Homeへ戻る特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会:Africa Japan Forum

アフリカに関わる活動を行っているNGOのデータベースおよびアフリカのエイズ問題に関するニュース・情報データベースです。
収録されたデータ更新の連絡、最新情報の紹介をAJF事務局あてにお願いします。
【2017年3月】アフリカに関わる活動を行っているNGOのデータベースを順次、更新しています。


AJFの活動

あなたの寄付がAJFの活動強化につながります
AJFへの寄付について
アフリカで活動するNGO一覧:
感染症研究会:
アフリカ関連情報(生存学ウェブサイト)

国際エイズ治療体制構築サミット最終報告書

2004年3月

日程:2003年3月13日〜3月16日
場所:南アフリカ共和国 ケープタウン

最終報告書

2002年7月にバルセロナで開催された国際エイズ会議において、世界保健機関(WHO)は2005年までに抗レトロウィルス薬(ARV)治療を発展途上国の300万人のエイズ患者に対して提供するという拡大計画を宣言した。この目標を達成するためには、多国籍企業、政府、民間財団、経営者たち、製薬産業そしてエイズ患者を代表するコミュニティ組織の多大な努力が必要となる。世界67カ国125名のコミュニティに根ざすエイズ治療の提唱者・教育者たちが、2003年3月13日から16日まで、南アフリカ共和国のケープタウンに、上記の拡大計画の進行に合わせた、必要事項及び戦略について討議するために結集した。会議は、コミュニティに根ざす組織および世界の各地域の代表者が参加するこの会議のためのグループによって開催準備が行われ、南アフリカ共和国の治療行動キャンペーン(Treatment Action Campaign) によって主催された。会議出席者の他に、民間財団、国連諸機関、世界エイズ・結核・マラリア対策基金といった団体を含む助成機関の代表者が会議のオブザーバーとして参加し、会議参加者と共にエイズ関連支援運動や教育活動に対する財政的支援における彼らの到達目標及びその手法について議論を交わした。この報告書は、会議の開催準備過程及び会議成果について報告するものである。

国際エイズ治療体制構築サミット

日程:2003年3月13日〜3月16日

場所:南アフリカ共和国 ケープタウン

最終報告書

目次

重要点の要約

プロジェクト解説

各プレゼンテーションの要約

 Zackie Achmat

 Vladimir Zhovtayak

 Carlos Garcia de Leon Moreno

 Kevin Moody

 Sipho Mthathi

 Paisan Suwannawong

 グループ討論

薬物使用者(drug user)など周辺化された集団のHIV治療実現に向けた活動への参加

分散会1:治療準備度の定義

課題別分散会

 資金援助

 コミュニケーション/教材の集積と普及

 医療品の価格設定、特許、入手問題について

 スティグマとHIV感染の可能性にさらされた人びと

 国際規模でのエイズ治療キャンペーン

 医療従事者、治療実施者、NGOおよびケアや教育を提供するほかのグループとの連携

地域別分散会報告

 アフリカ

 南アメリカ・ラテンアメリカ・カリブ海

 東ヨーロッパ・旧ソ連圏諸国

 アジア太平洋地域

 北アメリカ・西ヨーロッパ・オーストラリア・日本・ニュージーランド

資金援助者との会合

会議アジェンダ

 

重要点の要約

 世界67カ国125名のコミュニティに根ざすエイズ治療の提唱者・教育者たちが、2003年3月13日から16日まで、南アフリカ共和国のケープタウンに、世界保健機関が掲げている目標値である2005年までに300万人に対して抗レトロウィルス薬治療の提供を成功させるための必要事項及び戦略について討議するために結集した。この会議は、コミュニティに根ざす団体と世界各地域の代表者が参加するこの会議のためのグループによって計画された。事業の詳細の計画・実行は、南アフリカの治療行動キャンペーン(TAC)及びニューヨークのゲイ・メンズ・ヘルス・クライシス(GMHC)によって担われた。この会議出席者の他に助成機関の代表者がオブザーバーとして会議に参加し、会議参加者と彼らの目的及び、開発途上国におけるHIV関連の政策提言や教育活動のための財政支援の方法について検討を行った。世界は5つの地域に分類され、それぞれの地域の代表者で作業グループを結成し、協調して会議準備を行った。各地域からの参加者の割合は、その地域におけるHIV危機の度合いによって定められた。会議運営委員会によって参加者全員のサミットへの参加費用は負担された。参加者の割合は以下のようになっている。

  • アフリカ−30%

  • 米国・カナダ・西ヨーロッパ・オーストラリア・ニュージーランド・ニュージーランド−15%

  • ラテンアメリカ・カリブ海−15%

  • アジア環太平洋地域(東アジア・太平洋・南アジア・東南アジア)−25%

  • 東ヨーロッパ・旧ソビエト連邦諸国・中央アジア−15%

 参加者リストは、各地域選考委員会や指名小委員会といった段階を踏む申し込み手続きを通して作成された。作業グループは、申込書を作成し、各地域における組織一覧や様々なデータベースを活用し、申込書を広範囲にわたり配布した。各地域の選考委員会や指名小委員会は、申込み用紙の配布、回収済みの申込み用紙の点検及び各地域からの参加者の選考に関しても任されていた。選考に残った申込者のみがミーティングに参加することができた。具体的な仕組みや選抜方法は、コミュニティーメンバーによって完成され、その方法は、我々の知るかぎりでは非常に独特でしかも成功を収めた。

サミットを計画する上での基本的な目標は以下の通りである。

  • 世界中で地域における治療体制の構築、維持、及び向上のための枠組みを発展させていく

  • 活動家たちが、発展途上国において教育や政策提言に関して直接、各地において活動を行うためにさまざまな基金、中央政府や諸国際機関へ働きかけるためのひな形を練り上げることのできる機会を作る

  • 世界各国において治療体制構築のために活動を続けている沢山の人々が一同に集まり、自らの活動について互いに議論を交わす初めての機会を作る

  • 国際または地域レベルにおいて治療実現や治療体制に関する現状について学ぶ機会を設ける

 各地域の代表者は、地域におけるHIVの状況及びHIV治療における準備に関しての報告書の作成を課された。これらのプレゼンテーションの要約は、会議において発表され、地域ごとの報告書は、最終報告書の添付資料となっている。

 

課題点及び提案内容の要約

 会議参加者から出された多くの課題及びそれに対する提案の概要を下記する。議論や行動を起こすための戦略に関するより詳細な説明は報告書全文の中に載せた。

●治療を確実に実施させる

 HIVについて活動する人びとは、世界保健機関が掲げている2005年までに300万人の人々に対してHIV治療を提供するという約束が確実に達成されるようにしなければならない。その為に、国連、GFATM、その他の主要協力団体が全力を尽くして取り掛かるように導き、各国政府に対しGFATMへの資金拠出増額およびGFATM資金の活用、そしてより高品質で低価格の薬の導入、必要不可欠な医療インフラ構築を要求し、エイズ感染者およびケアにあたっている人びとに対して効果的な治療方法に関する教育を施すといった協調努力が不可欠だ。ここでいう治療とは、抗レトロウィルス治療に限定されるものではなく、日和見感染症、結核、肝炎、その他の併発病の予防や治療なども含む。

●協力関係を構築する

 エイズは貧困と不平等によってもたらされ、拡大してきた。また、スティグマと差別によってエイズ危機が増幅されている。効果的かつ強力な協力関係を構築することによって、このような状況を打破し、すべての人々により良く健康な生活を提供することができる。私たちは、それぞれに所属する地域内外において相互の協力体制や、女性団体、ユース団体、ハームリダクション(健康被害軽減)に取り組む団体、ゲイの権利団体、産業団体、労働組合、人権団体、産業界、政府、宗教団体といった社会集団及び、グローバリゼーション、平和、環境問題等に関する新たに沸き起こりつつある社会運動との協力関係樹立を探求しなければならない。

●会議参加者

 PHA(HIV感染者・AIDS患者)のプロセス参加をことばだけに終わらせてはならない。エイズプログラム及び政策策定の全ての局面にPHAが関わらなくては、PHAのニーズを満たす最善のプログラムを構築することは不可能だ。PHAがプロセスに参加する意義は、エイズ危機が始まって以来、世界中で幾度となく証明されてきている。全ての政府は、国内エイズ諮問委員会やGFATMの国内調整機構(Global Fund Country Coordinating Mechanism;CCMs)にPHAを参加させるべきだ。国際的な機関や会議も全ての委員会にPHAをメンバーとして迎えるべきだ。資金援助者もPHAに助言を求めなくてはならない。会議参加者選出過程は透明でなければならない。各コミュニティの会議参加者の氏名は、一般公開するべきである。というのも、彼らが重大な責任を負っているからだ。会議参加者は所属コミュニティと定期的に連絡を取り、まず自らのコミュニティの要求を主張すべきである。我々の治療実現の提起を実効あるものにするために、新たな会議参加者に対する訓練と教育は不可欠である。地球規模における集まりには、全ての地域から参加させなければならない。しばしば西と北の先進諸国の活動家たちが国際的な取り組みを牛耳っている。より多様で包括的な会議参加者が必要だ。これが確実に達成されるようにするのが、我々の責務である。

●政策提言

 政策提言者となるために唯一の正しい方法や道順があるわけではない。それぞれの地域、国、課題ごとに、能力、資源、文化、そして関わりのあるコミュニティの要求に基づいた特有の政策提言が行われることになる。提言内容および方法を押し付けあうことなく、それぞれの過去の経験を共有し学び合う必要がある。我々は、政策提言の対象である政府、産業、メディア、一般市民、そして自らのコミュニティを理解しなければならない。政策提言は、病院における患者に対する適切、かつ丁寧な治療の確保から、より良いサービスのために政府に対してロビー活動を行う、製薬業界が高品質、かつ安価な薬を供給することを確実にする、いくつもの国際的な機構が資源を一番求められている場所へ適切に提供するようにすることまで、全てのレベルの活動に関わっている。効果的に行うために、政策提言者の活動は、個人、社会、国家、地域、世界レベルにおけるニーズにターゲットを絞らなければならない。我々は、また、AIDSに関する活動を行っている団体や地域ネットワークが治療について高い優先順位で、積極的に取り組んでくれるように働きかけなければならない。サミットの参加者は、政府に対して国内治療計画の構築と実施を迫る南アフリカ共和国の治療行動キャンペーンを支援することを満場一致で可決した。いくつかのイベントが国際的な政策提言の良い機会として提示された。(報告書に説明あり)

●治療に関する理解能力

 我々の政策策定は、きちんとした科学に根拠をおかなくてはならない。科学は、真実を求めることであり、我々の最も強力な手段である。提唱者は、効果的かつ信頼の置ける政策を策定するために、HIVに関する科学を学び、理解しなければならない。治療を効果的なものにするためには、ケアにあたっている人びと及びエイズ患者に対する治療に関する理解能力は不可欠である。治療に関する教育なしで、我々は副作用に対処することもまた(副作用や他の困難の中で)指示に従い治療を継続していくことはできない。政府や一般市民に対する治療に関する理解能力向上の働きかけも不可欠である。効果的な治療に関する知識は、エイズに関する恐怖心やスティグマを和らげ、人々がエイズの実態について学び、カウンセリングそしてHIV抗体検査を受け(必要であれば)ケアを利用するよう促すために役立つ。治療に関する教育プログラムは、コミュニティの文化的教育的ニーズに応じて対象を設定し、調節されなければならない。

●教材

 治療に関する教材は、あらゆる場所で必要とされている。これが正しいという唯一のフォーマットがあるわけではない。コミュニティに応じて違ったフォーマットが必要だ。教材は、文化的背景を考慮すること、教育対象にふさわしいことが必要だ。すでに多くのよい教材が作成されている。困難なことは、いたるところで入手可能にすることだ。このことについて、ウェブ上に保存や、スタッフ用のメール、ホットラインサービスの構築など幾つかの提案が出された。これらの仕組みを通して、各地の団体は、最適な資料を選び、それぞれのコミュニティによりよく合うように調節することができるだろう。翻訳は大きな問題だ。文書化された教材が必ずしも最善のアプローチとも言えない。映画、演劇その他の方法がHIV治療情報を提供する良い方法として提案されてきた。最新かつ適切な情報を取り入れるために教材を常に更新することも重要だ。教材はPHAだけではなく、保健医療のスタッフに対しても必要だ。

●財源確保

 治療に対する体制作りのためにコミュニティに根ざす基金が不可欠だ。資金援助者は、資金援助の優先順位、及び誰が受け取るのかについて意思決定をするためにコミュニティと共同で活動することを求められている。サービス・プログラムのための資金援助は、継続的なものでなければならない。資金に対する申込みと報告要件を簡素化する必要がある。国際的な資金援助者・基金は、しばしば資金の使い方に制限を課し指示を下す政府、大学、または国際NGOなどを通してではなく、直接コミュニティプログラムに対して資金を提供することを考慮すべきである。資金援助過程は、腐敗行為を軽減するために透明性が必要である。NGOが有益なインフラを作り上げ、継続的な活動能力を得ることを期待しているのであれば、資金援助者は、NGOが資金を運営費用として使用することを禁止するべきではない。全ての資金を必要としているコミュニティは、禁欲といった一つのアプローチのみを強調する、あるいはハームリダクションプログラムを禁止する、といった政府の方針に縛られることなく、一番よいアプローチを決定しなくてはならない。より良い情報普及の進展は、資金援助者、提唱者、及びサービス提供者にとって、よりダイレクトに資金援助をサービスと結びつけるために必要である。

●差別

 我々は、20年以上にわたりエイズ危機に直面しており、PHA及び感染の可能性にさらされる人々に対する差別が広がっている。エイズに関わるスティグマは、PHAの生命を脅かすだけではなく、HIV感染拡大の予防やPHAのケアといった全ての試みを台無しにしてしまいます。提唱者は、国家、地域、個人レベルにおける差別を無くすために活動を行わなくてはなりません。特に重要なことは、広範にある医療従事者のPHAに対する差別を無くすことだ。加えて薬物使用者、性産業従事者(commercial sex worker)、ゲイといった周辺化された人々に対する医療従事者による差別をなくさなくてはならない。メディアは、人々の関心を高め、偏見を取り除くために重要な役割を果たすことができる。男女不平等、及び女性に対する暴力はHIV感染を拡大させ、不可能ではないにしても女性が安全を保ちケア、治療、支援を受けることをさらに困難にする。共に活動しようとする中では差別は受け入れられない。HIV及び感染の可能性があるすべての人々を我々の呼びかけの対象とし、支援しなくてはならない。薬物常用者などは、しばしば周辺化されておりエイズ支援からも除外されている。我々はこれを許すわけにはいかない。

