省いたうえで、日本で売れる、であろう商品を選ぶことが重要だそうです。
フェアトレードについて
第二次世界大戦後に独立支援のための緊急援助が行われてゆく中で「自分たちも貿易をしたい」という現地からの声があったこと。そして一方的な支援をする、受ける、の形ではなく、公正な取引を行うためにヨーロッパの学生たちが主体となってフェアトレードショップができたのが、最初のはじまりだったそうです。当初は紅茶やコーヒーなどの一次産品が流通商品だったそうです。労働に見合う対価を得られ、労働環境に配慮され作られた商品、そして国際相場の影響を受けづらい、ブームに影響されない、バランスのある安定した市場へと変わっていったそうです。フェアトレードは経済活動の網の目から外れた人たちの自立支援に役立っています。継続した持続的な取引がフェアトレードでは重要なことだそうです。
アフリカンフォレストとしては現地の商品の素晴らしさや伝統の良さを知ってもらったうえで購入してもらえたら嬉しいそうです。「先進国のニーズに合わせたものだけでなく、その国の文化が根ざしたものをご紹介し感動・発見していただけるきっかけがアフリカンフォレストであれば」とのことです。
商品名:チョコレート。ガーナのクマシにあるカカオ協同組合「クワパコクー」で生産されたカカオ。同協同組合が所有するチョコレート工場にて製品化したフェアトレードチョコレートでオーナーシップをヨーロッパではなくガーナ側が持っていることも大きな特徴。フェアトレード認証マークも付いています。
商品名:手すきがみ。南部アフリカで活動するフェアトレード組織「mapepa」の手すきがみ。アフリカ地域に自生する草木を用いて農村の女性が生産し副収入源になっている。現地のデザイナーがデザインしている。エコな風合いが特徴的。インターネットを通じてつながりを得たそうです。
商品名:オゾンソープ。ナイジェリアで生産された西アフリカの伝統的石鹸。カカオの灰とシアバターの成分は女性の協同組合で作られている。さらに蜂蜜、ライム、アロエなどを加えたお肌に優しいエコ石鹸。先進国に持ってゆけば需要があるだけでなく、現地の人たちが使っていて自分たちの使っているものの価値がどこにあるのかを知っていて誇りを持っているものを紹介したいそうです。
お買い物タイム・チャカティカ食堂にて
具体的な商品を目の前にし参加者それぞれの聞きたいことや気になることを小島さんに質問していました。経験豊かな小島さんのお話に真剣に聞き入っていました。
【ここでアンケートに寄せられたメッセージを紹介します】
◆日本人と考え方の違うアフリカの人々とビジネスを続けるのは大変なことかと思いますが、これからも素敵な製品を発信していってください。(40代 女性)
◆今までに行った普通の雑貨店にはない商品や理念をきくことができ、とても勉強になりました。(20代 男性)