FAOの資料を読む学習会について

『アフリカNOW』114号(2020年9月30日発行)掲載

執筆:斉藤龍一郎

2016年度まで明治学院大学国際平和研究所研究所(PRIME)、ハンガー・フリー・ワールド(HFW)、日本国際ボランティアセンター(JVC)、オックスファム・ジャパン(2018年9月解散)と共催して開催していたセミナー「食べものの危機を考える」(現在、休止中)で提起し、2017年4月から「FAOの資料を読む学習会」を開始しました。この学習会の目的は、FAOのGlobal Information and Early Warning System(GIEWS:http://www.fao.org/giews/en/)発信の定期レポート”Crop Prospects and Food Situation”を読み、その内容を日本語で紹介することです。限られた人数ですが、熱心な参加者が日本語訳文を持ち寄り、読み合わせを行い、確定した日本語訳をAJFのウェブサイト「アフリカの食料と農業」ページに掲載している『今知る世界の食料危機』で公開しています。最新号は2020年3月号です(https://ajf.gr.jp/foodcrisis-no-9-mar2020/)。

GIEWS について

FAOは、世界の農業、漁業、林業、食料問題に関するさまざまな情報・データを集積し、それらの分析をもとにした多種多様なレポートを発行することを主要な業務としています。FAOのGIEWSは、食料危機の予測、現状報告、危機の背景にある食料の需給に関わる状況報告を行っています。
具体的には、季刊レポート”Crop Prospects and Food Situation”、年2回刊の”Food Outlook”、月刊”FPMA Bulletin”(途上国市場の食料価格情報)といった刊行物(すべてウェブサイトからダウンロードできます)の作成・配布、ウェブサイトを通した情報提供、解析ツールの提供などを行っています。

新型コロナウイルスと食料・農業問題

FAOは、新型コロナの感染拡大が食料・農業に及ぼす影響に対して取り組みを進めており、そこでの経験や寄せられた質問に応じる形で、現状と課題を’Answers to frequently asked questions’にまとめています(http://www.fao.org/2019-ncov/q-and-a/en/)。
新型コロナの感染拡大の影響を総合的にとらえるため、学習会ではこのFAO の文書の日本語訳作成にも取り組み始めました。現在、’COVID-19 pandemic-impact on food and agriculture’にまとめられた質疑を分担して日本語化を進めています。現在この学習会は、オンラインで月1回ペースで開催しています。関心ある方や参加を希望する方は、斉藤まで連絡してください(saito@ajf.gr.jp)。


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