●治療薬の供給、品質、及び価格

政策提言が必要な国家レベル、及び地球レベルにおける多くの課題には以下が含まれる。

  • 各国における特許法の現状

  • 世界貿易機関(WTO)および他の知的財産権と全ての人びとに医薬品を供給することに関わる国際的なフォーラムにおいて、我々が当事者として発言権を有すること

  • 各国における医療保険あるいは社会保障によって供給される医薬品リスト(essential drug lists)の現状

  • エイズ治療薬・検査薬に関する素早い登録に対する政府の意欲

  • 各国における医薬品規制当局の品質保証検査実施能力

  • 政府、医療提供者、患者によるジェネリック薬の受け入れ態勢及びジェネリック品の品質保証

以下は、上記の課題に対する戦略例である。

  • 国家に対して:貿易、金融、商業、保健分野の大臣と接触し、問題点、及び要求を伝える。

  • 政府およびジェネリック薬製造業者に対し低価格で高い品質の商品を製造してくれるように交渉する。

  • 世界保健機関(WHO)において:事前審査プロジェクトの強化、拡大、加速。各国医薬品規制当局が必要に応じて活用できる調査資料集成の作成。各国医薬品規制当局に対する品質保証と医薬品管理に関するテクニカル支援。

  • 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM):2005年以降、WHOの事前審査のみによる国家調達政策への資金供給

●腐敗行為

 政府やコミュニティに根ざす団体内における腐敗行為は、エイズ危機を終わらせようという全ての努力を台無しにする。腐敗行為は、単に予防、介護、治療活動のための資金流用を意味するだけでなく、エイズ危機との対応に欠かすことのできない継続的な資金援助を得る能力を弱体化させてしまう。資金援助処理には透明性が必要である。エイズに関わって活動する人びとは、資金が適切に使用されるよう監視役を務める責任がある。コミュニティに根ざす団体における腐敗行為は、嘆かわしいことであり、PHAに対する直接的な攻撃と見なさなくてはならない。これらの団体で活動する人々は、自分たちのニーズ以前に考えるべきコミュニティのニーズに対する責任を負っている。逆にコミュニティに根ざす団体は、将来的な腐敗行為を回避するため責任感を育むよう、エイズ治療提供を含むスタッフ、ボランティアのニーズを満たさなければならない。

●コミュニケーション

 今回のサミットを具体的な努力に結びつけていくための一つの重要な方法は、我々のコミュニケーション網を構築し、維持することである。我々は、情報、戦略、経験、及び我々の抱く不満を交換する方法を見つけ出す必要がある。国際的な政策提言活動へより広範な参加を期待するのであれば、情報を転送するためのコミュニケーション網は不可欠である。可能な範囲で現存のネットワークを活用し、必要であれば新規のネットワークを構築するべきである。既存のネットワーク網の中で活動を行っている場合、治療を最優先順位の課題として強調する必要がある。インターネットは、重要かつ効果的な通信手段であるが、全ての人々が利用できる訳ではない。インターネットを利用できない人々に対しては、ニュースレターやその他の手段を用いてコミュニケーションを取る必要がある。サミットのフォローアップのためのミーティングを各地域にて開催することを推奨する。パン・アフリカン治療実現運動(Pan Africa Treatment Access Movement;PATAM)が、このサミット直後に会合を持った。5月にはミンクス(Minsk:ベラルーシの首都)において地域フォローアップミーティングが開かれた。アジアからの代表団は、現在アジア地域におけるミーティングを企画中だ。

 

プロジェクト説明

●背景

 私たちは腹を立てている。私たちの仲間が次々に死んでいるのだ。
 治療が実施されなければ、現在この大陸に暮らす2800万人のPHAは、10年内に予告されたしかし避けることのできる死を迎えることになる。アフリカでは、今年一年だけで200万を超える人びとがエイズによって命を奪われる。これは、人道に対する罪に他ならない。各国政府、国際機関、民間セクターそして市民社会は、貧しい人々を標的としたホロコーストをくい止めるために今すぐに行動を起こさなくてはならない。必要とする全てのPHAに、総合的なケアの一環として抗レトロウイルス薬(ARV)治療を保証しなくてならない。
--パン・アフリカン治療実現運動(Pan African HIV/AIDS Treatment Access Movement)活動宣言 2002年8月25日

 人々へ治療を提供することを可能にする決定的な要素は、治療に関する理解能力向上プログラムである。毎日、我々はコミュニティでネビラピン、アジドチミジン(Glaxo Welcome社のエイズ治療薬)やその副作用についてのワークショップを開いて人々教育することができている。これらの薬物についての歌を歌うことができる。フルコナゾール(抗真菌薬)、及びコロトリモザゾールについての教育もできている。これらは、我々の誰もが知らなかったことばかりであるし、最初にHIV感染と診断されたとき、若しくはかなり後まで、医学用語や医薬品名などは、誰も知らなかった。しかし、命のために戦うことは、これらのことを学ぶことを我々全てにとって必須のものとした。すべての人々はこれらについて学ぶことができる。我々は薬学の教科書を勉強したことなどないコミュニティ住民に対してワークショップを行ってきた。そして彼らの多くが、副作用に対応するために必要な薬やどのように自分自身の面倒をみるのかについて雄弁、かつ明確に述べることができる。
--ザッキー・アハマットからのメッセージ(Zackie Achmat―Treatment Action Campaign)〜14日の国際エイズ会議―2002年7月11日 バルセロナ

 過去20年のエイズ危機のほとんどの期間、政治及び公衆衛生の指導者たちは、あきらかに服用した人々の健康向上や寿命を延ばすことができる治療方法が利用可能になった後でさえ、発展途上国におけて何百万人ものPHAを治療しようと真剣に考えたことはない。これら数百万のうちの多くは、あまりに貧しく、薬はあまりに高かった。実際、国際社会は、エイズワクチンが新しい感染を防ぐという希望の下には集結したが、基本的に、数百万人の死を悲しい現実として考慮に入れようとはしてこなかった。しかし、HIVポジティブとして南アフリカ共和国最高裁判所判事、エドウィン・キャメロン(Edwin Cameron)は、2000年にダーバンにて開催された国際エイズ会議のスピーチの中で次のように述べた。

 我々は、南アフリカにおける「悲しい現実」を受け入れない。外部の人々が悲しい現実と語っていることを受け入れてしまうことは、我々が人びとを苦しめる人種差別的な寡頭政治の下にいることを意味する。我々は、言葉では言い表せない混乱と流血を経験することになるだろう。(アパルトヘイトを克服した)我々の歴史は、我々がこれらの「悲しい現実」に立ち向かい、変えていくことを明らかにしている。

 南アフリカの人々のみがこの「悲しい現実」を拒絶をしているわけではないことが分かった。ナイジェリアからエチオピア、ザンビアからモロッコまでのアフリカ全土、インドからマレーシア、オーストラリアからタイまでのアジア太平洋地区全域、ポーランドからロシア、カザフスタンからウクライナまでの東、中央ヨーロッパ、チリからコスタリカ、ブラジルからメキシコまでの南、ラテンアメリカ地域全土、そして、米国から英国、カナダからイタリアまでの北アメリカ、及び西ヨーロッパ全土において、PHAは、エイズ治療は、健康を購入することができる人、及び政府が現在医療を提供してくれる国に住んでいるラッキーな人々のためだけのものであるという思いこみを拒んでいる。

 世界中のPHAのための活動する人々および国際的な人道団体に主導されて、高価な薬品の大幅な値下げ、安価なジェネリック薬の製造や輸入許可を求める国際的な訴えがなされてきた。製薬業界の提示する価格は依然として多くの国々の患者にとって手の届くものではない中で、多くの人々が不可能とされていることについて検討を深め、南側諸国において抗レトロウィルス薬治療をどのようにして広範に展開するのかを考え始めている。これらの薬の大量生産方法は?供給方法は?これらの薬を患者へ提供するために追加資源が必要な場所においてどのように保健医療インフラの整備をおこなうのか?どのようにして医者や医療従事者に対し、エイズ治療の大変緻密な詳細について教育するのか?資源の制限された環境においてどのようにしてきちんとした抗レトロウィルス薬治療を実施していくのか? 2年以上前にキャメロン判事がこのスピーチをした際、誰もこれらの疑問に対して論理的な考察を超えて行動に移そうとしたものはいなかった。今では、世界保健機関では、必須医薬品リストに抗レトロウィルス薬を上げ、抗レトロウィルス薬治療拡大のためのガイドラインを作成し、2005年までに300万人に対して治療を実施するという目標を設定している。試験的なARTプログラムは世界各国において増加しており、一部の地域、特に西アフリカでは、実質的に治療を数10万人のPHAに対して行えるように拡大する試みが行われてきている。また、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM)及び世界銀行は、抗レトロウィルス薬治療を拡大したいと考えている国家に対して相当額の基金を準備した。

 現在の不可能を可能にしようという風潮を創出する中で、PHAおよびPHA自身による政策提言の役割はきわめて重要である。これらの提唱者たちは、自らのコミュニティおよびそれぞれの国においてエイズ治療の必要性を訴えるだけが果たすべき任務ではなく、治療プログラム実現のためにコミュニティ内で治療体制を構築する役割を担っていることを認識している。南アフリカのTAC、ナイジェリアのエイズに立ち向かうジャーナリストたち、TNP+(タイ・PHAネットワーク)、東西ヨーロッパにおけるヨーロッパエイズ治療団体、ブラジルのGrupo Pela Vidda、チリのVivo Positivoといった多くのエイズ治療提唱団体は、各コミュニティにおいて、病気の原因から治療方法といったエイズに関する基礎知識、PHAを死に至らしめる可能性のある日和見感染症、薬物耐性を防ぐために指示に従って服薬を続けることの重要性などを教え、治療に関する理解能力向上に乗り出している。

 TACのザッキー・アハマット氏が「命のために戦うことは、これらのことを学ぶことを我々全てにとって必須のものとした。」と言っていたように、そして、この分野における提唱者の活動は、PHAの健康維持において健康に関する理解能力の重要性を証明する科学的証拠によって支えられている。アメリカにおける最新の研究によると、エイズ患者の4人に1人が簡単な医療説明書を理解することが困難であるため、健康に関する理解能力が低い。健康に関する理解能力が低いPHAは、CD4細胞係数が低く、ウイルス量が高く、抗レトロウィルス薬治療を行っていないことが、多くの病院で報告されており、高い健康に関する理解能力の人よりも健康状態が悪いと報告されている。また、公式な教育年数に合わせて調節すると、低い健康に関する理解能力の患者は、エイズ関連の健康状況についての知識が少なく、エイズ関連病や治療についての知識も乏しく、より否定的な保健医療認識や経験があるといえる。研究の執筆者たちは、PHAの健康と治療のためには、健康に関する理解能力が大変重要な要素となると述べている。

 

●プロジェクトの経緯

 2002年にバルセロナで開催された国際エイズ会議の際、世界中から数十人の提唱者が、新規に「Treatment preparedness(治療体制構築)」と名づけた治療提唱や教育における活動をどのように支援し広めていくかについて話合うために集まった。バルセロナ会議の参加者達は、全世界からの提唱者や教育者を集合させ状況を改善するために必要な事項の検討及び戦略を構築することを目的とする治療体制構築を主題とした国際サミットの開催を呼びかけた。バルセロナでのミーティング後、各大陸の180人の提唱者を代表するグループが、サミット準備のために形成された。この国際HIV治療体制構築作業グループ(International HIV Treatment Preparedness Working Group)は、6ヶ月間にわたり電話会議やEメールで連絡を取り合いサミットを準備した。南アフリカのTACとニューヨークのGay Men's health Crisisが事務作業を担った。地域が規定され、それぞれの地域からの代表者によって、作業グループは形成された。地域は以下のように規定された。

  • 東ヨーロッパ・前ソビエト連邦支配地域・中央アジア

  • アフリカ

  • 米国・カナダ・西ヨーロッパ・オーストラリア・ニュージーランド・ニュージーランド

  • ラテンアメリカ・カリブ海

  • アジア環太平洋地域(東アジア・太平洋・南アジア・東南アジア)

サミットの基本目標は以下の通りである。

  • 世界各国において治療体制構築のために活動を続けている沢山の人々が一同に集まり、自らの活動について互いに議論を交わす初めての機会を作る

  • 国際または地域レベルにおいて治療実現や治療体制に関する現状について学ぶ機会を設ける

  • 世界中で地域における治療体制の構築、維持、及び向上のための枠組みを発展させていく

  • 活動家たちが、発展途上国において教育や政策提言に関して直接、各地において活動を行うためにさまざまな基金、中央政府や諸国際機関へ働きかけるためのひな形を練り上げることのできる機会を作る

 サミット会合には、67カ国から125人が参加した。参加者リストは、各地域選考委員会や指名小委員会といった段階を踏む申し込み手続きを通して作成された。作業グループは、申込書を作成し、各地域における組織一覧や様々なデータベースを活用し、申込書を広範囲にわたり配布した。各地域の選考委員会や指名小委員会は、申込み用紙の配布、回収済みの申込み用紙の点検及び各地域からの参加者の選考に関しても任されていた(各地域の小委員会メンバー一覧は、この報告書の添付資料欄に掲載した)。

 各地域からの参加者の割合は、その地域におけるHIV危機の度合いによって定められた。この方法を用いることで参加者の多様性が保たれ、一地域によって会議が占められることは無かった。一部の参加者は各自で費用を負担することを選択したが、会議運営委員会によって参加者全員のサミットへの参加費用は負担された。また、選ばれた申込者のみミーティングに参加することが合意された。地域ごとの参加比率をゆがめないために、自己負担によって参加する人が増えることを選ばなかった。具体的な仕組みや選抜方法は、コミュニティーメンバーによって完成され、その方法は、我々の知るかぎりでは非常に独特なものだ。参加者比率は以下のようになっている。

