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ワシントンDCで開催された国際エイズ会議に思うこと
世界のエイズ対策を切り開いたのはだれか?

1980年代以来、国際協力活動に関わってきたAJF代表理事・林達雄が折々に発したメッセージです。


ワシントンDCで開催された国際エイズ会議に思うこと
世界のエイズ対策を切り開いたのはだれか?

              アフリカ日本協議会 林 達雄

7月末に米国ワシントンDCで開催された国際エイズ会議の開会式で、新たに世界銀行の総裁に選出されたジム・ヨン・キム氏がエイズに関する市 民社会のアクティビズムを称賛し、「エイズとの闘いの教訓を貧困削減に活かそう」と述べたことが評判となっている。

キム総裁が言うように、過去10年エイズに関する状況は一変した。施設でエイズ対策を待つしなかった子供のもとにエイズ治療薬が届くように なった。全体を概観すれば死から生へと大変換を遂げたのである。それでは誰がこの変化を切り開いたのだろうか?

西暦2000年の国際エイズ会議はアフリカのダーバンで開かれた。「HIV POSITIVE(私たちHIV陽性者)」と描かれたTシャツを着た 若者たちが会議場を取り囲み、『必要な人々のもとにエイズ治療薬が届くように』と訴えた。一方会場の中では途上国のエイズ治療に関してほとんど話されず、 ACT UPのようなアクティビストだけが気を吐いていた。

HIVの当事者たちの運動は、ジェネリック薬を安く途上国に輸入することの是非を問う南アでの「裁判」を勝利へと導き、最終的にはWTOの ルールを変えた。「特許・知的所有権といえども公衆の健康を阻害してはならない」という文言が付加されたのでる。アフリカのHIV陽性者たちの動きはアフリカのみならず『世界』のエイズ治療への道を切り開いたのである。

この間、国連をはじめとする国際機関は沈黙を守ってきた。そしてWTOのルールが変わった途端に動き始めたのである。2002年のパルセロナ における国際エイズ会議で発表された「国境なき医師団」の途上国でのエイズ治療の成果などを踏まえ、2003年、WHO(世界保健機関)と UNAIDS(国連合同エイズ計画)は、"3 by 5"(2005年までに途上国で300万人のエイズ治療実現)を発表した。これを主導したのが、現在世銀総裁となっているジム・ヨン・キム氏である。それは国連機関としては思い切った行動であった。

しかし、ここで注意しなければなら ないことは、途上国でのエイズ治療政策実現のきっかけを作ったのは一般に思われているような政府機関や国際機関あるいは医療機関ではないことだ。世界のエイズ治療の可能性を広げてきたのはHIV陽性者自身であった。地域の陽性者を励まし、死に瀕した仲間や残された子供たちを支えてきたのも陽性者自身であった。残念ながら、これまでにそうした支え手自身が死んでいった。私の知っている人のなかでも一体何人の支え手が死んでいっただろうか?しかしいま、支え手たちが生き延びる時代へと変化しつつある。

このたび、ジム・ヨン・キム氏が世銀総裁として初めて国際エイズ会議に出席し、エイズ対策に おけるアクティビズムとコミュニティの役割を強調したことは評価に値する。しかしこれは、上記の歴史を振り返れば、当然の指摘なのである。医者が患者を助けてきたわけではなく、患者が患者を助けてきたのである。こうしたことが明記されなければ、歴史が変わってしまう。AJFはこうした当事者運動との連携・協働を一貫して追求してきた。そうした連携・協働を通して、エイズに関する国境を超えたアドボカシーに参加してきた。そのことを改めて確認したい。キム総裁は「エイズの教訓をもたらしてくれたアイデアを貧困削減に生かそう」と呼びかけている。彼のスピーチの背景にある、HIV陽性者自身の取り組みが道を開いてきた歴史に学び、貧困に苦しむ人々自身が声をあげ、行動していくことを支える運動を広げることが、 今、ますます必要とされている。


* 世界銀行ジム・ヨン・キム総裁のスピーチの日本語仮訳を以下のページで読むことができます。
 「エイズの流行と貧困に終わりを」 ジム・ヨン・キム世銀総裁AIDS2012開会式演説

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