日本のグローバルファンドへの10.8億ドル拠出に対して世界の市民社会から感謝状が届きました

8月27日、チュニジアで開催された「第8回アフリカ開発会議」(TICAD8)の開会セッションにおいて、岸田文雄・内閣総理大臣は、日本がグローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の第7次増資(3年間)に合計上限10.8億ドルを拠出する旨の発表を行いました。前回(第6次増資)の拠出誓約を28.6%増額した日本の拠出誓約は世界に大きなインパクトを与えました。

ドイツは、前回の増資から20%増の12億ユーロ(前回は10億ユーロ)を既に表明していましたが、9月8日、10億ユーロを積み増して、30%増の13億ユーロの拠出を発表しました。これは、日本の拠出増に倣っての増額ともいわれています。

日本の意欲的な拠出増に対して、世界からこれを称賛する声が上がっています。グローバルファンドにかかわる政策提言を行う世界の市民社会団体のネットワークである「グローバルファンド提言者ネットワーク」(GFAN:Global Fund Advocates Network)は9月、世界の198団体の賛同とともに、岸田文雄総理に宛てに感謝状を公開しました。GFANは声明の中で、「HIV/A IDS 、結核、マラリアとの闘い、そしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHCUHC)に向けた世界の取り組みを主導し、人間の安全保障を促進する日本の継続的な努力に深い感謝とお礼を申し上げます」と述べたうえ、この誓約が比較的早期に行われたことにより、他のドナー国の誓約額にも良い影響を与えたとし、深い感謝を表明しています。

感謝状の本文は以下の通りです。
日本語・英語版のPDFファイルはこちら

エイズ、結核、マラリアを終わらせるための、
日本の格別なご尽力に感謝します

日本国 内閣総理大臣 
岸田 文雄 様

8 月 27 日に行われた TICAD8 の開会宣言において、日本はグローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の第 7 次増資に 10.8 億ドルを拠出する意向である旨表明しました。これまでの拠出額から大幅に増加し、政府開発援助(ODA)の枠を超えたこの拠出により、日本はグローバル・ヘルスにおける世界のリーダーとしての地位を確固たるものとしました。私たちは、世界中の市民社会、地域社会と、本増資の成功によって命を救われる2,000万人の人々を代表して、日本政府と国民の皆様に心から感謝の意を表します。林芳正外務大臣、加藤勝信厚生労働大臣をはじめ、内閣総理大臣官邸、外務省、厚生労働省の職員の皆様には、このように野心的な公約を実現するために、特に大きな役割を果たしていただいたことに感謝したいと思います。

私たちは、HIV/AIDS、結核、マラリアとの闘い、そしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に向けた世界の取り組みを主導し、人間の安全保障を促進する日本の継続的な努力に深い感謝とお礼を申し上げます。日本は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行開始以来、グローバルファンドを含むグローバルヘルスへの資金提供を拡大し、パンデミック対応において主導的な役割を果たしています。これらの投資は、より強く、より強靭な保健システムの構築に寄与し、2030年までに三大感染症の流行を終わらせ、UHCを達成する目標の達成に近づいています。また、日本は、早期に拠出誓約を表明することによって、他のドナーにも誓約を促し、今回の増資を成功させることの重要性を喚起しています。

日本国民は、政府を通じて、困難な状況に直面しているにもかかわらず、グローバルファンドへのプレッジを拡大し、世界が「持続可能な開発目標」(SDGs)を達成する可能性を切り開きました。日本のコミットメントは、人々の命を救い、その生活を好転させます。このことに、私たちはもちろん、世界中が感謝しています。

深く、そして心から感謝申し上げます。

本書簡には、グローバルファンド提言者ネットワーク(Global Fund Advocates Network)および以下の198の市民社会団体が署名しています。