  • アフリカ−30%

  • 米国・カナダ・西ヨーロッパ・オーストラリア・ニュージーランド・ニュージーランド−15%

  • ラテンアメリカ・カリブ海−15%

  • アジア環太平洋地域(東アジア・太平洋・南アジア・東南アジア)−25%

  • 東ヨーロッパ・旧ソビエト連邦諸国・中央アジア−15%

●地域ごとの報告書

各地域の代表者は、共同でグループとして活動し、各地域におけるエイズ危機の概要及び以下の内容を含んだ報告書をサミット用に準備するように求められた。

  • 各国、及び地域における治療の現状について

  • 各国、及び地域における現在行われている治療提唱運動に関する説明

  • 各国、及び地域における現在行われている治療教育運動に関する説明

 報告書は、作業グループによって作成された広範な質問票を基に作成された。WHO、世銀と国連エイズ合同計画(UNAIDS)が提示するデータおよびITP作業グループの5つの地域の資料作成小委員会によって行われた新規調査のデータをもとに回答された。各地域からの参加者は、初日のミーティングにおいて各自の調査結果について発表した。全文は、この報告書の添付資料欄に掲載する。

 

●議題説明

 会議は、ほとんどの時間を議論に費やせるように構成された。発表は初日にのみ行われた。残る会議期間は、主に小グループ討議に使われた。小グループ討議の報告セッションで、それぞれのグループ議論の結果が共有された。資金援助者やGFATMの代表者と会談をするために二つのセッションが別枠で設けられた。セッションごとの説明は、これらの議論の要約と共に追って説明する。

プレゼンテーションの要約

1. 出席者全員によるオープニング

2. ザッキー・アハマット Zackie Achmat 氏 TAC 治療行動キャンペーン(南アフリカ)

 これまでのところ私たちは大きく前進したといえるが、まだまだ大きな課題がある。5年前には、南アフリカ共和国の誰もエイズ治療というのものが存在することを知らなかった。アクテイビストたちは、製薬会社や国際機関の官僚主義等に挑戦することは難しいと考えていた。しかし現在は、薬剤の価格を下げたり資金を調達することが可能だと私たちにはわかっている。最も重要なことは、私たちが治療の可能性を理解しており、治療によってPHAは何が得られるかもわかっているということだ。WHOは、大きなステップを踏み出した。つまり、人びとが健康でなければ国の発展はないということ、そして抗レトロウィルス薬がすべてのPHAに必要不可欠であると明言したのだ。WHOの大胆な前進は、世界中のHIVアクテイビストによって勝ち取られたものである。

 今後、私たちは、この世界共通の目標に向かってどのように協調して活動していけるだろうか?引き続き活動を前進させるためのフレームワークをどのようにとらえたら良いだろうか?

  1. 第一に、HIVというのは政治的な課題であることを認識しなければならない。つまり、国際間の不平等、ジェンダー、性的指向、一国内の民族間、あるいは、貧困による不平等に関連する政治的な問題である。

  2. 国際的な運動として発展させるには、科学に忠実であることを忘れてはならない。最貧のコミュニテイであろうとも、科学的なリテラシーを創りあげねばならない。治療にアクセスするための運動は、それにふさわしい科学的な根拠があり、真実を追究するものでなくてはならない。

  3. 第二の要素は、草の根の運動である。つまり、最も貧しい人々を組織することである。NGOか政府かの区別は無視して、同盟できる人々を、どこででも見つけることである。教会、労働組合、ゲイの組織、女性たちの組織等に働きかけてほしい。HIV以外の貧困に目を向けるため、またそれらの問題をHIVと結びつけるためにも、より広範な闘争をくりひろげなければならない。HIV個別の課題とより広範なさまざまな課題とをどのように組み合わせるのかを考えなくてはならない。

  4. 国際機関は公約したことについて責任をとるべきだという世界的な運動をおこす。

  5. 情報を共有し、伝えあう。つまり、私たちはこれまでにアメリカやヨーロッパで達成されてきたことから学ぶことができる。しかし、すべての人々がエキスパートになるためには、私たち独自のアプローチを生みださねばならない。異なった国では異なったアプローチが有効であろう。私たちの活動を発展させるには、最良の、また多様なコミュニケーションが必要である。電子メールも紙面も利用できるすべてのものを利用してほしい。

  6. 南アフリカには闘争の伝統がある。組織をつくったり、治療のためのメッセージを伝える時は地元の政治的な伝統を活用してほしい。

  7. メデイア 健康である権利と生存の権利について倫理的なコンセンサスを創りだしてほしい。両者の関係を発展させることは必須である。誇張しすぎてはいけないし、事実にそっていなければならない。プロフェッシヨナルであってほしい。自分自身のメデイアを創り出してほしい。良質な医療を可能にするインフラの必要性等、治療にとっての障害を理解してほしい。

  8. 法的なシステム、ガバナンス、人権等を活用してほしい。それぞれの国に法的なシステムがある。あなたの権利について意識し、新しく作られた新しい機能をもつ法令等があるのなら、それを利用してほしい。そして、そのプロセスを情報とともに提供してほしい。アクテイビストは、法的なシステムを利用したり、それを主張したりするためには、その政府の法令等を理解していなければならない。

  9. 国際的であることは必須である。国際機関の官僚主義やポリシーにおける大きな変化が、国際的なアプローチによってもたらされてきた。地域のネットワークを活用してほしい。経験や知識を共有し、それを地域の状況に適合させることである。私たちは、さらなる資金のためにキャンペーンを共にするが、自分たちの地域に最良のアプローチを採用する。国際的であることには問題もある。力のある国やグループがその観点を強制することである。自身がもつ帝国主義をうまくコントロールしてほしい。あなたの世界観を他人に強制しないでほしい。地域の人々が自らの運命をコントロールすべきであって、物乞いを強いられてはならない。

  10. 戦術 私たちの原則、つまり生存する権利とケアを受ける権利を守るためには恐れていてはならない。特に、より小さい国や貧しい国では、戦略については注意深くなければならない。運動をたちあげるためには、時には保守的であることも必要であろう。急進的な行動は、時として逆効果である。力がないところでこそ、運動をたちあげるためには慎重でなければならない。

3.ウラジミール・ショウチャク Vladimir Zhovtyak氏 全ウクライナPHAネットワーク(ウクライナ)

 今日、ウクライナでは50人がART(ARV治療)を受けている。しかし、さらに5000人もがARTを必要としている。2001年5月に設立されたPHA全国ウクライナ・ネットワークは、問題の所在を明らかにし、国のHIV対応のパートナーとして認められるよう努力してきた。私たちはアドボカシートレーニングのために国際機関と協調してきた。また、主要な利害関係者および機関を明確にし、それらの関係者および機関と協同で活動を始めた。全ウクライナ・ネットワークが試みたプロセスを理解するためには、緩慢で汚職があると言われているポスト−ソビエトのシステムについて知っている必要がある。全ウクライナ・ネットワークのメンバーは政府高官と連絡をとり始め、彼らと会い記者会見を開いた。2001年に、私たちは会議で厚生大臣に会い、治療を要求したが反応はなかった。後の別の記者会見でも、大臣は治療についての疑問に答えようとしなかった。それから5か月以内に、手紙を書くキャンペーンが行われ、AIDS患者への治療と、さらに画期的な政府のHIVへの対応をネットワークは要求し始めた。政府は、グループの活動を真剣に受けとめるようになり、現在は会合やプランニングにネットワークを参加させている。私たちは、ウクライナ政府がGFATM(Global Fund to fight AIDS, TB and Malaria;世界エイズ・結核・マラリア対策基金)に申請するために重要な情報を提供している。GFATMへの申請額の60%は治療にあてられる。私たちは薬価を下げるための国連のイニシアチブに参加し、その結果、製薬産業は価格を下げた。ヨーロッパにおいてこうした事が起こったのはウクライナが2番目だ。しかし、購入できた薬は多くはなかった。そこで、ネットワークは国際的な組織に注目を訴えて、50,000ドルの資金供与を得た。それをもとに、政府のプログラムを通さずに、人々にARVを購入した。ネットワークは、民間、政府および国際的機関とともに活動する。ネットワークはAIDSの人々にアドボカシーの訓練と教育を提供する。私たちのゴールは2−3年以内に、必要とするすべての人々にARV治療を可能にすることである。

4.カルロス・ガルシア・デ・レオン・モレノ Carlos Garcia de Leon Moreno氏 Ave de Mexico (メキシコ)

 スペイン語には、アドボカシーについての多くの定義がある。私たちは、アドボカシーを説明するために、交渉、デフェンス、プロモーション、政治的な影響など多くの言葉を使用している。この会議での私たちの仕事は、治療へのアクセスを推進させるために、個人や各機関に影響を与えることである。私たちはアドボカシーを戦略的に計画し、私たちの強さおよび弱点を認識し、情報を交換する必要がある。私たちの当面の目標は、必要とする人が無条件でエイズ治療を受けられることである。しかし、そのゴールに向かって努力するためには、私たちの目標は現実的で、到達可能で、測定可能でなければならない。アドボカシーをより戦略的に計画するほど、望むものを得るために、より効率的にならざるをえない。私たちは、戦略的プランニングについてもっと学ぶ必要がある。私たちの地域での最終目標は、必要な人すべてが高度な治療を受けられるようにすることである。私たちは経験を資料化し記録しなければならないし、成功および失敗について議論すべきである。同盟を構築してほしい。大衆に対して私たちのゴールを明確にしよう。戦略的にプランニングされたアドボカシーにおいては、PHAだけでなく政府やメディア等も、私たちの最終目標を理解すべき重要な関係者たちとしてターゲットになる。目標に到達するために協力して働かなければならない。アドボカシーは、各国のニーズおよび構造に合っていなければならない。米国でうまくいったことでもメキシコには合わないかもしれない。他での経験を活用するにしても、私たちのシナリオにそれらを適合させて、自分たちのコンテキストの中で仕事しなければならないのである。治療に関する知識は、それを必要とするコミュニティに提供されるべきである。私たちは何を望むのか? 治療の量あるいは質? 質は重要である。コミュニティは十分知識をもっているべきである。ニーズに合ったインプットを提供し、コミュニテイのニーズを優先しなければならない。治療の情報は長期戦略の一部である。そのために、コミュニティは治療の問題を理解し、それについて議論することができるようスキルを向上させる必要がある。知識は力を与える。また、エンパワーメントはコミュニティにとって非常に重要である。力をつけたコミュニティによるアドボカシーというのは、すなわち、ゴールに到達するために、知識およびスキルがコミュニティの中で発展していくことを意味する。

5.ケビン・ムーディ Kevin Moody氏 ヘルス・アクセス・インターナショナル(オランダ)

 私たちのアドボカシーの最終目標は、予防と治療の両方を含むヘルスケアと社会的なケアのニーズを満たすことである。アドボカシーは、受動的でも能動的でもありえるし、公的な手続きを踏むこともありえるし非公式なやり方もある、また人権を主張することもあれば科学的な根拠を中心に据えることもある。具体的には、次のようなものがある。

  • 治療プログラム
  • 街頭デモ
  • 研究プロジェクト
  • 電子メールキャンペーン
  • ロビー活動をすること/手紙を書くこと
  • 展示
  • 最も有効なもの:はっきりとした最終目標を備えたプログラムにおいて、すべてのタイプを組み合わせる

 人々に疾病やそれを治療する方法について必要な情報を提供するだけでなく、アドボカシーに対する努力を支援しその努力を伝えていくためにも、治療のリテラシーが必要である。私たちは、議論をサポートし、反対する人々と対決するために情報を必要としている。治療のリテラシーはアドボカシーを推進する強力なツールとなる。ARVは治療のニーズにの中では、わずかな部分に過ぎない。ARVは基礎的なヘルスケアおよび他のサービスと一緒に行われるべきである。ケアは最適でなければならない。私たちは、情報へのアクセスのおかげで、ジェネリック薬が「偽造物」ではないこと、単一薬による治療は適切でないこと、資源の浪費を避けるために、包括的な医療が情報とともに提供されるべきであることを理解している。

 教育のフォーマットは複数存在するが、それぞれ限界がある。多く使われる教育ツールは講義である。講義に多くを望むべきではない。トレーニングは、多くの場合教師中心である。(教師が、あなたが何を知るべきかを決定してしまう)。この普及した情報を、どのようにして、より良い形で実践することができるだろうか。多数のトレーニング法が活用されるべきである。トレーニングは協同で行わねばならないし、問題に基づくべきである。トレーニングに活動的な部分を加えてほしい。私たちは強い市民社会およびコミュニティ組織を創る必要がある。

シフォ・ムハティ Sipho Mthathi氏 TAC 治療行動キャンペーン(南アフリカ)

 HIVは、国内のあるいは国際社会の深い部分の不平等に焦点を当てる。TACのキャンペーンは、国際的に認められ、また憲法で保障されたすべての人々の権利にもとづいたものである。生存、尊厳、ヘルスケアと治療にアクセスすることである。私たちは、政策がニーズに合ったものであるか確認するために、政策決定の場に参加する権利があるのだ。人々を巻き込み、市井に入っていくことが私たちの挑戦である。人々は、治療というものが存在することは知っているが、不平等が原因で自分たちが治療にアクセスできないことも知っている。インフラの不備を理由に、治療を行うことに反対する意見と対決しなければならない。治療は権利であるということをコミュニティに理解してもらわねばならないし、その権利について各組織に説明しなければならない。南アフリカは、世界の手本になり得るのだ。財源やインフラは、ケアを提供するために存在するのだ。法的なインフラも存在する。強力な市民社会がある。足りないのは、政治的な意志だけである。

TAC は、以下のものに参加している。

  • 議会への提案  政治家は必ずしも重要なポイントがわかっていない。私たちは、常に重要な点を指摘しなければならない。
  • リサーチ  プログラムを実行するために、良いモデルと成果をあげている方法に注目する目的がある
  • デモ、ピケ、行進
  • 法的なアクション、メディア・キヤンペーン

