WWFの資金提供を受けた武装エコガード(森林警察)が「コンゴ共和国の先住民族に暴力を振るった」
The Guardianが配信した記事の英訳を、AJFが翻訳・紹介するものです。
引用などする際には、原文を確認してください。
スクープ:2140万ドル(約20億円超)の保全プロジェクトについての調査によって虐待の「確か」な証拠が報告された。
2020年2月7日 The Guardian
コンゴ共和国の野生生物を保護するためにWWFから一部資金提供を受けた武装エコガードが、熱帯林の奥深くに住む数百人のBakaピグミーの先住民族の人々に暴力を振るい脅したという、世界的なランドマークである保護プロジェクトについての査が報じられた。
リークされた報告書の草案によると、人権侵害の申し立てを調査するために国連開発計画(UNDP)によってコンゴ共和国北部に派遣された調査団は、出所の異なる情報から、当該の国立公園の近くに住む狩猟採集民族のBakaの人々は長年にわたりエコガードから暴力と身体的虐待を受けていたという「確かな」証拠を収集した。
昨年国連に報告された申し立てには、Baka先住民族の人々がエコガードに暴力を受けた、犯罪者とみなされ違法投獄された、森林から即時立ち退きさせられた、所有物を燃やされ破壊された、食料を没収されたなどがあった。
さらに、UNDPの社会環境コンプライアンスユニットは、エコガードがBakaの男性らを「人間以下」として扱い、Bakaの女性らの一部に服を脱ぐことを強要し「裸の子供のように」させることで屈辱を与えたということを聞いた。
その報告はこうも言及している:これらの暴力はBakaが森の中にいるときと同様に道路沿いの彼らのキャンプにいるときにも行われた。男性、女性、子供に対しても行われた。他の報告によると、エコガードたちが、あるBakaに銃を突きつけて別のBakaを叩くように強要したり、Bakaのなたを奪い、それで彼らを打った。
「Bakaの男性たちが刑務所に連行された報告と、刑務所内で拷問とレイプが行われたという報告がある。あるBakaの男性の未亡人は、刑務所で酷い虐待を受けた夫が、釈放されて間もなく亡くなったと話した。彼はWWFマークの車で刑務所に連れ去られた。」
2020年1月6日付の報告は、次のように付け加えています。「暴力と脅威は、Bakaのコミュニティに心的外傷と苦痛をもたらした。それはまた、Bakaが彼らの慣習的な生活を続けることを妨げ、さらなる周縁化と貧困を助長している。」
UNDPは、2018年にBakaから手紙を受け取った後に行動した。Mbaye村の人々により署名されたその手紙にはこのように書いてある。「彼らは私たちが森へ行くことを禁じています。森でキャンプを作ると、エコガードがそれらを焼き尽くします。こんにち、多くのBakaが死んでいます。子供たちはやせ細っています。私たちの森林の薬は既に欠乏していました。私たちはWWFに困難を訴えましたが、彼らはそれを聞こうとしません。彼らは私たちが森に行くことはできないと言うだけです」
2017年2140万ドル(1660万ポンド=約20億円超)かけてコンゴ共和国北部で立ち上げられた最も重要なTridom 11プロジェクトは、WWF、UNDP、欧州委員会、米国およびコンゴ共和国政府、地球環境基金(GEF)、伐採およびパームオイルの大企業からの資金で設立されました。その中心はMessok Djaとして知られる1,456平方kmの森林地帯が含まれる。
この世界的な生物多様性のホットスポットは、マルミミゾウ、ゴリラ、チンパンジーなどの野生生物が豊富で、数千年に渡り半移動生活のバカ先住民族が住んでおり、小型の獲物の狩猟に使用されている。 WWFは、野生生物の犯罪を減らし、隣接するカメルーンの国立公園を結ぶ生態学的な回廊として機能するように、保護地域または国立公園に指定されるように10年間求めてきた。
WWFは、エコガードはコンゴ共和国政府によって雇用されたが、WWFとのコンゴ共和国政府の協力であるTridom interzone project(ETIC)を通じ、他の資金提供者と一緒に訓練や賃金を提供していることを認めている。それは、Bakaが森林を使用するのを妨げる法的制限がないことを付言する。
ガーディアンへのEメールで、WWFのスポークスマンは次のように述べている。「WWFの資金はETICの口座に支払われ、ETICによって分配されます。その資金の一部は、訓練、給与、設備などにエコガードに使われました。」
