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3 by 5 イニシアティブ
地球規模のエイズ治療の緊急事態

2003年12月

http://www.who.int/mediacentre/factsheets/2003/fs274/en/

現在、発展途上国でHIVに感染している5〜600万人の人々が、生き続けるために抗レトロウイルス治療を必要としている。治療にアクセスしているのは30万人に過ぎない。抗レトロウイルス治療を必要としている数百万人の人々に抗レトロウイルス薬(ARV)を供給できていないことは、保健に関わる地球規模の緊急事態であるといえる。この緊急事態に対処するために、WHOは、「3by5」という目標、すなわち2005年末までに300万人にARVを供給するという目標を達成することに邁進する。これは、治療に関わる目標、すなわち、ARVを必要とする人々すべてに、普遍的なアクセスを保障するという目標に到達するための手段である。WHOは、UNAIDS(国連エイズ合同計画)やその他のパートナーと共に、また、SARSを迅速かつ効果的に統制下においたことに見られるような、疾病への地球規模の対応における技術と経験を活用して、最先頭で奮闘する。

「3by 5」の目標達成のために、WHOは以下のことを行う。

  1. 政府の要請に応じて、緊急対応チーム Emergency Response Teams を送る。このチームは、国連機関やNGOなどのパートナーの支援や参画を得てつくられる。このチームは、治療に関わる格差が最も著しい、HIV/AIDSによる重荷を最も背負った国に優先的に送られる。このチームは、治療活動を行っている人々と共に働き、「3 by5」の目標達成に向けて存在する障壁およびその克服の機会について迅速な調査を行う。

  2. エイズ治療薬および診断に関する施設を設立し、各国や治療に携わる人々が、治療薬の価格と質に関して適切な選択をしながら治療薬の購入および資金調達を可能とするための協力を行う。この問題は、各国が直面する最大の障壁である。治療薬の購入者を手助けする効果的なシステムがなければ、治療薬と診断に必要となる労力は、治療過程にある人々が増えれば増えるほど、必要になってしまう。

  3. 12月1日までに、治療に関する簡便なガイドラインを発行する。「3 by 5」目標を達成するためには、第1次および第2次の治療処方箋に関する世界的な基準が必要である。このガイドラインにより、ARV治療のマネジメントは相対的に簡便なものとなる。

  4. 12月1日までに、ARV治療プログラムの進展およびインパクトを把握するための統一的な基準および簡便化された方法を発表する。これには、薬剤耐性の動向調査など、抗レトロウイルス治療のインパクト全体を把握することも含まれる。

  5. 保健専門家の訓練と能力強化を緊急に拡大し、簡便化され標準化されたARV治療を行うことができるようにする。WHOは、すでにこうした訓練を行っているパートナーを支援し、各国が国レベルでARV供給の能力を拡大できるように、高い能力を持ち、熟練した、訓練に携わるスタッフの絶対数を増やすために、各国と協力して働く。

  6. UNAIDSやその他のパートナーとともに、資金供給の拡大に向けた要求活動を行う。「3by 5」目標の達成のためには、治療薬のための資金供給だけでなく、各国における保健サービスの強化や訓練のための大規模な投資が必要となる。保健サービスの強化は、ARV供給だけでなく、その他の保健サービスの供給拡大にとっても利益となる。


なぜ「3 by 5」の目標達成が緊急に必要なのか?

  1. すでに2000万人の人々がエイズで死に、少なくとも4200万人の人々が感染している。サブサハラ・アフリカは最も深刻な打撃を受けている大陸であり、2億9100万人の成人総人口のうちの2850万人以上、およそ成人10人につき1人が、現在HIV/AIDSに感染している。南部アフリカにおける感染率は特に高く、例えばレソトにおけるHIV感染率は31%にのぼり、ボツワナでは38.8%にのぼっている。

  2. 途上国では5〜600万人にAIDS治療の緊急の必要性があると推定されているが、現在ARVにアクセスしているのは30万人以下に過ぎない。アフリカでは、AIDS治療の必要な410万人の1%に過ぎない、わずか5万人が、治療にアクセスしているにすぎない。

  3. 現状のARV供給の割合から行けば、2005年末までに、途上国でARV治療にアクセスできる人はわずか100万人以下となるだろう。

  4. エイズは、コミュニティや国家から、その最大の財産である人間を奪い取っていくことによって、持続的な発展のための、人的な、また組織的な能力を喪失させる。これにより、労働市場はゆがみ、生産と消費は崩壊し、生産的・および公的なセクターが浸食され、国富が減少することとなる。世界銀行の報告では、HIV/AIDSは以前に推定されていたよりも格段に大きな長期的なダメージを国家経済に対して与えることが警告されている。HIV/AIDSの影響を最も強く受けている国々では、予防戦略だけでは現在の保健上の危機を解決できず、すでにHIV/AIDSとともに生きている人々を支援する治療戦略が並行して存在することが必要である。

  5. 国際的なコミュニティが人権、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成、国連HIV/AIDS特別総会の宣言の達成に責任を持つのであれば、途上国へのHIV/AIDS治療の供給は不可欠である。


誰がARVを必要とし、それはどのように機能するのか

  1. ARV治療がなければ、感染した人々の人生が次のような経路をたどることは自明である。すなわち、免疫システムが徐々に崩壊し、不健康な状態が長期化し、生命を脅かす関連疾病(例えば結核や肺炎)の症候が出現し、消耗し、最終的には死に至る。

  2. 抗レトロウイルス薬が組み合わせて(三剤一緒に)投与された場合、ウイルスの増殖の割合が減少し、身体の免疫システムが部分的に再生されるため、健康および生活の質が向上する。

  3. WHOは、HIVによって生じる免疫システムの損傷が特定の段階まで進んだところでARV治療を開始することを推奨している。この段階は、臨床的な状況またはCD4数などの検査によって測定することができる。CD4検査が活用できない場合は、より単純な検査を使うことが可能である(1)。


ARV治療にアクセスすることの利益は何か?

