ーアフリカ武勇伝ー
イベント概要
- 日 時:2007年4月21日(土)14:30~16:30(14:00開場)
- 講 師:大西真由美さん
- 場 所:WA!(目黒区駒場3-11-14 駒場友和ビル4F)
青年海外協力隊の保健師としてパラグアイに派遣され、その後、保健分野の専門家として南米はアマゾンまでも知り尽くし、その半生を国際協力に投じてきた一人の女性保健師が、アフリカに赴任することに!保健分野の専門家が見た、楽しく愉快なアフリカ体験を、あなたも聞いてみませんか?
講師は、あるときはJICAの保健分野専門家、またあるときはNGOのテクニカルアドバイザーとして世界を股にかけ、大活躍をしている大西真由美さんです。ちなみにJICAの専門家でナイジェリアに長期で派遣された初の女性です! スゴ腕ナイジェリア人とのタフな交渉術や、西アフリカで見かけた摩訶不思議な動物のお話、ジンバブウェ特製・芋虫の干物料理の紹介やモザンビークで無くした手荷物と補償金を取り返した成功談など、次から次へとアフリカのミクロ話や武勇伝が飛び出します!割腹絶倒のおもしろい話にあなたもいつしかアフリカの虜に……。 また、看護師・保健師として地域の人と共に活動したからこそ見えてくる村の生活・地域の生活を豊かな経験を基にお話していただきます。アフリカに興味がある方だけではなく、途上国の保健分野に興味のある方、また国際協力分野でキャリアを積みたいと思っている方も必聴の企画です。
講師プロフィール
大西真由美さん
医学博士、保健師、看護師。パラグアイに青年海外協力隊・保健師として2年派遣された後、ニカラグア、キューバ、グアテマラ、ブラジルなどで保健専門家として活躍。長らく南米で仕事をしてきたが、2003年にJICAの企画調整員として初めてアフリカ・ナイジェリアに派遣される。その後は、JICAの専門家やNGO(NPO法人HANDS、シェア=国際保健協力市民の会)のアドバイザーや調査員として、ザンビア、ジンバブウェ、南アフリカ、モザンビークとアフリカ各地・各国で活躍。現在に至る。
イベント報告
講演では、写真をたくさん披露していただき、ミクロな話をたくさんお聞きすることができました。たとえば、タンザニアとの国境の街ペンバは、まさにアフリカとは思えないほど素晴らしいとのお話でした。
また、モザンビークの首都であるマプトは、ブラジルの首都ブラジリアを真似て都市開発しようとしたので、モザンビークの町並みの写真はブラジルに似ているところもあり、一般的に抱かれているようなアフリカのイメージとは違うものでした。そんなモザンビークもやはりエイズの脅威はあり、成人の16%がHIVに感染しているとのことでした。 この16%という感染率は、他の南部アフリカ諸国(南アフリカ、ボツワナ、レソト、ジンバブウェなど)と比べればまだ低い数字であるとのことですが、東アフリカと比べるとずっと高い感染率です。市場で避妊具が販売されている写真も見せていただきました。
大西さんが実際に体験されたこととして、ヤギと羊を見たとき、日本人とアフリカ人で見方が違うという話、西アフリカの食べ物の話、食事に芋虫を出された話などをされ、参加者一同笑いに包まれました。ちなみに大西さんは、芋虫は食べられなかったそうです。
また、ナイジェリアの話に関しては、石油による利益が得られる個人は潤っているが、それはごく一部の人であり、国民の70%は貧困ライン以下の生活をしているということでした。
最後は、特にエイズやエイズ孤児の話を集中的にされました。南部アフリカでは成人の20~30%がHIVに感染しており、また、お墓を作る場所がないという問題も起こっているとのことでした。エイズ孤児に関しては、孤児になった子どもたちを保護する施設もあるが、数が限られているためChild-headed familyも増えているそうです。 しかし、それでもいろいろな活動が行われていて、特に女性の活躍が目立つとのことで、このお話をされたときの「女性はやはり強し」との大西さんのコメントが強く印象に残りました。
たくさんのアフリカの話は、大西さん自身の魅力的なエネルギーと相まって、とても面白く魅了されるものでした。質疑応答の時間ではたくさんの質問が寄せられ、まだまだ時間が足りない、といった感じでした。
ここでアンケートに寄せられた、大西さんの講演への感想の一部を紹介します。
- メディアや文献では知り得ない、たくさんの現状が知れて大変勉強になった
- ユーモアを交えた楽しく心豊かなお話をきけてよかったです
- アフリカ支援や問題についても知りたかった
時に真剣に、時にユーモアをちりばめてお話をしてくださった大西さん。魅力的な語り口でボリュームたっぷりなお話をしていただきました。