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AJFがいつ、どうやって設立されたのか、何をめざしているのか、問い合わせ先、入会するにはどうすればよいのか、AJFに関心を持った方はご覧下さい。
AJFは、季刊の会報「アフリカNOW」を発行しています。AJFの活動紹介にとどまらず、アフリカに関する最新情報を伝える、日本で出会えるアフリカを紹介する内容の記事を掲載しています。
ikas Ahuja :インド・デリーのHIV陽性者ネットワーク[DNP+: Delhi Network of Positive People]代表。世界エイズ・結核・マラリア対策基金の第3次増資期間会議に向けて、世界基金からの資金により治療にアクセスしている人びとが声を上げる"Here I am"キャンペーンのアジア地域の代表とインドのキャンペーン大使を務める。
9月4日に開かれた緊急シンポジウムと、翌日に開始された写真展「命をつなぐ」のオープニング・トークショーに参加するために来日した、インド・デリーのHIV陽性者ネットワーク[DNP+: Delhi Network of Positive People]代表のヴィカスさんに、"Here I am"キャンペーンと自らの活動について話を聞いた。
− "Here I am"キャンペーンの趣旨について説明してください。
ヴィカス: "Here I am"キャンペーンは、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)が提供した資金で実施された事業によって命を救われたエイズ・結核・マラリアの患者や感染者が、自らのライフストーリーと写真を公開して、「命をつなぐ」基金としての世界基金の重要性を訴える取り組みです。多くの人びと、特に先進国など主要な資金拠出国の指導者に、世界基金の成果を知って欲しいとの思いで開始されました。
治療を受けて健康になった人びとがどのような生活を送っているのかを伝えるストーリーと写真は、このキャンペーンのウェブサイトで公開されています。
http://www.hereiamcampaign.org/
− ヴィカスさんは、どのようにして"Here I am"キャンペーンの大使として活動されるようになったのですか。
ヴィカス: "Here I am"キャンペーンが立ち上がり、エイズ・結核・マラリアの影響を受けた人びとに対して、さまざまなメーリングリストなどを通して、体験を紹介するストーリーを書こうという呼びかけがあったのです。この呼びかけに応えて書いたストーリーを見て、キャンペーン事務局からキャンペーン大使として活動しないかと誘いがありました。
その前は、ボランティアとして活動に関わったDNP+で、HIV陽性者が申請書を書いたり電子メールを送ったりすることをサポートしていました。また、アドボカシー活動に関わるようになり、国際治療準備体制構築連合[ITPC: International Treatment Preparedness Coalition]の南アジア地域の財政および運営担当者として活動しています。これまで南アジア地域でエイズ治療の拡大をめざす集会を組織したり、ジェネリックのエイズ治療薬の製造・供給を求める行動などに参加してきました。
− 活動に参加されようになったきっかけについて話してください。
ヴィカス: "Here I am"キャンペーンのウェブサイトに、私のストーリーも掲載されていますので、このストリーも読んでください。
私がHIV陽性だとわかったとき、家族との関係に問題が起き、ひとりで暮らすようになったのです。最初はショッピングモールなどで働いていましたが、後にコールセンターで働くようになりました。そうした時期に、やはりHIV陽性である妻が腹部結核を発症し、治療を受けるために私も仕事を休まなければならなくなり、お金が足りなくなってしまいました。そのとき妻と2つのことを約束したのです。ひとつは、HIV陽性とわかってから大量に飲んでいた酒やたくさんすっていたタバコをやめるということです。もうひとつは、どんなことがあってもふたりで一生懸命働いて、暮らしていけるだけのお金を稼ぐということです。幸いにして妻の病状も回復し、私も一生懸命働いたので家計にも余裕ができてきました。
それでも、コールセンターの仕事は夜の仕事なので、朝帰ってきて眠るという状態で、昼夜逆転した生活を送っているとバイオリズムのバランスも崩れやすく、体調を壊しやすい状態でした。そのために、DNP+の活動に参加していた妻が私に、DNP+で仕事するように説得したのです。私自身もDNP+メンバーでしたが、勤務時間が夜だったので、もっぱら妻がDNP+の会合や活動に参加していました。妻の説得を受けただけでなく、DNP+の事務局長から経理の仕事を依頼され、ふたりで生活できるほどの収入の見込みが立ったので、DNP+の職員として活動に参加することになりました。
DNP+の仕事をするようになると、仕事自体が自分のためだけでなくみんなのためのものであり、小さな取り組みであっても評価され、感謝されることがたいへんうれしいですね。また普通に日中に仕事をするようになって、バイオリズムが整えやすくなりました。ショッピングモールやコールセンターで働いていたときは、残業も当たり前という状態だったのですが、今は妻と一緒に過ごす時間も増え、気持ちよく働くことができます。コミュニティへの愛着も強まってきましたし、これから他の仕事に転職することは考えにくいですね。
− 『アフリカNOW』の読者にメッセージをお願いします。
ヴィカス: 今年からDNP+の代表として活動しています。私たちの団体は、世界基金や米国ユダヤ世界サービス[American Jewish World Service]の資金を受けて、インドのデリー州でエイズ治療促進に取り組んでいます。HIV陽性者が治療を受けられない、あるいは治療が遅れるといったことがないようにするために、病院でのモニタリング活動や、治療を受け始めたエイズ患者が病院に姿を見せないときに自宅を訪問して状態を確認する活動、新たに治療を受け始める患者へのカウンセリングや情報提供などを行っています。
治療を受けることで、私たちHIV陽性者は社会にとって重要な役割を果たすことができるのです。しっかりと働くことができる、生産的になれるということを、なによりも知ってほしいのです。
2010年9月5日 丸幸ビルOxfam会議室にて
聞き手:『アフリカNOW』編集部
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