コミュミティ教育と動員がTACの活動の基盤である。

 治療とは、薬だけでなく、治療がどのように作用するか、あるいは、なぜ人々が治療を受ける権利があるのか知ることでもある。人々は、ケアを提供することに反対する意見に立ち向かわねばならない。治療のリテラシーはアドボカシーがうまく実現するための手段となる。リテラシーは、アドボカシーの主要な部分となり得る。命を救うために治療を行うべきである。従って、治療に関する教育は治療パッケージの一部でなくてはならないし、私たちはそれを主張すべきである。

TACの治療に関する理解能力向上・プログラムは以下のものを含む

  • メディア  コミュニティのラジオ番組、コミュニティ新聞と国のメディア
  • ポスター  治療に関する情報を掲載したものが、ヘルス・センター、学校、コミュニティ・センターや他の公共の場所に掲示される。PHAについての詳しい話や彼らの経験を載せたポスターは、コミニュティがHIVの経験を受け入れるのを援助するために、コミュニティ教育に使われる。
  • 治療情報のパンプレット
  • 治療教育のワークショップ  PHA、ケア提供者、青年層、労働者を対象とする:科学的、法的、経済的、政治的リテラシー

以下のものに挑戦していく

  • 好意的でない政治的状況
  • 資料へのアクセスを可能にする

異なったレベルのスキルを用いて異なるコミュニティに到達するために

  • 継続可能な活動 活動家のバーンアウト(燃え尽き)を回避する
  • 治療教育に対する要求と協調する

 ニーズは膨大である。活動に十分な人員はいないし、財源も限られている。しかし、コミュニティ教育がなされねばならない。人々が治療とは何かを理解したからこそ、2月14日に、治療を求めて1万5千人もが議会へ向かってデモ行進することができた。闘争を続けねばならない。

パイサン・スワナウォ Paisan Suwannawong氏 タイ・エイズ治療行動グループ(タイ)

 もし5年前に、タイ政府が数万人の人々にARV治療への無料のアクセスを提供しようしていると言われたならば、私は一笑に付していただろう。しかし、現在はそのような公約が実在することをここで報告することができ光栄である。もし、PHAが権利を主張しなかったら、タイ政府は決して手段を講じることはなかったはずだと申し上げたい。
 治療教育とアドボカシーについて、私自身の経験と見通しをお話したい。教育とアドボカシーの重要な意味とは、PHA自身がそれを定義する際の一端を担うことだと言いたい。HIVと共に生きているのは私たち自身であり、正直なところ、誰も私たちの経験や気持ちを代弁することはできない。
 治療教育についてひとつわかっていることは、私たちがそれをコントロールできるということである。治療教育は、私たちを診る医者の責任でも、医者の能力によるものでもない。私たちは、HIVと共にどのように生きていくか、治療をどうするかを学習することができるし、またそうしなければならない。自分の命を医者の手だけに委ねることはできないし、そうすべきではない。
 PHAネットワークは、カリニ肺炎のスクリーニングと治療のためにキャンペーンを実施した。キャンペーンは、「100%Cotrimoxazole(HIV感染者に投与される二次的な細菌感染や寄生虫感染予防薬)キャンペーン」と呼ばれた。私たちは、その治療が簡単なものであることを知っていた。症状を特定し、薬を飲む方法、どのようにヘルスケア・システムの中で主張し、治療を続けていくかをお互いに学び、教えあった。現在、この成功体験は、他の日和見感染に対する予防と治療のモデルとして、あるいは、ARTに対するモデルとして活用している。
 この体験は、PHAが、自身の管理下で、医者と同等かそれ以上の仕事ができるということを医学的な権威や他の人々に証明した。治療教育というのは、科学や錠剤やウィルスについてだけではないのだ。治療教育は、情報や治療にアクセスする際の根本的な要因を理解していることである。
 では、タイで、人々を治療についての知識から行動へと誘ったものは何だろうか?5年前、タイではPHAをどう治療していくかについての明確な政策は存在しなかった。治療のガイドラインはあったが、医者には治療する意志はなかった。医者は、不治の病気の人々に金を使うのは無駄だと考えていた。PHAのコミュニティは、家族や友人が亡くなっていくのを見るのに疲れ果てていた。また、豊かな国ではPHAの治療で効果があがっていることを耳にしていた。私たちは、治療へのアクセスの障壁となっているのが、タイ政府の政策であり、それは政府と豊かな国々との関係も含んでいることを学んだ。その障壁は国際的な貿易政策と関係があった。私たちは、この問題を私たちの教育の中心におき、PHAネットワークのアジェンダの優先課題とした。治療のアドボカシーは、私たちの生存権にかかわる重要課題だとみなされた。
 治療のアドボカシーは、それについて調査し、自身を教育していくプロセスであった。だから、明確なメッセージを展開し、目標を見極め、戦略をたて、その問題に対して国民的な行動を起こし、より広範な社会を巻き込むことができた。
 例えば、最初にPHAが、権利を求めて公衆の前にカムアウトしたのは、治療へのアクセスに関してだった。200人ほどが、政府がddI(didanosine)に対して包括的な許可を利用することを要求し、公衆衛生省の前に立った。タイのように階級的で偏見の多い社会で、PHAが、政府への要求のために立ちあがることがどんなに大変なことか。なぜなら、私たちはいつでも、HIV陽性であるのは自分の責任であり、陽性者には何の価値もないと言われ続けていたからだ。しかし、このデモの経験によって、実際は、人々は私たちの要求やヘルスケアの権利を求める行動を尊重してくれることがわかった。その後、政府の私たちに対する態度や運動の推進力など、多くのことが改善された。
 治療アドボカシーの機会がある場合、PHAの参加が絶対に必要な例をもうひとつ挙げるとすれば、GFATMの国内調整機構(Country Coordinating Mechanism; CCM)で私が経験したことがそれである。もし、私が、CCMの最初の段階でミーティングに参加していなかったら、タイが第一ラウンドでプロポーザルを提出することは絶対になかっただろう。タイ政府代表は、タイのPHAの利益よりも、自分自身の政治的イメージつくりに関心があった。なぜなら、タイ代表はGFATMの理事でもあり、第一ラウンドでプロポーザルを提出するのはイメージにふさわしくないと思っていたのだ。
 結論として、治療教育とアドボカシーを成功させるカギは、私たち自身の人間としての尊厳を思い出し、真実が持ちうる力を保持することであると申し上げたい。私たちの感情を大切にすることは、この病気の身体的兆候を理解し、治療することと同じくらい重要である。私たちには自身の治療法があり、教育やアドボカシーのために声をあげることを忘れないでほしい。最終的な目標を実現することを忘れないでほしい。
 昨年、タイ政府は3000人にARV療法を提供した。今年は2万人、来年末までには5万人に達するだろう。HIVと共に生きるすべての人々が治療を受けられる日まで、私たちの尊厳を忘れてはならないし、私たち自身が本当の解決策を体現しており、権利のために戦うパワーを持っていることを忘れてはならない。

グループ討論

  • マクロとミクロの両方のレベルでのアドボカシーと教育の必要性が強調された。政府と産業界に、HIV/AIDSに全体的に対応してもらわねばならない。しかし、PHAに対して、症状を認識し治療のオプションについて教えていくことと、人々にヘルスケア・システムの中で、個人レベルでのニーズを主張するように教えていくことも同様に重要なのである。知識のある患者が、ヘルスケアの提供者の認識や彼らとの関係を変えていく。討論参加者の多くは、コミュニティの中の知識をもったリーダーの重要性とそのリーダーがヘルスケア・システムの中で主張する際のインパクトについて論じた。治療のアドボカシーに関わっている人々は、より大きな問題に焦点をあてがちだが、個人ベースでの患者のニーズを主張していくことも、多くの人にとっての優先課題として浮上してきた。それは、治療教育の重要な部分であり、教育とアドボカシーが合致するところでもある。
  • 宗教界のリーダーと交渉していくことの難しさについて、多くの疑問やコメントが出された。人々はコミュニティでの彼らの重要性について認めている。しかし、多くの宗教界のリーダーたちは、エイズについて論じるのを拒絶するか、自分の見解のみに基づいたたいへん断定的な態度をとるかのどちらかである。従って、宗教的な会合では、エイズへの偏見と恐怖が拡大した。エイズを重要な問題として受け取らないまま、毎週のように教区のメンバーを埋葬することをどう正当化するのか、これからも宗教界のリーダーに尋ねていくだろうとMthathi氏は語った。他のコメンテーターは、彼らと共通の関心事項を見つけることが役に立つし、性的な行動について論議したがらない傾向があるにしても、多くの宗教界のリーダーは、ケアと治療について話合うことにはもう少しオープンだと提言した。
  • 財源が限られているところで、治療を受ける際の偏見や差別をどうやって 少なくしていけばよいか?タイはその成功例 である。タイでは、誰が治療を受けるかについて社会的な差別はなく、医療上の区別があるだけである。そして、メキシコでは、ゲイは最大の患者集団であるにもかかわらず、治療を受けられずにいた。しかし、アドボカシーによって、これは変わってきた。

 

薬物使用者(drug user)など周辺化された集団のHIV治療実現に向けた活動への参加

     この国際会議の期間中、数人の参加者が集まり、薬物使用者、性産業従事者ほかの周辺化された人々(Marginalized group)のHIV治療実現に向けた活動への参加が少ないことについて討議し、治療体制準備計画の中でそれらの人々に影響を及ぼす課題の重要性を確認した。以下が討議出席者によって採択された項目である。
    1. 次回の治療アドボカシーの会議やサミットの主催者は、例えば、薬物常用者、性産業従事者や性同一性障害者(transgendered people)そしてアフリカのゲイなど、実態に見合う参加のなかったグループからの参加を促すべきである。
    2. 我々は、PHAやAIDSに関する政策提言を行っているより大きなコミュニティの中に、特に注射針による薬物使用者や性産業従事者を含む人びとの周りで差別があることを認識し表明すべきである。
    3. 我々は、GFTAMが申請事業の審査をする際、以下の行動を起すことを要求する。
      • IDUs(薬物を静脈注射で使用している人びと)がサービスやARV治療へアクセスしやすい環境を整えるため薬物代替プログラムおよびハームリダクション(健康被害軽減)政策を実施するように事業申請国に対し圧力をかけ、治療の成果を高めること。メタドン(Methadone)はHIV ケアの一部と見なされ、必須医薬品のリストに加えられるべきである。
      • IDUたちの人権を侵害する抑圧的な法律を廃止するよう、事業申請国に対し圧力をかける。
      • 薬物の常用を根拠に治療やケアへの個人のアクセスを否定してはならないことを理解するよう、事業申請国に対し圧力をかける。
    4. HIV/AIDSに関する政策提言活動とハームリダクションや薬物使用者のグループ間にはもっと強いつながりがあるべきで、このことは現存する薬物使用者アドボカシー組織やネットワークによっても支持されるべきである。
    5. C型肝炎はその治療へのアクセスと共に、IDUを対象とした治療教育やケアにおける主要な問題として考慮されるべきである。ARVと代替薬物の相互作用を含むほかの問題および快楽追求薬物とARVの相互作用に関する情報も研究され普及されるべきである。
    6. 我々が注射による薬物使用者のニーズを論議する時、注射針を共有する仲間、家族や子供たちのこと、そして彼らに関わる問題についても考えるべきである。
    7. 我々はタイの国際エイズ会議において、エイズ危機における優先課題として薬物使用や性産業の問題が取り上げられることを要望する。

 

分散会1:治療準備度の定義

様々な地域からの参加者が集まった。以下が彼らが議論は交わした質問項目、それに続いてその要約である。

(1) 治療に関する理解能力のニーズ、問題とモデルとは何か

  • PHAへの治療教育がなぜ重要なのか
  • PHAへの治療教育を構成するものは何か。
  • PHAへ効果的な仲間による(peer-based)治療教育を行うには何が必要か。
  • 治療教育を効果的に行うことを妨げるもの、問題は何か。
  • 困難を克服し治療教育を実施するに必要なモデルおよび思想とは何か。

(2) 治療実施の政策提言(treatment advocacy)のニーズ、問題とモデルとは何か

  • 治療実施の政策提言をどう定義するのか。
  • 治療実施の政策提言に関わる問題とは何か。
  • 政策提言活動を構築し継続する際に直面する困難は何か。
  • 国際、国内や地域レベルでの実施の政策提言の効果的なモデルは何か。

討議の要約

なぜ治療に関する理解能力が重要なのか。

  • HIV治療について考えている人びとにとって、ARV治療がどのような効果があり、どのような副作用があり、それをどのように判断し、どの薬をいつ飲むのか、指示に従った服薬が必要であること等を理解することが重要である。こうした情報がなければ、患者は治療について十分な説明に基づいた決定をすることができず、医師の指示に従うことがなぜ効果的な治療に必要なのかを理解できない。治療は人々に希望を与えるが恐怖でもある。治療に関する情報は恐怖やストレスを軽減する。
  • HIV治療はARV治療に限られてはいない。AIDSに起因する日和見感染症、結核、肝炎や他の合併症の予防や治療は、AIDSケアにおいて重要であり命を救うものである。治療教育プログラムは日和見感染症の兆候や症状、日和見感染症を防ぐ方法や治療に関する情報が含まれていなければならない。
  • 治療教育は政策提言を支えるものである。政策提言を行う人はPHAのニーズに合った政策実現のために効果的な提言をするために、HIVの原因、感染そして治療、また臨床研究、薬品開発や医療システムについて深く理解する必要がある。
  • HIV治療に関わる情報はコミュニティ内でのHIVに関連したスティグマを軽減させることができる。HIVが治療可能であると理解されると、人びとの恐怖は減り、HIVに関して学ぶようになり、感染している人々のことを恐れなくなる。
  • HIVに対する治療の存在を知ることは、人びとに希望を与え、自らが感染しているのかどうかを知ることを促し、ケアへの要求も促す。このことは個々人の健康増進につながるだけでなく、HIV予防教育・啓発を促進する。
  • 医師たちはしばしば本当のあるいは全ての選択肢や情報を患者に提供していない。患者は治療に関する誤解・不正確な情報しか与えられていない。「いんちき治療」はよくあり、いわゆるAIDS療法と言われているものが信頼できるものかどうかを的確に判断する手だてのない人々にとってはこれが大きな困難や労力となっている。患者は十分な説明に基づいて決定できることを必要としている。

