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食料はエイズに対する最前線の防御である

ジェームズ・モリスWFP(国連食糧計画)執行事務局長

HIV/AIDSが世界の最貧国に、静かに、しかし死活的で悪化する一方の拡大を始めたとき、WFPは他の人道的運動団体と同じく、この現象は医学的な危機であり、飢餓や食料援助とはあまり関係ない問題として扱っていた。

しかしそれは完全に変わった。WFPはこの危機の最前線にあり、何百万という人を殺し、さらに加えて何百万人を活動不能に陥らせ、国際的食料援助に頼らざるを得ないようにした破壊的な現象に今や取り組みつつある。これに関しアフリカ南部地域が最悪で、そこにはアフリカ大陸のHIV陽性者の人口の半分にのぼる3000万人が存在するのである。

今年は、この地域は破壊が合流するような地殻変動の震源地−HIV/AIDSと飢饉の可能性の事例研究ともいうべき地となった。悪い前兆のように、エイズ危機は将来の飢饉の種をまきつつあり、それはさらに何百万もの命を失わせるであろう。

現在までに700万人以上の農民がHIV/AIDSで死亡し、その大多数は農業労働力の4分の3を占める女性なのである。この結果は、食料生産を低下させたのみならず、それはアフリカの伝統的家族ヘルスケアの支柱をひどく弱めたのである。この地域の感染率は人口の6%から多いところでは35%にものぼるのにである。

同地域で見られる、耕作されていない土地がそこここに存在する枯れ果てた景観は、今後来るであろう広範囲の飢餓と危険をはっきり指し示すものである。しばしば土地が耕されているとしても、それは弱り果てた祖父母が、孤児となった孫たち多数に食料を与える必要に迫られて行っているのである。

私が最近南部アフリカを訪れた時、そこで一人の祖母が必死になって18人の子供たちを養おうと耕作しているのに出会った。その土地というのは、以前は1〜2人を養っていただけの小さい面積の土地なのであった。

エイズ危機によって直接に、また間接的に影響を受けている人々の苦境をみるのは、解決できそうもない巨大な問題に直面することである。例えば私が会った14才の少女の孤児は、突然に6人の弟と妹を養う義務が自分一人の肩にのしかかってきたのであった。そのような巨大な重みの圧力と、飢餓と発育不全のために、彼女は本当の年令の半分の年にしか見えなかった。しかし彼女は、子供らしさという最も簡単な権利さえも奪われてしまったのである。

アフリカにおいてエイズによって孤児となってしまった他の1100万人にのぼる子供たちのように、彼女は生存のかかった他の危険にさらされている。もし彼女が土地を持つという幸運に恵まれたとしても、彼女の親たちほど生産をあげることはできないであろう。子供たちは肉体的能力の面で不利であるだけでなく、より重要なこととして、彼らの親たちが生きていないために、農村地域の伝統的な慣習を受け継ぐことができず、それは幾世紀ものあいだ知識と生き残り方を伝達する鍵であったのにである。

それでは、我々はどうこれに対応すべきであろうか。エイズ治療のために、援助国が何十億ドルもの支出をしようということには(米国大統領ジョージ・ブッシュが発表した150億ドルという議論を呼んだものも含め)確かに励まされる。しかし付きまとって離れない現在における真実は、特に貧困国では、この危機は医療的な手段だけでは解決できないということである。

まず一つには、抗レトロウイルス薬は、使用者が貧困国の常であるように、基本的な栄養が不足している場合は効力を発揮できない。さらにHIV/AIDSを持って生きている何百万のすべての者に薬物治療を行うだけの十分な資金は絶対的に不足している。

最近の推計によれば、世界のHIV陽性者の5%しか薬を利用できず、またその大部分は開発国にいる者たちなのである。貧困国にいて無料の薬をもらえる幸運な僅かな人々でも、食料不足と栄養不良のために体力が減退しきっており、感染の可能性を高めているのである。

こうして医療的な解決方法がないなかで、貧困国のHIV陽性者の多くは生き延びるための基本的食料を緊急に必要としている。同時に彼らの子供たちも同じくである。ある推計によれば、2010年までに、2500万人にのぼる子供たちが親を失うと予想されており、これは潜在的に巨大な問題を惹き起こす。

我々が最初気が付かず、開発国にいる人々がようやく判り始めてきたことであるが、このようなすべての者たちは大規模の長期的な飢餓の危機に直面しているのであり、人道的な活動をしつつある団体にとって最大のチャレンジとなっているのである。我々はこれに対し難しい選択をせまられるであろう。

 エイズ患者、あるいは感染したことが判り今後発病が始まるかもしれない人々に、無料で十分な薬を与えられないという条件下で、彼らが生き続け、生産活動に従事し続ける何らかの方法を、我々は見出さなければならない。我々は薬がないことや不足していることを何もしなくてよいという理由にしてはならない。

残念ながら、今までに多くの国でエイズ問題に対処する努力は実を結んでおらず、努力の焦点を再検討することが必要となってきている。最低限の最初の段階として、HIV陽性者たちが基本的栄養を取れるようにし、彼らができるだけ長く生き延び、家族のケアができるようにしなければならない。我々は医療的解決が有効になされるような条件を作り出さなければならないが、もしそれができなければ、少なくとも生命を延ばせるようにすべきである。

現在我々WFPにいる者に明らかになってきたのは、食料がエイズに対する最前線の防御であるということである。ピーター・ピオットUNAIDS事務局長がアフリカのHIV陽性者をたずねて気づいたこととして、彼らに何を優先させたいか、と尋ねたところ、その答えははっきり「ケアや治療やスティグマの払拭より食料である」というものであった、といっている。

WFPは現在エネルギー増強やたんぱく質やHIV陽性者に必要な微量栄養素を考慮にいれた食料配給を行っている。それはHIV陽性の親たちの命を延ばすだけでなく、子供たちを養育し、彼らに生き延びるための必要な技術を備える時間を−繁栄することにはならなくても− 与えるのである。

栄養の向上は、また母親から赤ん坊にウィルスを伝染させることを阻止する可能性を持たせる。さらに単に飢えている人々に食を与えることにより、彼らがより危険な生きのび戦略−食料や現金のために性を売ることなど−に走ることを防ぐ作用があるだろう。

HIV/AIDSと飢餓の新しい関係の危機を克服するためには、我々国際コミュニティは基本から始めなければならないだろう。特に極端に資金が限られた場合において。すべての人々に医療的処方を与え得る資金が見つかるまでは、貧困にある人々が生き延びるに十分な食料を得られるようにすることが、絶対に必要である。

East African 紙 (ナイロビ発行)2003年9月22日版より

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