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ケニア・ウガンダHIV/AIDS対策調査日報 第4号


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ケニア・ウガンダHIV/AIDS対策調査日報 第4号
発行日 2004年8月9日(加筆あり)
作成  稲場 雅紀
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【注】

  • この「日報」は、7月22日から8月11日にかけて実施したケニア・ウガンダのHIV/AIDS対策に関する調査中に現地からお送りした日報(日本語、ローマ字)を漢字かな文字に修正し、加筆したものです。
  • 本件調査は、7月22日〜7月31日までのケニア滞在についてはアジア経済研究所の機動研究(http://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Project/2004/304.html)として、8月1日〜8日までのウガンダ滞在についてはアフリカ日本協議会の在日アフリカ人支援プロジェクト事前調査として、それぞれ行ったものです。

■1.それぞれの町での新しい試み

今日は、朝カンパラを出てひるにナイロビに着き、インターネットカフェで日本語の読めるコンピューターでこの報告を書いています。カンパラは日本人が少ないせいか、インターネットカフェはたくさんあっても、日本語の読めるコンピューターがなく、日本語が読めませんでした。メールを下さった方、こちらからの返事が遅くなって申し訳ありません。今日は、訪問したそれぞれの町での新しい試みなどについて簡単に紹介したいと思います。

(1)ナクル:所得向上と家庭菜園

今回の調査でよく分かったのが、アフリカではHIV/AIDSに関する各対策の連携だけでなく、HIV/AIDS対策と貧困対策、食料対策とをうまくつなげていかなければならない、ということでした。ナイロビでもいろいろな団体がこうした活動をしようとしていました。しかし、それをより「形」として実践しつつあるように見えたのが、ナイロビから200キロほど離れたナクル(リフト・バレー州州都)という町で活動する、主に在宅ケア(Home based care)のコーディネートやトレーニングを中心としたNGOであるICROSS(飢餓・苦難救済のための国際コミュニティ:InternationalCommunity for the relief of Starvation and Suffering)です。

ICROSSで働いている青年海外協力隊員、田村岳男さんの絶大な強力を頂き、ICROSSと協力しているPLWHAの自助グループの活動を見ることが出来ました。このPLWHAのグループは、所得向上の活動の一つとして、ビーズ細工(レッド・リボンの首飾り等)などを作り、販売をしています。アフリカ日本協議会でも何らかの協力が出来ると非常によいのではないかと思います。また、ナクルからキスムに向けて多少入った地域で、ICROSSの関係者の方々が、ある程度の土地を確保して、農園を作って食料になる野菜などを育てています。これらの野菜などは、在宅ケアで提供する食事の材料として使われることになっています。

「貧困」「食糧不足」が問題だと指摘すること自体は簡単ですが、何か具体的に動いていくことで、少しでも状況を改善していこうという、人々の努力に本当に頭が下がる思いでした。

(2)カンパラ:市場での大規模なエイズ意識啓発キャンペーン

ウガンダの首都カンパラで具体的なプロジェクト・フィールドとして見ることが出来たのが、東アフリカでも有数の巨大なマーケットである「聖バリクデンベ市場」(St. Balikuddembe Market)で行われている大規模なHIV/AIDS意識啓発プロジェクト、「アフヤ・ソコニ」イニシアティブ(Afya Sokoni=Life in Market)でした。このプロジェクトでは、300人のマーケットの商人たちが自らピア・エデュケーターとなってHIV/AIDSに関わる意識啓発キャンペーンをしているのです。

このマーケットは、商売をしている人だけで5万人、買い物客をあわせると一日十数万人もの人が訪れる巨大なもので、ここにいるだけで非常に壮観です。このマーケットでは、商人たちが露店を広げるのにつかう日よけのための大きな日傘に、エイズのメッセージが、地元の人たちの言葉であるルガンダ語で大きく書き込まれています。また、各出店で働く売り子さんたちが、エイズメッセージの入った割烹着を着て動きまわっています。市場の建物には、HIV/AIDSに関する啓発メッセージと写真の入った巨大なボードが展示されていて、誰でも見ることが出来ます。市場で流されるラジオ放送にも、エイズメッセージが流されます。これで商人たちにもお客さんにもHIV/AIDSメッセージが伝わるというわけです。