良い治療に関する理解能力の構成要因とは何なのか。

  • 治療教育プログラムは、特定の権威に基づいてではなく、実際に使用されるコミュニティ内で開発されなくてはならない。仲間による教育プログラムは人々の経験を生かすことができる。(同じコミュニティの)仲間たちは、人を見下すことなく、あるがままの人びとと出会うことができる。患者にとってもピア・エデュケーター(Peer educators)の方がより気楽に質問をすることができる。
  • 治療教育は、PHAのいるコミュニティ、医療従事者(医師や看護師)たち、コミュニティの指導者たち、メディアや政策立案者たちをつなぐものである。地方のコミュニティに到達しうるメディアで取り上げられること、様々な技術やリテラシーレベルに適応すること、また人々の母語に翻訳されることが必須である。しかし、資源が不足しており、言語の中にはHIV/AIDやその治療法を説明するのに必要な用語や概念の創出を必要とするものもある。
  • 医学や科学の用語を一般の人々が理解できる用語に翻訳することは難しいが必要なことである。これらが効果的にできた例は十分にある。
  • 様々なやり方で行われなくてはならない。一つのやり方が全てではない。(文書とは)違ったやり方、例えば演劇などが活用されなくてはならない。教材は文化に対しても慎重でなければならない。インターネットは最新の情報へのアクセスを提供するが、それらの情報は特定のコミュニティの需要に合ったように加工されなければならない。
  • 治療に関する理解能力向上の取り組みの中で医療従事者はパートナーとして見られなければならない。仲間による教育プログラムは、ヘルス・ケアの環境整備とは別に存在するのではなく、統合されたものでなければならない。経営者、メディアや様々な政府機関などの他のセクターが、人びとに治療情報を提供することも考慮の対象である。
  • 指示に従った服薬のために、仲間による支援グループやカウンセリングが推奨された。
  • 最良の実践例や教材の集積および(あるいは)普及サービス開発が推奨された。
  • 人々には、訓練中も仕事においても保障されているという感覚が必要である。ピア・エデュケーターにはよい訓練と継続的な監督が必要である。彼らは仕事に対しての報酬を支払われなければならない。全ての人が良い教育者あるいは提唱者になるわけではない。人々はそれぞれに違った能力や才能を持っている。
  • ARV治療を受けないという選択は、非難されるべきでない。

良い治療に関する理解能力の妨げとなるもの

  • 性差に基づく不平等が医療、治療、治療教育、サポートサービスにおける障壁として繰り返し指摘された。
  • 医療従事者のPHAに対する差別や適切ではない態度が良い治療への壁になっていることも繰り返し問題にされた。
  • 地域に根ざした治療教育プログラムへの資金援助の機会が限られていることと、利益を提供せずに資金から仲介料を取る「媒介者」(主に政府)の排除の必要性と共に指摘された。
  • 感染症専門医や十分な訓練を受けた医療従事者の不足は、患者がHIVケアや治療に関しての正しい情報を与えられていないことを意味する。医療従事者はしばしば過度に守秘義務を強調し、薬物に関する治療のような必要な治療に患者の目をむけさせようとしない。
  • 治療自体が広い範囲で実施されていないこと、および治療に関する情報が誤った期待を生みだすと主張して、政府当局者や医療運営者は治療情報を広めることに反対しがちだ。
  • 読みやすい形で最新の情報を手に入れることは難しい。
  • 最大の障壁は、安価な治療が実施されていないことである。

治療アドボカシーの問題とゴールは何か。

  • 最優先事項は、安価で高品質のエイズ治療の実施である。これはARV治療だけではなく、診療のための検査、日和見感染症治療と予防、また薬物に関する治療サービスを含む患者支援も含む。
  • 政府機関、コミュニティ組織や国際機関そして資金配分のための会議へのPHAの参加が強化される必要がある。PHAが政策やプログラム決定に関与していても、PHAの提起が真剣に取り上げられていないとの不安が表明されている。特にGFATMの国内調整機構(Country Coordinating Mechanism、CCMs)へのPHAの参加に関心が集まった。PHAの参加は訓練や指導を通して支援される必要がある。PHA代表は、彼らが代表するコミュニティに活動報告をする責務がある。
  • その多くが北と西(の諸国。欧米諸国)である比較的小さな個人のグループが、国際的な組織にコミュニティを代表して参加しているという懸念が表明された。全ての地域からの代表参加が必要である。多様なそしてHIVの影響を受ける全てのコミュニティからの代表が参加する必要がある。特に薬物使用者や性産業従事者を含む周辺化された集団を我々自身が関わるさまざまな組織から排除するという問題について重要な議論が行われた。
  • GFATMや他のメカニズムを通して国際的な資金援助が可能になったので、患者主導の取り組みを推進しようとする人は、これらの資金の使用計画策定に参加し使用計画通りに資金が使用されるよう監視していかなくてはならない。
  • 各国政府もさまざまなコミュニティも、ジェネリック薬の品質について大きな関心を持っている。医薬品は高品質でなければならない。品質が保証されているかどうか確認がなされ、政府、医療従事者およびコミュニティーメンバーに信頼できる結果が知らされなくてはならない。WHOのジェネリック薬処方(generic medications)のための事前審査プログラムはこのゴールに向けての重要なステップである。
  • 差別やスティグマは、現在も重要な課題である。差別そして差別を受けるという恐怖が、自分が感染しているかどうかを知ることもケアを求めることも妨げている。ヘルス・ケア・システムにおいても差別がはびこっており、差別された人びとは当然受けるべきケアや治療を受けていない。ゲイ、薬物使用者や性産業従事者は特に差別的な行為の対象とされやすい。差別は我々自身の組織の中でも起きており、多くの個人が周辺化されている。
  • 政府内での腐敗行為も重大な問題であり、HIV治療のための資金援助にも影響を与えている。現在HIVに向けられている国際的なサポートは、明確な結果が示された場合にのみ、持続されるだろう。政府の腐敗行為は現在進行中のプログラムの成果を脅かしている。また、医薬品に課せられるさまざまな税金が治療実現の努力を妨げている。これらは削除されるべきである。
  • NGOの説明義務も重要な課題である。NGOはケア、サービス、政策提言そして教育を実施するのに必要な多額の資金を受け取っている。しかし、これらの取り組みがなされないまま、組織内の個人の利益のために資金が目的とは違った使われ方をしているケースが見かけられる。
  • 治療を求めて活動する人々は、供給が限られている医薬品を公平そして平等に配分するために優先順序の決定に関わらなければならない。治療プログラムは拡大されていくが、プログラムが実施されるに時間がかかる。誰が治療を先に受けるかについて公平な意思決定はどのように下されるのか、が課題である。

治療に関する政策提言に役立つ戦略はどのようなものなのか。

  • 適切な戦略は一つではない。政治状況、エイズ危機の状況、危機に面している人びとの構成、PHAが現に必要としていることといったさまざまな要因によってアプローチは異なる。政策提言者は、訴える対象である政府、メディア、一般市民あるいはPHAを理解しなくてはならない。その対象に適した、特定の目標を達成するように、戦略を立てなくてはならない。
  • 政策提言は政策の立案も含む。政策は科学であり、証拠に基づき、PHAのニーズに合致し、HIV感染拡大を防ぐものでなければならない。提唱者たちは、HIVとその治療に関する科学を理解し、常に最新情報に基づき、コミュニティ、国、地域、世界にとって最善で実行可能なプランを立案できるだけの洗練された分析に携わるという宿題を果たさなくてはならない。
  • HIV感染の可能性や治療を一般に教育するのに、また、提唱者のメッセージを人びと、政府や産業界に伝えるのにメディアの担う役割は大きい。提唱者はメディアの利用の仕方を心得、その重要性を理解しなければならない。
  • 提言した政策の実体化を進めるのに法的闘争が有効であることが分かった会議出席者は南アフリカ共和国、コスタリカなどの国々における、法的な枠組みを利用しての成功例を聞いた。提唱者は法体系を理解し提言した政策の実体化を効果的に進めるための方針を決定するべきである。
  • 政策提言とさまざまな活動は重層的な関係でなければならない。ほとんどの場合、我々の目標を達成するためにはいくつもの作戦と戦略が必要とされる。戦略は、その時点で実現可能なことは何かについての現実的な見通しに基づいて立てられなければならない。「最善と感じられる」戦略ではなく、「現実的に変化につながる」戦略を選択すべきである。
  • 強力で幅広い連携を構築することが重要だ。労働組合、宗教組織や医療従事者、青年グループなどは重要な連携相手である。我々はこれらのグループとの共通項を探し、それぞれのグループがエイズ危機に関心を持つことの必要性を示さなければならない。痛みや苦しみを引き起こす、注目すべき社会問題、政治問題、医療問題は多くある。エイズ危機は単独の問題ではない。エイズ危機の拡大をもたらすものは他の医療危機や社会的危機をも拡大している。エイズに関わって活動する人びとは、これらの問題の間の繋がりを見つけ、社会正義、経済的平等や公衆衛生に向けた取り組みの実体化を進めるために、関心を持つ全ての人びとと共に活動すべきである。

 

課題別分散会

体系的な課題について6つの分散会が行われた。参加者は各自2つの分散会を選択し、出席した。設けられた分散会は以下の通りである。

資金援助

コミュニティでエイズ治療を提唱する者、教育する者は、どのようにして資金援助の優先順序決定に影響を与えるのか。地域内或いは地域間での資金援助の優先順序は、どのように決定されるのか。コミュニティでエイズ治療を提唱する者、教育する者が資金援助を得るには、何をすることが必要なのか。資金が西から東へ、北から南へ流れる際の課題は何か。

討論の要約

  • コミュニティでエイズ治療を提唱する者および治療の実施者は、資金援助の優先順序設定や資金援助決定にもっと直接的に関わる必要がある。我々のニーズやアイディアをさらに伝えるために、より良いより直接的な資金援助者と接する機会が必要である。このサミット(ITPS)は良いモデルである。これらの努力を支援するために、コミュニティあるいは地域ごとの資金援助検討会議が推奨された。
  • どの組織が資金援助にふさわしいプログラムを実施しているのかを、資金援助者に知らせる情報の提供が非常に必要とされている。また、コミュニティ組織には、彼らが取り組んでいる活動のタイプや活動地域に関心を持っている資金援助者に関する情報が必要である。これらの情報を提供するウェブサイトが推奨された。
  • エイズに関する取り組みへの資金援助の優先順序をめぐる競争がある。多くの資金援助者にとって治療はまだ優先度の高いものではなく、治療実施よりも予防が優先されている。参加者たちは、資金援助者と会合をもったり、必要な時には政府の計画に影響を与えるための大衆行動を行うなどして、優先順序を動かす、或いは広げるのに成功したことを報告した。
  • 各国政府、国際機関、各種財団による資金援助決定には、まだPHAの意見が反映していない。我々はあらゆる場合に関わらなければならない。資金援助の決定過程は透明でなければならない。患者の主張を伝える人間が資金援助決定過程に関わっていたと言われてきたが、実際に誰が関わっていたのか、また彼らの主張が採用されたかどうかを確認することは困難である。資金援助者は、政府を通してプログラムに資金援助する際に、コミュニティからの参加とコミュニティの主張への真摯な対応を政府に強く求めることで、資金援助決定過程の透明化を支援することができる。
  • コミュニティでエイズ治療を提唱する者および治療の実施者は、資金援助過程がどのようなものであるかについて十分に理解している必要がある。提唱者は、可能性のある全ての資金援助者について、資金援助過程、優先順序そして関心の違いを理解しなければならない。
  • コミュニティでエイズ治療を提唱する者は、優先順序について明確であることが必要だ。所属する組織への資金援助を探すことと全てのコミュニティ、国そして地域への資金援助を主張することとの間で優先順序のバランスのとることが必要である。
  • 国際的な資金援助者は、政府を通さずに直接コミュニティ組織に資金援助する機会を増やすべきである。
  • 資金援助者は常に成功物語を探している。資金がうまく使用され、資金援助を受けたプログラムが違いを生んでいることを示すことができることが重要である。これはコミュニティグループが資金援助を探すのを助けるだけではなく、資金援助者が政府、国際機関や各種財団からの資金を運用することに役立つ。
  • 先進国の提唱者はエイズ治療への資金援助や治療実施を推進する政策を求めて圧力をかけ続けなければならない。
  • 持続的な資金援助が必要である。確実に成功するという証拠があるにも関わらず、資金援助が持続されないため、新しいプログラムやサービスを作るという困難な作業がしばしば無駄になってしまう。プログラム実施者は、前触れもなく優先順序や焦点を変える資金援助者の気まぐれに振り回されている。我々はプログラムを持続させ、育成することのできる組織的な能力構築への支援が必要としている。
  • いくつかの国々の不安定な政府や抑圧的な政府が資金援助者を遠ざけている。政治的障壁が何であれ、PHAのニーズ、PHAの主張を伝え、PHAのケアにあたるNGOのニーズは非常に大きくそして資金援助を必要としている。例えば、アルゼンチン では、IMFが国外の資金が国内に入ってくることを禁止しているため、GFTAMの資金援助がない。他の資金援助者は限られている。ベラルーシも政治状況が資金援助者の活動を抑制する国の一つである。
  • 政府内の腐敗行為、また残念ながらいくつかのコミュニティ組織における腐敗行為によって、プログラムに必要な資金が届かなくなっている。腐敗行為やいくつかのCBOが資金援助に見合う取り組みを実施するのに失敗したために、大きな不満が生じていた。
  • GFTAMは申請された事業を検討し資金援助を決定したが、資金はまだ届いていない。約束にも関わらず、我々はまだ待つことを強いられており、人びとは避けられる死を強いられ続けている。
  • 国際機関の資金援助はしばしば政府を通して行われる。そして政府はエイズ・ケアや治療以外の目的のために支援資金を使っている。また、政府は支援資金のかなりの割合を運営費用として使っている。
  • 事務的な過程は簡素化されなければならない。助成金申請および助成金に関する報告の作業量はあまりにも負担が大きく、しかもしばしば不必要だ。助成金申請ガイドラインには禁止項目が並び、必ずしも我々のニーズあるいは我々のニーズに対応できるやり方を考慮していない。
  • 資金援助者は、我々のコミュニティでは何が一番効果的かを判断する我々の専門性を信頼していないようだ。
  • プログラム評価がきちんと計画に入れられていない。事業実施者と資金援助者はプログラムが機能しているのかどうかを知る必要がある。