  1. 抗レトロウイルス薬により劇的に死亡率が下がり、延命が実現し、生活の質が向上し、コミュニティが再活性化される。その結果、HIV/AIDSは致死的な状態ではなく、管理可能な病気となった。

  2. HIV/AIDSの完全な治療法はないが、ARV治療により、感染者はより長期間にわたって健康的な生活を送ることができる。高所得国においては、150万人の人々がHIV/AIDSとともに生きていると推定される。これらの人々のほとんどはARV治療により、生産的な生活を送っている。例えばアメリカ合州国においては、1996年の3剤併用療法の導入により、HIV/AIDSを原因とする死亡数が70%も減少した。

  3. ARV治療はその他の効果ももたらす。数百万ドルの資金を今使うことによって、将来、数十億ドルの資金を節約することができる。ブラジルからのデータでは、1996年から2002年までに、ARV治療への普遍的なアクセスを供給することによって18億米ドルを消費したが、これによって、入院費用や緊急医療サービスに費やされる可能性のあった22億米ドルを節約することができた。もちろん、教師が教鞭をとり続け、両親が子どもの養育を継続でき、農民たちが土地を耕し続けることができるようになったことなどを加えれば、より大きな費用の節約が可能となったということができる。

  4. ブラジルは、HIV/AIDSの抑制が、資源の乏しい環境でも、保健インフラが相対的に弱体であっても、可能であるということを立証している。この国は、面積が広大で多くの人口を抱えているにもかかわらず、ARVが必要なエイズ患者のほぼ全てに対して、ARVを無償で供与している。1996年から2002年にかけて、ブラジルは死亡率を40〜70%、エイズによる病的な状況を60〜80%低下させ、さらに、入院数を7分の1に低下させた。

  5. ARV治療が可能になれば、より多くの人々がHIV検査に行き、自らの感染の有無を知り、カウンセリングとケアを受け、ウイルスの拡大を防ぐ方法をより多く知るようになる。治療へのアクセスにより、HIV/AIDSに関連する恐怖、スティグマ、差別は減少する。そのため、社会ではこの感染症についてよりオープンに語られるようになり、新しい感染をより効果的に防ぐことができるようになる。


これまでにどのような進歩が達成されたのか?

様々な国際的な取り組みにより、途上国でAIDSと共に生きるより多くの人々を治療する可能性が拡大しつつある。

  1. HIV/AIDSの拡大を統制するためには、予防と治療の両方が必要であり、また、この二つのアプローチは、HIV/AIDSへの包括的な対応のための要素として、お互いを強化する役割を果たす。

  2. サブサハラ・アフリカ全域に供給される抗レトロウイルス薬の価格は有意に低下しており、場合によっては90%以上も低下した事例もある。そのことによって、ARV治療の価格は、抗レトロウイルス薬の組み合わせによっては、年間1万米ドルから300米ドルへと低下した。

  3. アフリカの数カ国を含む多くの途上国でARV治療が開始され、それは単に実行可能であるだけでなく、持続的な供給が可能である、ということが明らかになった。

  4. 2003年8月末の世界貿易機関(WTO)の決定により、特定の状況下において、貧困国が特許により保護された抗レトロウイルス薬のジェネリック薬を輸入することが可能となった。そのため、途上国においてHIV/AIDSと共に生きる人々への低価格の薬剤の供給を行うことが可能となった。

  5. この感染症への対応に向けて働くパートナーの数は増大し、また、HIV/AIDSと共に生きる人々、および市民社会の力強いアクティヴィズムやアドボカシー活動も継続している。

  6. 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM)の創設を含め、国際的に活用可能な財政資源が増大したことは、国際的なコミュニティがエイズへの地球規模の闘いへの努力を改めて行うという意思表示である。


将来展望

  1. 2003年9月22日に行われた、国連特別総会におけるHIV/AIDSに関するハイレベル協議において、世界保健機構(WHO)は、HIV治療へのアクセスの欠如は、地球規模の保健上の緊急事態であると宣言した。

  2. WHOは、「3 by 5」という野心的な目標に向けての道を切り開くため、UNAIDSを始め、多くのパートナーと共に奮闘する。2005年末までに300万人の人々がARVにアクセスするという目的に向けて、緊急な行動が行われる。

  3. この野心的な、かつ達成必要なビジョンを現実のものとするため、WHOは、2003年12月1日の世界エイズデーまでに、より詳細な戦略を策定するつもりである。

注1:CD4(T4)またはCD4+細胞とは、免疫細胞の一種で、HIV感染によって殺され、もしくは障害を負わされる。これらの細胞は通常、免疫反応を指揮し、免疫システムにおける他の細胞がそれぞれの機能を果たすように指示を行う。

次の文献も参照のこと:「資源の乏しい地域での抗レトロウイルス治療のスケールアップ:公衆衛生アプローチのための治療ガイドライン」
http://www.who.int/hiv/pub/prev_care/draft/en/

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