UNDPチームがインタビューしたWWFコンゴ共和国のローカルスタッフは、エコガードによる「Bakaに対する虐待の証拠を認めた」と報告書で述べている。 「エコガードの活動は多くの場合成功例であるが、このような出来事は、エコガードの中に少数の悪い人が存在するゆえの例外的な事件として提示された。 あるWWFのスタッフは…これらの事件は、誰かに制服と銃を与えることによる心理的な影響のために発生していると説明した。一部の人にとってそれは虐待を行う許可証になってしまうのだ。
その報告には次のように付け加えられています。「Bakaの人々はもはや蜂蜜を取りに森へ行くことができないことがわかった。彼らは、エコガードによって厳しく罰せられる危険を冒さずに、もはや小動物を捕まえることができないことを恐れている。森で捕まえられたBakaが暴行されたという多くの報告がある。」
調査官はまた、UNDPが人権政策と基準を順守することについての複数の失敗を特定し、Bakaの人々に対するプロジェクトの影響についてはほとんど考慮されていなかったと述べた。
(先住民族の)コミュニティは、自分たちの慣習的な土地が保護地域に変えられるという情報をほとんど与えられなかっただけでなく、資金提供者も保全プロジェクトが環境的および社会的利益をもたらすとみなしていた、と報告書は述べている。
調査官はまた、UNDPが、その仕事の本質は大規模に生物多様性の損失を脅かすパーム油および伐採会社とのプロジェクトに共同融資することのリスクを考慮に入れた形跡は見られなかったと言いました。
報告書は、アフリカ中央部地域での保全の実践方法を強く批判しています。 「保護地域としてのMessok Djaを設立した目的は、コンゴ盆地で確立された保護プロジェクトのパターンに辻住する形で進められてきた。先住民族をほぼ排除し、パートナーではなく脅威として扱っている」と述べた。
国際NGO森林人民プログラム(FPP)からWWFが委託した別の調査では、WWFは、アイデアが着想されてから7年後、政府および伐採会社との議論のかなり後に公園の影響を受ける可能性があるBakaのコミュニティのみに相談したことが判明した。
「(それまでの)プロセスが遅すぎた。コミュニティに示された情報は不完全であり、遅れて提示された」とFPPの報告に書かれている。
先住民族の保護に取り組むNGOのサバイバルインターナショナルのディレクターであるStephen Corry氏は次のように述べています。「このUNDPの報告は、アフリカ全体の人々と環境に多大な被害をもたらしたWWFの「強引な保全プロジェクト」モデルの終わりを意味する手厳しい告発です。
「伐採会社、パーム油会社、観光会社、および環境保全NGOは、Bakaの土地を奪うために協力しています。先住民と人権の尊重に関するすべての関連する国連の政策と法律は、最初から無視されました」と彼は言った。
声明の中で、WWFは次のように述べている。「私たちは報告書の見解と申し立てにショックを受けています。 Messok Djaの森林は、環境的な圧力の増大から保護されていますが、先住民、彼らのコミュニティ、伝統、生活を犠牲にすることはできません。地球上に残っている多くの重要な景観を保護する最良の方法は、そこに住むコミュニティと協力することです」
報告書の原稿は2019年初頭のフィールドミッションに基づいており、報告書の著者に明らかにした不正確さが含まれていると主張しました。
「報告書は、その土地の現在の状態を反映していません。私たちはここ数ヶ月間、関係者全員と精力的に取り組み、コミュニティの関与に関する慣行を見直し、先住民グループが解決策を見いだすことを保証し、彼らの生活様式が保全努力による脅威にさらされないようにします」と声明に付け加えられた。
「私たちは、虐待の申し立てを含む、コンゴ共和国に雇用されたレンジャーと地域社会との関係に関する懸念に特に苦しんでいます。私たちの社会政策と規則の違反は受け入れられません。私たちは必要なすべての行動を取ります」
UNDPのスポークスマンは次のように付け加えました。「この報告は、2018年10月に調査された苦情がきっかけとなった。申し立ての最初の調査に続いて、UNDPは2019年3月にプロジェクトを中断しました。我々は報告が公開されるまで、調査結果についてコメントすることはできません」