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エイズ・結核・マラリアと闘う世界基金キャンペーン

パリにて 林 達雄 2003年3月

欧州と米国のエイズ関係団体の会合に出席するため、パリに来ております。6月にフランスで開かれるエビアンG8サミットに向けて、『世界基金にもっとお金を』と呼びかけるための会合でした。

エイズ対策20年の試行錯誤の末、ようやく未来への方向が見えてきました。世界が個々バラバラにではなく、力を合わせるための仕組みがこの基金であると感じております。しかし、アフリカやアジアの感染者たちに希望を与えた基金も、そこにお金が入らなければ立ち枯れしてしまいます。私たち関係者から見ればとても大きな問題であるエイズ(感染症)も、世界の関心がイラクを中心とする戦争と平和の問題に集中する中、影が薄くなっていることも確かです。最大の資金拠出国である米国・日本は、援助を外交の切り札として使いたいため、世界基金のような世界協調路線の仕組みにお金を出し渋る傾向にあります。

今回パリで開かれた会合の呼びかけ人は、フランスのAIDESという団体、米国のHEALTH GAP、ACT UP、そこに世界エイズ会議、ICASOのリチャードが加わり、欧州各地、カナダ、日本から40名ほどの関係者が集まりました。ホストであるフランス、AIDESの代表・エレンは世界基金の理事でもあります。今回の会合で新鮮さを感じたことが幾つかあります。まずは、欧米・国内のエイズ団体が世界のエイズ問題の解決に向けて動き始めている点です。2番目として、ACT UPのような運動家がとても辛抱強く、参加者の合意を図ろう、多くの人々と協調して前に進もうと姿勢を見せた点です。3番目として、これは特に欧州とカナダで見られた点ですが、エイズ関係者が単独で行動するのではなく、平和や環境など他の分野と歩調を合わせて行動を始めている点です。(昨年カナダのG8サミットの際、カナダのエイズ団体は、14の分野の関係者と協力し、社会フォーラムを形成し、G8に訴えました。そのことをリチャードたちカナダの友人たちは誇りにしています。イタリアの関係者は、平和運動の行進のエイズの旗を持って合流しています。

これら先進諸国のエイズ関係者は、世界のエイズ問題に本気で取り組もうとしています。情報を集めるだけではなく、はっきりとした結果を得るために行動を始めました。だからこそ、これまでのやり方の限界を知り、エイズ社会の狭さを知り、限界を乗りこえるために力を合わせようとしています。日本もこの輪に加わりたいと考えます。

海外に出てくるとあらためて感じます。日本は今なお米国に次ぐ国際的影響力を持つ大国なのです。この国の動向によって、次の20年の世界のエイズ感染者の生死と生活は著しく変わります。一緒に考え、一緒に始めたいと思います。無力感を感ずる必要はありません。アフリカやアジア、欧米の友人たちが、力を貸してくれるからです。

今回の会合で決まったキャンペーンは6月初旬のフランス・エビアンサミットを中心とした3ヶ月程度のものです。しかし、さらに長期的な取り組みも視野に入れることになりました。日本では9月のアフリカ開発会議(東京)、11月のアジア太平洋エイズ会議(神戸)、来年のバンコク会議と、一連の行動を行いたいと考えています。リチャードやHEALTH GAPのシャロナンは基金を強調するために神戸に来ます。

4月5日に帰国します。直接、ご報告する機会を持ちたいと考えます。

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