コミュニケーション/教材の集積と普及

お互いにコミュニケートし、戦略を論議し、情報を広く共有するために、現存するネットワーク或いは新しく作るネットワークをどのように使えば良いのか。世界的な課題に効果的に対応する戦略を立てるためには、また優先順序や目標が協力を促すように設定されていくためには、どうすればよいのか。治療教育のための教材をどうやって共有していくのか。翻訳の必要性にどうやって応じていくのか。どのようにして教材に最新の情報を取り入れていくのか。地域全域におよぶ治療教育のためにはどのような形態が最適なのか。

討論の要約

  • ほとんどの地域で、啓発教育から技術情報理解教育へと動いている。
  • 医療従事者は定期的に更新された情報が不足しており必要としている。
  • 教材を入手するセンター的な場所が多くの地域にはない。
  • 資金援助の欠如がおもな障壁である。
  • インドでは、UNICEFと協力して研修マニュアルが作成された。多くのPHAはヒンドゥー語の教材を必要としており、字を読めない者もいるので視覚的な絵や写真の教材が必要である。人々はしばしば孤立して、地方部で暮らしており、接触が困難だ。これに対処する一つの方法は、学校を活用することである。もう一つは映画を見せることである。翻訳は大きな問題である。インド一国だけでも6ヶ国語への翻訳が必要だ。
  • ルーマニアでは、日和見感染症などにどうやって対処するかを説明するのは容易だと、参加者から報告があった。免疫システムそしてARV治療を説明することは、より困難だ、と言うのだ。
  • タンザニアでは、しばしば伝統的なパフォーマンスやフェスティヴァルを使ってエイズの啓発教育を行っている。啓発に携わる人びとはビーチに行き小冊子を配っている。治療についての啓発教育はほとんどない。MSM(同性間性行為者)向けにはメキシコの小冊子があるが、とても怪しげなものなので、全ての人に受け入れられるとは思えない。
  • 東欧では、PHAの80パーセントが薬物使用者であり、現存するハームリダクション・ネットワークがエイズ治療情報の普及に使われている。彼らは教材を翻訳しているが、それらを配布する良いシステムが確立されていない。
  • ジンバブエでは、啓発広告を描いた車が走っている。そしtげ中心街では停車する。非識字者が多いので、人々へのメッセージは多くは絵を使って説明される。
  • 南アフリカ共和国では、TACが移動展示、コミュニティでの講演会、ワークショップを行っている。ワークショップのために、TACは医者たちと協力し、PHAに参加を呼びかけ、ウェブサイトから治療に関する情報をダウンロードしている。デモンストレーションのために特別な教材も作っている。

次の事柄が提案された:

  • 基本的な移動手段や地理的な孤立と同様に、どの地域でも非識字が課題である。
  • 電子メール、インターネットや電話で、情報の要求・検索サービスを確立すること。
  • 地域ごとにまた世界規模で現存する教材の総覧を作成すること。
  • 世界規模で教材を集めたウェブサイトを作成すること。
  • 北のすでに資金援助を受けているNGOは、南のNGOが地域に適合した教材を作り、集め、維持し更新することを、また資金援助を受けられるよう支援しなくてはならない。

医薬品の価格設定、特許、入手問題について

医薬品および検査薬の特許、知的財産権に関する各国および国際的な政策が、これらの商品の価格にどのように影響を与え、発展途上国の医薬品入手をどう決定するのか?ジェネリック薬を含め、購買力に見合った価格の医薬品や検査薬を確実に入手していくために、発展途上国はどのような戦略を使えばよいのか。

討論の要約

参加者はまず用語や問題を定義した。以下の諸問題が対象となった。TRIPS協定の及ぼす影響。TRIPS協定の効力がおよぶ範囲、特に公衆衛生に関わる緊急事態に対応する際の医薬品特許を扱う『ドーハ宣言』第6条。強制特許実施(compulsory licensing)、並行輸入、そしてジェネリック薬使用を拡大していくための戦略。インチキ薬、ARV医薬品やその他の医薬品に課せられる税金や関税、そして医薬品の質など、である。

各国レベルでは以下を含む医薬品へのアクセスを妨げる以下の点が挙げられた:

  • 各国の必須医薬品リストの状態
  • 世界貿易機関(WTO)や他の国際会議での知的財産権や医薬品入手問題めぐる交渉で各国が取っている立場
  • 各国における医療保険あるいは社会保障によって供給される医薬品リスト(essential drug lists)の現状
  • エイズ治療薬および検査薬の医薬品登録を早急に進めようとする意志がどれだけあるのか
  • 品質保証に関する調査研究を行う各国の医薬品規制当局の能力

これらの問題に対処するために提案された戦略:

  • 各国政府:貿易担当省、財務省、商業担当省および保健省と連絡を持ち、重要な日程の前後には課題や要求を伝える。
  • 世界保健機関(WHO):事前審査プロジェクトの強化、拡大、加速。各国医薬品規制当局が必要に応じて活用できる書式集の作成。各国医薬品規制当局に対する品質保証と医薬品管理に関するテクニカル支援。
  • 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM):2005年以降、WHOの事前審査のみによる国家調達政策への資金援助

スティグマとHIV感染の可能性にさらされた人びと

どうやってスティグマを克服し、人びとがHIVに感染しているかどうかについてオープンになるように促し、またエイズに関わる政策提言や教育に参加するよう促していくのか。我々が政策提言を行う際に個人の安全の課題とどう対処していくのか。どうやって表現の自由を促し、政府の検閲に立ち向かうのか。最も周辺化されている人々、特に薬物使用者、性産業従事者、難民、女性、同性間性行為者などが、どうやって我々の活動に参加していけるようにするのか。我々自身の組織内での差別や排除をどうやって克服するのか。

討論の要約

PHAがHIVに感染していることを家族、友人たちにまた公然と語ることができるように支援する必要に焦点をあてたコメントが多く出た。以下はその一部である:

  • 人々は自分自身にまでスティグマを負わせてしまう。人々はHIV感染に対する自分自身の否定的な態度を克服しなければならない。
  • 人びとに対する支援、特にHIV抗体検査後のカウンセリングを受けた人々に支援を行うことが必要。HIV抗体検査後のカウンセリングでの検査結果通知の衝撃は人びとを打ちのめしかねない。
  • Eメールやインターネットは、秘密を脅かされずに人びとが他のPHAとコミュニケーションを取るのに良い方法である。
  • 人びとが自らのHIVに関わる状況についてもっとオープンでありたいと願い、エイズに関わる提唱者として活動しようとする時、訓練や指導が必要である。
  • HIV抗体検査後のカウンセリングをする際のことばの使い方は、検査結果の捉え方に影響を及ぼす。ある参加者は、彼らの病院では検査結果を通知する際に決してエイズという言葉を使わない、と発言した。HIV抗体検査結果は陽性であることを告げ、HIVに感染していても長く生きることができることを伝える、と言うのだ。同様に、治療がないという現状だけを話すのではなく、人びとが病気を受け入れ立ち向かうことを支援するために治療について話すことは重要である。

コミュニティやヘルス・ケアの取り組みの中でスティグマを克服することに焦点を当てたコメントの一部を以下に紹介する。

  • エイズに関わるスティグマを克服する一つの方法として、延命治療を必要とするほかの深刻な病気について話すことがある。このことでHIVへの特別視を取り除き、他の病気と同じように感じさせることができる。つまり、深刻であるが人びとにたいへんな脅威を与えるものではないことを伝えることができる。
  • 医療従事者はスティグマを拭い去る先導者とならなければならない。彼らは専門家として期待されており、PHAを恐れる理由があるという人々の観念を克服するために努力することを求められている。
  • スティグマを負わないために、PHAは自信を持ち、主張しなければならない。我々の集まりはどこかに閉じこめられてはならない。我々は人びとから見える存在で開放的がなければならない。人々はPHAに出会い、知ることで変わる。
  • HIV感染の可能性が高い周辺化された人々は、絶えず差別と直面している。参加者たちは、薬物使用者、ゲイ、性産業従事者、難民やその他の人々が直面する困難について長い間議論をした。このような差別的な扱いは差別された人びとを傷つけるだけでなく、人々がHIVの予防方法について学ぶこと、HIV抗体検査を受けることやケアやサービスを利用することを妨げるため、HIV感染をさらに拡大してしまう。

スティグマや差別をなくすためにどのような取り組みを提言していくのか。

  • 差別に対応する法的枠組みは必須であるがそれでは充分ではない。法律は効力を発揮するまでに時間がかかる。大衆的な啓発キャンペーンも重要である。メディアに働きかけて、HIVに対する意識を高め、スティグマを克服する取り組みに参加させることが必要である。
  • 人々が自分たちの権利について情報を与えられることは絶対に必要である。PHAやHIV感染の可能性のある人々に対する差別が違法であるなら、人々はそれについて知るべきである。
  • 人々が差別と戦っているのを支援するために、法的なサービスが必要である。HIVに関連する差別を禁止するための法律を成立させるために、法に関する政策提言が必要である。
  • 我々自身の組織内での差別について緊急に議論する必要がある。周辺化された人びとは、PHA支援グループ、エイズに関わる働きかけを行うグループへ参加できないでいる。特に薬物常用者が、エイズに関わるコミュニティ内で厳しいスティグマを負わされていることが、問題として語られた。
  • スティグマを克服する方法の一つとして、従業員に対してエイズ教育を行うことやPHAに治療を提供することはビジネスにとって良いことだと、経営者に確信させることがある。
  • 人権は何を意味しているのか。各地域から出されたスティグマに関する報告に非常に多くの共通項があるにも拘わらず、人権の定義にはさまざまな違いがある。ある参加者によると、ロシアでは、人権が何を意味するのかを知られていない、という。HIV感染は特権ではない。我々は他の人々以上のというのではなく、同等の権利が欲しいのだ。

国際規模でのエイズ治療キャンペーン

エイズ治療実施、治療教育や治療推進の政策提言にはさらに資金援助が必要だと訴えていくために、地域を越えてどのように協力し合うのか。各地域、各国そして国際的な政策決定者との討議に、どのようにしてHIV/AIDSによる被害を多く受けているコミュニティからの幅広く多様な参加を実現していくのか。保健分野の他の政策提言活動と、どのように関わっていくのか。

討論の要約

2005年までに300万人にARV治療を提供するというWHOの目標を実現するための枠組みを使いながら、討論参加者たちは、エイズ治療のために提言を行う人びとに、3つの包括的な分野への注目を提案した。

  • 各国政府の説明責任と行動:2005年へとつながる目標を達成することおよびその他のニーズに対応する国内治療計画の策定と実行を求めるという形態になるだろう。またGFATMや他の資金援助者から出た資金が適切に最も必要としている人びとに届くように使われているかどうかを監視していくことも、活動に含まれる。
  • 裕福な国々からの適切で実質のある資金援助:国連や他の機関は、世界的なエイズ危機と戦うためには年間70〜100億米ドルが必要だと見積もっている。エイズ治療のために提言を行う人びとは、先進諸国政府がGFATMや他の資金機構に貢献していくように働きかけなくてはならない。
  • 国連諸機関の説明責任と行動:WHOは、各国政府が行動計画を発表し実施できるように、必要な技術的援助を提供しなければならない。WHOは、各国に2004年と2005年までに治療を受けるべき人びとの数を目標値として提示しなければならない。

これからあるイベントでエイズ治療に向けた提言にとって重要な機会だと思われるものには以下のものがある。

  • 4月27日 世界統一行動デー(Global Day of Action):南アフリカ政府が国家的なHIV治療計画を策定するようにデモンストレーションを続けているTACへの連帯行動
  • 5月30日 世界保健総会:WHOが主催するこの会合に世界各国の保健相が集まる。各国保健省高官に向けたロビーイングおよび治療を呼びかける記者会見などを開催するために、エイズ治療提唱者たちも出席するよう提起された。またそれぞれの国で保健省高官たちに面会を求める理由として、この会合を使うことも提案された。
  • 5月/6月 G8・エビアンサミット:GFATMへ実質のある貢献を行うよう各国政府に圧力をかける良い機会
  • 6月 UNGASS:国連総会で、UNGASS宣言(UNGASS Declaration)の実行過程について議論する
  • 9月―WTO閣僚会議

医療従事者、治療実施者、NGOおよびケアや教育を提供するほかのグループとの連携

どのようにして治療実施を求める活動家および治療教育に携わる者は、エイズ・ケア、サポートそして教育を実施する際、協力して他の人々との連携を作っていくのか。

討論の要約

治療に関わる教育にコミュニティが参加することは簡単ではない。というのは、医療労働者たちが、コミュニティの参加に不安をいだいているからだ。医療専門家たちは、自分たちが作成に関わっていないコミュニティが作成した教材に真剣に取り合わないことが多い。

医者と患者の関係が注意を要するものであること、そして医者が自分の地位を守っている一方で、多くの患者が医者の知識に全面的な信頼を置くのに慣れてきているということが、討論を通して明らかになった。通常、医療に関する意思決定は、医者・患者の対等の連携の下でなされてはいない。しかしながら、1980年代からの経験から、先進国の医者も患者も、エイズ治療にまつわる不確かさを認識し治療における選択肢について討議することを促す協力的な関係は、より生産的なアプローチであることを学んできた。いくつかの良い実践が報告された。

