東アフリカの主張する布ーカンガの魅力に迫るー

イベント概要

  • 日 時:2007年1月27日(土)14:00~16:30(13:30開場)
  • 講 師:織本知英子さん
  • 場 所:早稲田奉仕園 セミナーハウス100号室

カンガとは東アフリカ、タンザニアやケニアの女性たちに愛されている一枚布のことです。
普段は腰に巻いたりショールにしたり、子どもを背負う時にも大活躍です。そしてカンガの大きな特徴は「カンガセイイング」がプリントされていること。カンガセイイングはスワヒリ語のことわざや人生の教訓、愛のメッセージなど色々な言葉があります。アフリカンレディーたちは自分の気持ちや考えを伝えたいとき、その気持ちにぴったりの言葉が書かれているカンガを着て、さりげなく自己主張するのです。
アフリカのファッションや、なんとなくその鮮やかな色使いに魅かれている方、そしてアフリカの文化全般に興味のある方などには必聴です!!当日はカンガの巻き方講座も開催します!!あなたも日本での生活に、気軽にアフリカを取り入れてみませんか?

講師プロフィール

織本知英子さん
東アフリカの一枚布「カンガ」を中心とした、展覧会、展示会、お話会などを通じて、 東アフリカの生活文化を紹介する「ポレポレオフィス」を主宰。訳書・著書に「カンガマジック101」「カンガに魅せられて」、写真集「カンガコレクション」など。21世紀中に「カンガ美術館」を開設したいという夢を持って、精力的に活動をされています。

ポレポレオフィス:https://www.polepoleoffice.jp/

イベント報告

織本さんがカンガと出会った経緯から始まり、織本さんが訪れたモンバサの写真を通して、カンガが現地の人に文化であり、また女性のおしゃれに欠かせない存在であるというお話をしていただきました。カンガは年々、柄なども変化しており、95年あたりのカンガというのは、割とシックな感じでなのに対し、04年ぐらいからカンガの柄は派手な色彩に変わってきたとのことです。またカンガは現地で作っているイメージが強かったのですが、インド製やタンザニア製なども増えてきているとのことです。その背景にはケニアにある、カンガの工場がなくなってしまったことの他に各国にもカンガが浸透しているということもあります。

さらにカンガと似ていますが大きさが倍以上ある、キテンゲという布も紹介していただきました。キテンゲは大きい分ワンピースなどを作ることが可能で、また布の質が硬いため、しっかりした服を作るのに好まれるそうです。

カンガは1870年代から作られているらしく昔はもちろん手書きで作っていましたが、現在ではコンピューターでデザインすることが多いとのことです。コンピューターの使用により色の置き換えが容易になって同じデザインで違う色の組み合わせが可能になりました。またカンガの特徴は選挙活動のPRやクリスマスや愛の言葉などを、大勢の人・個人個人に伝わりやすいようにカンガにスワヒリ語でメッセージを書きいれる使われ方をしているとのことです。

その後は、会場から質疑応答を紙に書いてもらい、集計しました。「ストリートガールはいるのか?」「どうやってストリートボーイと仲良くなれたのか?」「成功しなかったストリートボーイはどうなる?」など様々な質問にも、ユーモアを交え全て答えていただきました。最近のコートジボワールについても触れられ、クーデター内戦の中、「治安維持」の名の下、有力なヌゥシが殺害されるという事態が起き、ストリートボーイの憧れの職業である自動車番を政府がやるようになったため、ストリートボーイが押し出されるというような事態になっているようです。一方で、近隣のギニアやブルキナファソでは都市化やマスメディアの発展に伴い、ストリートカルチャーが芽生えてきているようです。ブルキナファソについては、11月のアフリカひろばで、首都ワガドゥグでラスタの研究をされている清水貴夫さんにお話をしていただく予定です。こちらもご期待ください。

交流会も、講師であるにもかかわらず、一人一人のコメントに鋭いツッコミやジョークを連発していただき、参加者の方が笑いっぱなしの1時間でした。

アンケートから学んだことや講師に対するメッセージが寄せられましたので、一部を紹介します。

  • 非常に楽しい講義を有難うございました(30代女性)
  • 映像がたくさんあってリアリティがあってよかったです(20代女性)
  • ストリート社会の中での、人々の色々な違いを少しでも知ることができてよかったです。いつかルバのダンスを習いたいです。(20代女性)
  • 「悪いことが必ずしも悪くないと考えるようになった。ストリートボーイと付き合って人生が少し楽になりました」という鈴木さんのコメントについて、自分の頭で考えているだけでしたが、改めて他人から聞くと一層勇気が湧いてきました。(40代女性)
  • 映像を含めたプレゼンが大変刺激的だった(20代男性)
  • 本を読ませていただきましたが、実際の歌やダンスが見られてよかったです(30代女性)
  • アフリカのストリート文化を知る機会はなかなかないので大変貴重な経験になりました(10代女性)

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