一方、300人以上のピア・エデュケーターが市場の各セクションから選ばれ、研修を受けて、商人やお客さんたちのHIV/AIDSに関わる相談に応じたり、日々HIV/AIDSについての話をするなどして、みんなのHIV/AIDSに関する意識を高めています。巨大な市場にHIV/AIDSに関するメッセージを載せた日傘が林立し、HIV/AIDSエプロンを付けた売り子さんが動き回り、どこにいても、いやでもHIV/AIDSメッセージが目に入ってきます。

このプロジェクトは、地域のソーシャル・ワーカーたちやNGOの働きかけに対して、マーケット管理組合のトップが応じ、最大限の貢献をした結果、可能になったものです。このプロジェクトに限らず、ウガンダ(カンパラ)では、公共、民間、コミュニティの連携が非常に効果的な形で出来ており、やはり、HIV/AIDS対策18年の歴史はウガンダという国にとって非常に大きな財産となっているのだな、と強く感じました。

■2.少数者に厳しいウガンダ

ウガンダでは、政府・民間・市民社会の非常にレベルの高いネットワーキングにより、数多くの成功が生まれています。しかし、その一方で、犠牲にされているものもあります。それは、社会的に差別された少数者たちの存在です。

昨日、私たちは、カンパラから離れ、ある町に行きました。この町に来たのは、ウガンダのゲイの団体の活動家と会うためでした。カンパラでは、弾圧の恐れがあって危険なので、ということで、カンパラから離れた場所でミーティングをすることになり、こちらから赴いたというわけです。

彼の話は、とても衝撃的なものでした。86年に武装闘争により前政権を打倒して成立した国民抵抗運動・国民抵抗軍(NRM-NRA: National Resistance Movement/Army)のヨウェリ・ムセヴェニ政権(=現政権)は、ゲイ・レズビアンに対してきわめて過酷な政策をとっており、イギリス植民地時代に持ち込まれた反ソドミー法(同性間性行為禁止法)により、同性愛者を逮捕し続けているとのこと。この法律に違反した廉で無期懲役を宣告された人が、5年間で13人に上っているそうです。

また、他のアフリカ諸国と違い、国際機関の事務所なども優秀なウガンダ人で占められているため、米国や欧州の、ゲイに対してオープンな感覚のある外国人スタッフなどと会うことも出来ず、何かプロジェクトをしたいと思っても、支援を得ることが非常に難しい、とのことです。しかし、彼は希望を捨ててはいませんでした。国際的な人権条約などを活用して、状況を変えることを展望して、実際に動いています。

ウガンダのムセヴェニ政権は、アフリカ諸国の中で、非常に特殊な地位を保っています。強力な国家権力を志向し、なおかつそれをある程度実現しています。地方行政制度に関しても、独自の理論に基づく組織編成を実施し、その結果、北部の一部を除く主要地域においては、他国と比べて非常に強固な行政主体を作り上げることに成功しています。これは、国家の崩壊すら問題となっているアフリカの他地域と比べ、一般的には、とても良いこととされています。しかし、こうした強力な政権が、ひとたび少数者であるゲイやセックスワーカーなどに悪意の牙をむけたらどうなるか。大変なことです。

アフリカの開発の哲学や実績という意味では、ムセヴェニ政権は極めて高く評価出来る、と私は思います。しかし、少数者の立場からものを見たとき、その評価は全く異なってきます。いずれにせよ、ウガンダについては、複眼的な見方が必要なようです。

■3.ハゲコウが町を見下ろすカンパラからナイロビへ

カンパラで特徴的なのは、アフリカハゲコウという非常に巨大な鳥です。屋根や木の枝に、この巨大な鳥が止まって羽を休めている姿は、さながら、しずかにたたずむお坊さんのような雰囲気。この町が、犯罪などが少ないのは、人間がこのハゲコウに見下ろされているからかな?などとどうでもよいことを考えながら、すごした5日間でした。

緑が美しい豊かなウガンダの大地から、飛行機でナイロビに戻ると、赤茶けた、水のないサバンナが広がっています。この物質的な違いが、ケニアとウガンダの現在の状況の違いについても、かなり影響しているのかも知れないと思います。

私は明日、ナイロビをたち、ムンバイを経由して東京に戻ります。今回の調査結果、なるべく早く、きちんとまとめて公表していきたいと思います。ぜひとも、ご期待下さい。


終わり

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