  • タミル・ナドゥ(Tamil Nadu)では、NGOは性感染症(STD)やARV教育の内容を提供するサポートグループの指揮を取っている。そして医師による対面診療を改善するために臨床医が患者に敏感になる訓練を施している。現在、インド医学会(The Indian Medical Association)に対して、インドの臨床医にARVへの関心を持たせるための研修を実施するように働きかけがなされている。というのは、多くの臨床医がエイズ治療の可能性に対して否定的な態度を取っているからである。
  • 別のインドからの参加者は、地域の医科大学と地元のNGOの間で結ばれたつながりについて報告した。その大学は在宅ケアやエイズ啓発研修を実施しうるNGOと連携し、入院を必要としない患者に地域の適切なNGOを紹介している。一方、NGOは、医療チームが訪問する準備として、学校や職場でエイズ啓発を実施してきた。
  • ナイジェリアでは、臨床医たちとPHAが一緒に、ARVに関わる課題について訓練を施すため、能力向上ワークショップを開催している。臨床医は患者一人一人と教育のための討論をする時間がないので、患者自身による教育フォーラムの必要性が確認されてきた。ARVの普及を支援する仲間による教育活動へさらに資金援助する必要性が強調された。HIV+の女性によるピア・カウンセリングの取り組みは、ピア・カウンセラーへの謝礼用の資金が不足しているため、現在一つのセンターに限定されている。ナイジェリアの治療ガイドラインの下で、治療が望ましい人は誰で、そうでない人は誰かについて、NGOに教育する必要も強調された。
  • マラウィでは、国家プログラムの下でARV治療が実施され始めており、PHAが、治療に関するカウンセリングや最初の通院時の患者教育に関わっている。
  • ラテンアメリカ諸国およびドミニカ共和国では、地元のNGOが、医療従事者にPHAの全体像を教えるためのワークショップを実施してきた。このワークショップを通して医療従事者と地元のNGOの協働関係を改善した。
  • ペルーでは、個人的にHIVの影響を受け医療従事者の研修プログラムを開発することを目指すようになった、さまざまな領域の医療専門家たちによるグループの存在が確認されている。

これらの例はARVが広く利用されるようになった1990年代にヨーロッパや北アメリカで発展した協力のパターンに対応している。例えば、英国では、PHAと医療従事者に対し治療に関わる情報を提供しているのは、医療専門家と協力して治療に関するニュースレターや他の教材を出版しているNGOである。エイズ治療推進提唱者たちは治療ガイドラインの開発にも参加しており、人びとをケアの取り組みに巻き込むために周辺化されたコミュニティにも手を伸ばしている。また、NGOは、医者と交渉できない人々に医療に関する提言・要求を行うサービスも提供している。

アメリカでは、NGOと医療従事者の中で、どのようにして治療に対する情報を探し評価するか、また、関係者全てにエイズ治療の最新の進展に対応する訓練を施し続ける、という技術を開発することが重要とされてきた。ある参加者が言うところの「求められた訓練」を提供するだけでは不十分なのだ。

討論の大部分に関わってくる問題は、こうした現在の良い実践モデルがボランティアに依存している、ことに南アフリカ共和国においては、TACが多くのPHAを治療教育そして治療を求める行動に参加するように動かすことができた、ということだ。これは南アフリカ共和国だからの成功だろうか?との質問も出された。

TACからの参加者たちは、人々はボランティア活動に参加したことで得るものがあったことを強調した。さらにこれらの便益は南アの環境に限定されたものではないことも強調した。例えば、人びとは新しい能力を開発することができた。TACは、食事と移動手段だけでなく、基礎的な識字訓練をボランティアに施した。こうした取り組みが、ボランティアの自尊心形成に与えた影響を低く見積もってはいけないと、TACからの参加者たちは語った。

ワークショップでは活動に対するいくつかの提案が出された。

  • 全ての状況において医者は仕事に追われすぎており、しばしば入手可能な資材について知らない、という条件の下では、活動家の役割の一つに、PHAが求めるサービスを特定し、医者にどこでそのサービスが手に入れられるかという情報を提供することがある。活動家たちは、ある種の処方薬やサービスを提供できないことで多くの医療従事者たちが苛立ちや怒りを感じていることをわきまえて、注意深く治療が実施できるかどうかを尋ねなくてはならない。
  • 医者が適切なトレーニングを受けるのには、例えばARV処方を保険の対象として認定するシステムをサポートするために、保険会社や政府と共に働き、その結果保険で認定された処方によるケアを求める人びとの薬剤費支払いが減る、といったインセンティブが重要である。
  • ハームリダクション活動とエイズ治療推進提唱との連携の重要性および治療情報提供者として特化したNGOの重要性も強調された。
  • 地域を越えて医療従事者同士の連携させ、社会保障従事者から医療従事者への紹介をより良いものにするネットワークを発展させることも強く提案された。製薬会社をこのようなネットワークに巻き込むことも提案された。
  • エイズ治療についての情報を提供する資料は、コミュニティでエイズ治療推進を提唱する人や医療者から必要とされている。そして、その情報を集め、適用し、配布する方法が必要である。
  • ケアや治療のための倫理的なガイドラインが開発され施行される必要がある。

 

地域別分散会報告

各地域別に参加者は二度会合を持った。最初の会合で、以下の問題について話し合った。会議の終わり近くに開かれた、二度目の会合では、会議での成果をさらに推し進めていく上での優先課題および計画について討論した。その後、各分散会ごとに全体会で討議結果を報告した。会議後の取り組みの計画の概要が、ここに述べられている。概要報告の形式が異なるのは、討論の進め方と報告の仕方の違いによる。

第一回会合で出された課題

  • それぞれの地域において、治療教育と治療実現に向けた政策提言のために特に必要なことは、何であるのか。
  • それぞれの地域において、午前の全体会合で取り上げられた考えをどういう風に適用していくか。
  • それぞれの地域において、治療実現を求める活動を進めていく上での障害は何であるか。
  • それぞれの地域において、どの治療教育モデルがその地域で最も有効であるか。
  • それぞれの地域において、ネットワークや情報共有の仕組みをどのように作り上げ、強化していくか。

アフリカ

アフリカ諸国からの参加者は、このサミットで最も大きいグループであった。まず、エイズ治療を必要としている人達が治療を受けられるようにする国家治療計画を策定する必要性について話し合った。この治療計画は、治療実施者と政府とが共同して策定されなければならない。この計画には、抗レトロウイルス薬治療実施のための戦略だけでなく、日和見感染症の治療と予防、治療のための検査、HIV抗体検査、カウンセリング、PHAへの治療教育が含まれている必要がある。これらの計画を策定し実施していく期間についても定めなくてはならない。

すでに国内治療計画が存在する国においては、計画の遂行が、最優先事項である。アフリカ分散会参加者一同は、(TACが展開している)南アフリカ共和国での現在の行動を支援し他の国々で取り組みを前進させていく行動計画を策定し調整していく事を呼びかけた。

政府および資金援助に関わるさまざまな委員会へのPHA参加が困難であることについて、多くのコメントが寄せられた。PHAの参加者がいない場合もあり、またPHAの参加が重要なものと扱われていなかったりする場合もある。また、PHAの参加者が関係するさまざまなコミュ二ティへの説明義務を果たしていなかったりする。特にGFATMのCCM(国家調整機構)に関して、この事は、明らかである。依然として、差別やスティグマが、HIVについて学んだりHIV抗体検査や治療を受けることなどへのおおきな障害となっている。各国内および地域のネットワークや組織は、治療実現を最優先課題の一つとしていない。

治療実施を求める活動と教育に携わっている人の間でのコミュニケーションをサポートし強化していく全般的な必要性が確認された。また、治療教育教材を集め、また、いきわたらせる必要性についても話し合われ、情報、訓練の教程や他の治療教育の情報を集積することも提案された。また分散会参加者は、このサミットに関する情報を普及についても討議し、最終報告書を、資金援助者、メディア、政党、CBO、組合などに送ることを合意した。

地域で資金援助者と共同していくことの難しさや、活動への説明責任の弱さなどについても多くのコメントがあった。これらには、政府やCBO内部での腐敗の懸念や、資金援助過程へのコミュニティからの参加の欠如、資金援助を受ける際の非常に煩雑な申し込みや報告の手続き、新しい計画への援助が続かない事、また、必ずしもコミュニティでの優先順序に対応していない資金使用の規制要件などが含まれている。

さらに、以下のように、参加者はそれぞれの国に関して具体的な提案をおこなった。

  • カメルーン:PHA団体は、2005年までに6000人への治療実施を目指す
  • ウガンダ:2005年までに10万人が治療を受け、PHAの労働者を保護する法律を制定する
  • マラウィ:治療への要望調査実施し、国家治療戦略計画策定とPHA団体の全国ネットワーク作りをすすめる
  • ナミビア:国家治療計画をすすめ、PHAにARVについて教育するプログラムをつくる
  • ナイジェリア:国家治療計画の第一段階実施目標に向けて、NGOと援助機関を再編成する必要
  • モザンビーク:治療計画策定のための全国会合の開催を求める
  • ケニア:難民の要望に応え国の保健医療計画に難民を組み入れる。全国的な治療実現を求める運動を作り上げる
  • ジンバブエ:組織を統合し、治療計画実施を監査する機関として活動する
  • 南アフリカ共和国:デモと市民的不服従を通じて政府が治療実施を約束するよう強く求める。治療計画実施に向けコミュニティの組織的能力開発を開始する。
  • ザンビア:治療への障害をつきとめる。
  • セネガル:日和見感染症治療薬の提供、ARV治療を受けている人へ栄養サポート
  • コートジボアール:6ヶ月以内にジェネリック薬を導入する
  • ガーナ:難民への支援
  • リベリア:ARVの持続的提供
  • タンザニア:保健医療従事者を訓練し、PHAをまとめ、計画を実施する
  • トーゴ:ジェネリック薬を求め、ARV治療を受けている人びとをモニターし、評価する。政府は治療薬流通の独占をやめるべきである。
  • コンゴ:治療実現と運動構築
  • PATAM(汎アフリカ治療実現運動):アフリカ連合や他の地域組織に代表を送ることができるよう組織を強化する。

南米、中米、カリブ海諸国

  • 政府やメディアへ提言を行うために、コミュニティの提唱者によって持たらされた情報を、検証に耐える専門的なものにする必要がある。
  • 治療のための検査の実施施設の増加が非常に求められる。
  • PHAは、保健医療に関わる権利に関する情報提供を受ける必要があり、また差別から保護されなければならない。
  • 治療実施を求める活動は多くの国で進められているが、それらに関する情報普及の機会はきわめて限られている。我々は、経験と戦略とニ−ズを共有する情報ネットワークを発展させなくてはならない。
  • 治療教育プログラムは不足しており、エイズに関わるサービスを行う団体や医療施設内で実施されなくてはならない。
  • 国際協定や国際貿易関連法規についてもっと知ることは、我々政策提言活動に役立つ。
  • 各々の国での同性愛の法的位置および、ゲイの人びとが法的にまた保健医療システムの中でどのように処遇されているのかについて、知識を深める必要がある。
  • 地域至る所で、移住者は、教育、保健医療、政策的な支援の取り組みを必要としている。
  • 地域全体でジェネリック薬の価格を統一する。
  • 中南米・カリブ海諸国地域での政策提言の意味を定義するための踏み込んだ討議と、戦略の策定・共有、そして活動のおける優先順序決定の必要がある。また、地域、国際的なネットワークを作り、それらを強化する必要がある。
  • 中南米・カリブ海諸国国際エイズ会議ハバナ会議を、特に治療教育と情報プログラムの開発と共有に関するネットワーク構築の機会して活用する。

東ヨーロッパ・旧ソ連圏諸国(NIS)

この地域の一部では、エイズ危機が世界で最も速く進行している。静脈注射による薬物使用によってエイズ危機が拡大しており、今後のエイズ危機拡大に、薬物に関する政策が大きな影響を与えている。多くのアフリカの国に比べると、HIV感染率はまだ比較的低いが、感染率は急速に増大しており、HIV感染が大規模に広がる可能性は非常に大きい。分散会参加者は地域の多様性が全般的な地域戦略をすすめていくのを困難にしていると述べている。NIS諸国が今最も深刻なエイズ危機に直面していることから、討論の焦点はNIS諸国にあてられた。また、この分散会では、中央ヨーロッパ、バルカン地方は十分に取り上げらたとは言えない。

分散会参加者は、種々の言語で作成された現存の教材および戦略や経験を共有し、治療実施を求める活動、教育、自助グループの発展などのさまざまな領域での地域にいる専門家リストを作成するために地域的なつながりを作っていくことを呼びかけた。治療に関する教材のロシア語への翻訳の必要が強調された。他には、アジア・アフリカにおけるGFATMプログラム実施の進展状況を追いかけていく必要や、薬物使用者を治療実施を求める行動や教育活動に参加させていく問題などが話し合われた。

この分散会は以下のように原則と優先課題を挙げた。

  • PHAが、全ての政策決定の場にもっと関与することを提唱する。
  • 薬物代替療法(メタドン療法など)実施を政策提言の優先事項にいれる。
  • 治療情報の流布を通じて、また、ハームリダクション(健康被害軽減)団体にエイズ治療実施を求める活動へ、もっと積極的に係るように勧めることによって、ハームリダクション(健康被害軽減)活動家を治療実施を求める提言活動へ参加させる。
  • エイズ治療実施を求める提言活動を支持し、支えていく訓練と教材が必要である。多くのHIVサポート組織はその任務のなかに治療実施を求める政策提言を入れていない。これは変わる必要がある。

エイズに関わる活動家は、ケープタウンでのサミットに続き、2003年5月にはミンスクで集まる。その会議では、政策提言の訓練を行い、参加者は、政策提言を進めるための優先課題をさらに発展させ、その実施に向けて戦略を立て、コミュニケーション能力を高めていく方法について話し合う。

アジアと太平洋地域

参加者は、まず、地域での多くの問題と提唱者として直面する障害について話し合った。治療・診療のための検査・治療に関する情報の不足、HIV抗体検査を受検できるか否かが、第一の課題である。また、この地域は非常に広範囲におよぶ定義がなされており、地理的、政治的、文化的に非常に多様な地域を、まとまった地域として組織することは非常に困難である。

エイズ治療そのものに関する知識が乏しいPHA及び保健医療従事者を対象とした情報の共有、治療に関する情報と教材の普及および翻訳作業が強く求められている。地域内にいくつかのネットワークがあるものの、治療の優先順序は、まだ高くない。差別への恐怖とあきらめによって、PHAは活動に参加せず、支援ネットワークにも接触しないでいる。

至る所で、いかさま治療が問題となっており、効果の立証されていない民間療法に持っている僅かのお金を使っている人びとが多くいる。インドやタイには高品質の抗レトロウイルス薬(ARV)を生産する活気ある産業がある。しかし、その国々で安い価格のARVを手に入れることは難しい。薬物常用者やゲイのような周辺化されたグループを、政策提言、教育やサポート活動に巻き込んでいく働きかけが必要である。

継続的資金援助が今後も行われることが不可欠である。資金援助はサービスや治療に対してだけでなく、政策提言や教育活動を支援するためにも必要である。資金援助者との直接の接触がないこと、資金援助に条件付けられた規制基準を満たすことの難しさ、新規援助決定の場にコミュニティのメンバーが参加できないこと、資金援助が安定してないことへ多くの不満がのべられた。提案を書く訓練もまた、必要である。

この分散会では、同時併行するいくつもの問題とそれらに対処する手続きが確認された。

  1. 他の多くのアジア/太平洋地域の国にもまして、カンボジア、パキスタン、ネパールは、IEC(The International Extension College アフリカ、アジア、カリブ海地域で開発のための通信教育を実施している)の教材を緊急に必要としている。
    行動計画:
    INP+(Indian Network of Positives)とインドのSAATHII、タイのTNP(Tai Network of Positives)が現在ある教材の配布を担う。この活動の財源を特定し確保する必要がある。

  2. 治療実施を求める政策提言、治療機会の獲得と治療に関わる諸問題に関して、PHA自身のグループが力量を向上させることと資金援助が緊急に必要である。(ネパール、カンボジア、インド、中国、インドネシア、ベトナム、ラオス)
    行動計画:
    1. サミット参加者全員が、力をあわせて、地域や国の、また国際的な会議において、能力向上ワークショップを設置する。
    2. この地域で実施されているPHAグループの能力向上プログラムのための地域センター開設に向け、新たな資金が求められる。
    3. 利用できる財源を使ってINP・TNPおよび他の活動中のPHAグループは、アジア太平洋地域の国々のPHAグループに技術・技能を伝える。
    4. すべての代表者は、PLWHAグループの能力作りと強化に向けて、更なる資金をUNDP、UNAIDS、FHI(Family Health International)などに求める。

  1. 特許の問題と各地域それぞれの輸入に関する諸問題について、使用者にとって使いやすく、読みやすいフォーマットで、最新の情報を早急に提供する必要がある。
    行動計画:
    これらの問題についての情報を「the Asia-Pacific Treatment Access Yahoo groups」MLを通じて共有していく参加者のうち一人か二人が、自発的に、これまでの取り組みを踏まえて、特許と輸入問題に関する最新情報を発信するよう求められている。各国の提唱者たちが、地域の国々それぞれにとって、これらの問題がどうであるかを理解し、各国ごとの政策提言計画を策定することを支援することを目指す共同計画を進める。
  2. 共同購入グループ(buyers clubs)結成するにあたっての支援
    行動計画:
    結成された各国の共同購入グループが「the Asia-Pacific Treatment Access Yahoo groups」MLを通じて、共同購入グループ結成に関わる情報を共有するプロセスを開始するよう、アジア・太平洋地域からの参加グループがフォローアップを続けていく。インドとタイのグループは品質が保証された薬品の購入を支援する。しかし、ARV治療につながる全てのプロジェクトを実施する際には、PHAグループがARV治療を開始することで起こりうる副作用や処方に忠実な服薬の必要性などを十分認識すること、そして適切な医療インフラの整備、CD4数検査の実施能力および持続的な資金の投入に細心の注意が払われなければならない。

  3. 治療実施を求める政策提言、治療機会獲得、及び治療に関する教育を推し進めるために、地域のPHAネットワーク間での協同とネットワーク作りを、緊急に進展させていく必要がある。
    行動計画:
    会議の夕食時の討論で、将来的なアジア・太平洋・インド地域(API、Asis, Pacific and India)における治療実施を求める政策提言と教育について話し合われた。この討論の議事録は別途メールで送られる。
    治療機会獲得は、APN+の現在の優先課題になっていない。何人かの参加者が、治療機会獲得と治療実施を求める政策提言、そして治療に関する教育をAPN+の優先課題の一つにとりあげようと努力している。APN+のメンバーでもある、この会議の全ての参加者は、この目的に向かって活動する。
    APN+は、HIVポジティブからなる団体である。これらの代表者は、それぞれの国のHIVポジティブメンバーを代表し、情報を広めていく事を期待されている。APN+は2003年11月の神戸の第7回のICAAPと2004年のバンコク国際エイズ会議で重要な役割を果たすことになる。
  4. 治療機会獲得、治療実施を求める政策提言そして治療に関する教育について、アジア/太平洋地域のメンバー間でのコミュニケーションの仕組みを早急に発展させていかなくてはならない。
    行動計画:
    APIメンバー間の現在のコミュニケーションを強化するために、ML管理者を置くことを合意した。

  5. 性的少数者や薬物使用者のように周辺化されたHIVポジティブグループや、エイズの影響を受けている家族が、主流のHIVポジティブグループと同席する空間をつくる事が必要である。
    行動計画:
    後日、決定。

  6. アジア・太平洋・インド地域I諸国の医療従事者を緊急に訓練する必要がある。WHOガイドラインに従うよう彼らを訓練する必要があり、また、エイズ医療に関わる医者がエイズ問題について最低限の訓練を受ける何らかの仕組みが必要である。
    行動計画:
    この目的のためにもっと資金援助がなされるよう、WHO、 UNAIDS、 CIPLA、 Treat ASIA などへ引き続き働きかけていく。

  7. GFATM:全てのAPI諸国政府に対して、市民社会と共にエイズ治療実施体制を拡大していくために、第3申請受付期間(5月30日まで)にGFATMに資金を申請するよう、奨励しなければならない。
    行動計画:
    後日、決定。

  8. 地域で教育教材を共有するよう提案
    • 治療情報ヘルプラインの設置
    • 地域におけるインターネットを使った情報センター、連絡網および教材・資料集積の構築
    • 治療教育教材を作り、集め、普及させ、治療アドボカシーおよびトレーニングに関してPHAを訓練するアジア地域センター

北アメリカ、西ヨーロッパ、オーストラリア、日本、ニュージランド

治療教育教材の開発と普及が討論の主要な課題であった。この地域内には、この種の教材を開発に関してかなりの経験がある。世界中の人びとにそれらが簡単に利用できるようにする事が、非常に重要である。情報をどういう風にして普及させるかについていくつものアイデアが出された。たとえば、専門職員による電子メール配信、電話相談、インターネット上での教材集積などである。どの方法がベストかについて意見が一致していないが、一つ以上の方法が試されるべきである。同様に、教材自身についても、全てのタイプの教材が利用でき、人々が、必要であったり、好みのものを選びだして、もっと自分達の必要を満たすように適合させていく事ができなければならないと感じられた。すなわち「チョコレート詰め合わせ」アプローチが必要である。作業グループを作って、情報普及のニーズについて情報を集め、そのニーズを満たすインフラを考える事が提案された。

援助のもう一つの重要な方法として、各種の訓練を行うことの重要性が確認された。取り組まれている活動に相応しい訓練が求められいる。一過性訓練は有益とは考えられず、また、コスト的にも有効とはいえない。一過性訓練とは、先進国からグループがやってきて、簡単な訓練を施し、去ってしまう訓練そのものが目的化されたものである。通常の支援活動を行いつつ長期的な行動に結びついた訓練を行うことが不可欠である。これらの訓練には、治療情報のみならず、政策提言のための技術、組織展開なども含まれなくてはならない。さまざまな手法の訓練のデータベースが利用できなければならない。

政策提言活動に関連して、治療行動キャンペーン(TAC)が、南アフリカ政府に国内治療計画の策定・実施を迫る活動をしていることを、支援するという点で、しっかりとした一致点がある。この支援行動には、4月後半、TACが大規模なデモを予定している『国際連帯デー』に参加することが含まれる。最も重要なのは、豊かな国がGFATMや他の資金援助団体へもっと資金を拠出するよう、引き続き圧力をかけていくことである。近々開催される世界保健会議、UNGASS(国連エイズ特別総会)最新報告、G8サミットが、治療実施を求める政策提言を展開する機会としてあげられている。WHOの新事務局長との会合も、優先事項としてあげられている。政策提言を進めていくにあたって、各地域から地域に根ざした指導力を促し、育て、支援していくことの必要性について討議した。国際的な政策提言において先進国の提唱者がリーダーシップをとることが多いことに対する懸念がある。しかし、これをどう変えていくかについての提案は特になかった。

ヨーロッパ・北米ほか先進国の資金援助者と、途上国のコミュニティ組織や提唱者とが直接、もっと透明性のある繋がりを作る必要があることが強調された。資金援助の優先課題を決め、資金援助申請内容の評価をするコミュニティベースの資金援助検討委員会設立も支持された。また、支援援助プロセスの透明性と資金援助者が使った事務運営費、諸経費は公表されなければならないし妥当なものであるべきだという点でも意見の一致をみた。さらに、資金援助者と資金援助を受ける可能性のある人びととの間の情報交換をもっと密にしなければならないことが強調された。

討議された問題の一つとして、米主導のイラクにおける戦争は誤った方向に導かれたものであり、私たち自身の政策提言とエイズ危機に対処する世界の能力に影響を与えることを認識しなければならないことがある。さらに、アメリカの禁欲を強調する予防プログラムや女性の性や生殖に関する権利についての政策が、エイズ予防活動や女性の人権を著しく阻害しかねないとの強い懸念がある。また、HIV感染拡大を防ぎ治療実施につながる人権問題として、女性に対する暴力の問題に取り組むことおよび移民労働者へのエイズ治療実施が必要であるということも提起された。

 

資金援助者との会合

いくつかの国際機関や財団の代表がオブザーバーとして、サミットに参加した。UNAIDS(サミットの出資者)のような国際機関の多くは、資金援助を主とする団体ではないが、政策提言と教育活動を支える資金および支援を提供することは、彼らの任務にとっても重要な部分である。Tides財団によって、資金援助団体からの参加者がサミット参加者と会い、話し合えるように会合が設定された。途上国からの参加者が資金援助者と直接会い、緊密な話し合いの機会を持てるように、先進国からの参加者の出席は控えられた。各資金援助団体は、自分達の活動、資金援助しているプロジェクト、資金援助プロセス、治療準備のための資金援助の促進をどうやるかについて、短いプレゼンテーションを行った。これらのプレゼンテーションはここでは紹介しない。しかし、各参加機関についての情報はそれぞれのウエブサイトで得られる。アドレスは、付録の参加者リストに拠る。

討論で、いくつかの懸念事項が挙げられた。要約は、以下の通り。

  • 資金援助の優先課題を決める
    優先課題を決定する際に、コミュニティメンバーの意見をもっと取り入れるべきとの要求が出された。現場でサービスを提供している人の現状に即していない優先課題と支援基準が考え出される事が多い。その結果、しばしば、コミュニティの人のニーズに基づいてではなく資金援助者の要件が満たされるようなプログラムの提案がなされている。優先課題を決め、資金援助決定を支援するコミュニティに根ざした資金援助検討委員会が提案された。しばしば父親的温情主義に基づく資金援助優先課題が設定されている。ある参加者は、彼女に料理を教え、エイズ団体のボランティアとなる訓練を施すプログラムについて、怒りをこめて述べた。『私は料理を習う必要はない。料理の仕方は知っている。エイズにかかる前は、私には生活があった。ボランティアになる必要はない。仕事が必要だ。子供たちの学校の授業料を払わなければならない。それなのに、ボランティアとしか扱われず、事務所に行く交通費も支払われない。』

  • 二次的資金援助と協力に関する問題点
    非常にしばしば、資金援助者が資金を政府あるいは大きなNGOに提供し、この資金を受けた政府やNGOが二次的資金援助と資金協力協定を通じて、コミュニティの組織に資金を配分している。この仕組みによって多くの問題が生じている。まず、腐敗行為の問題である。コミュニティに根ざしたサービスに行く予定のお金が、コミュニティに届かない。また、二次的資金援助団体が決定する優先課題は、優先課題の決定に殆ど発言権を持たない末端のコミュニティのニーズに合致していない。また、これらの資金協力団体は先進国内にある事が多い。いくつかの二次的資金援助機関の高い事務運営費に関しても不満が出された。諸経費は、合理的に設定され、できるだけ多くの資金が直接にサービスと政策提言に使われなければならない。資金協力者や二次的資金援助者には、自分の宗教の所属でもって、提供するサービスや教育を分け隔てするものもいる。アメリカ政府が、家族計画への資金の使用を制限したり、HIV予防プログラムで禁欲を強調する政策を取ることも、同様に、多くのサービス実施に関わっている人びとにとって問題である。

  • 情報伝達
    資金援助者とコミュニティのメンバーは、資金援助者と資金援助を受ける可能性のある人びととの間の情報交換をもっと密にすることを緊急の課題であるとした。資金援助者は、どの組織が、彼らが資金援助している地域のサービスをしているかの情報を必要としている。コミュニティグループは、どの資金援助者が、各地域内でのサービスに資金援助の関心を寄せているかについての情報を必要としている。資金申請を準備する訓練も必要である。

  • 能力の向上と持続
    プログラム資金を持続的に得る事ができない事について、多くの懸念が寄せられた。多くの参加者が、資金援助者が優先順位を勝手に変え、うまく行っているにもかかわらず、出資をやめることに不満の声をあげた。事務運営費も、しばしば、支払われない。事務運営費なしで、どうやって、プログラムが続けてやっていけるのか。また、プロジェクトスタッフのエイズ治療費を支払う必要が語られた。資金援助者はPHAの事業参加を促しているのだから、スタッフやボランティアを支え、かれらを生かし、健康に活動を続けさせるためにも治療が絶対に必要なのである。

  • 煩雑な運営要件
    資金申請手続きが余りに複雑であることに不満が述べられた。必要な人にサービスを提供しようとして忙殺されているのに、煩雑な資金申請を書く時間はない。報告要件もまた問題である。プロセスをもっと簡略化する方法が必要である。

▲このページのTOPへ

特定非営利活動法人アフリカ日本協議会 (Africa Japan Forum)

〒110-0015 東京都台東区東上野 1-20-6 丸幸ビル3階
TEL:03-3834-6902 FAX:03-3834-6903 E-mail:info@ajf.gr.jp

Englishプライバシー・ポリシーサイトマップお問い合わせ
Copyright© Africa Japan Forum. All Rights Reserved.