Homeへ戻る特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会:Africa Japan Forum

アフリカに関わる活動を行っているNGOのデータベースおよびアフリカのエイズ問題に関するニュース・情報データベースです。
収録されたデータ更新の連絡、最新情報の紹介をAJF事務局あてにお願いします。
【2017年3月】アフリカに関わる活動を行っているNGOのデータベースを順次、更新しています。


AJFの活動

あなたの寄付がAJFの活動強化につながります
AJFへの寄付について
アフリカで活動するNGO一覧:
感染症研究会:
アフリカ関連情報(生存学ウェブサイト)

アンゴラ:HIV/AIDSへの取り組み始まる

ルアンダ、5月30日(IRIN)

月曜日午後3時。ルアンダ空港近くの雑然とくたびれ果てた建物の並ぶロカ・ピント(Rocha Pinto)の街は暑く、ほこりぽい。でも、チコズ・バー(Chico's Bar)の中は、暗くてひんやりとしている。落ち着いたキゾンバの曲(A soft kizomba)がかかっている。ティーンエイジの少女が一人、目を閉じて、静かに踊っている。

彼女は放心しているようだが、腰に引っかけたジーンズ、ピッチリと張り付いたシャツは彼女のしなやかな体をくっきりと見せている。バラバラにいくつかのテーブルに陣取った男たちが、ビールを飲みながら彼女を見ている。

この店へ、ヘルス・ワーカーのマリア(Maria da Conceicao)がやってきた。彼女は、ドレッド・ヘアーで腰に引っかけるジーンズをはいており、若くてトレンディーだ。彼女は店のオーナーにあいさつをし、踊っている少女や他の若い女性たちを呼び寄せた。彼女らは控え室からあくびをしならが出てきた。

「あなた、新人ね?」とマリアは踊っていた少女に声をかけた。「この本をまだ見てないわね」と続けた。女の子たちがくすくす笑っている中で、マリアは気持ち悪くなるような写真でいっぱいの本を取りだした。膿を出すペニス、傷ついた睾丸、腫れあがったヴァギナ、怖くなるような性器のカタログであった。

「客を取る時コンドームを使わないとこんなになるのよ」、びっくりしている新人の少女に、マリアは言った。女の子たちもうなずいた。「コンドームを使うのよ、わかった」とマリアは念を押した。

マリアは、アンゴラのNGO「子どもたちに友愛を、連帯と博愛」(FISH; Fraternidade para a Infancia, Solidariedade e Humanismo, in English "Fraternity for Children, Solidarity and Humanism")のメンバーとして、ルアンダのセックスワーカーを対象にしたピア・ツー・ピアの教育活動をしている。FISHほかいくつかのNGOが、アンゴラのエイズ危機が破局的状況を迎える前にくい止めようと活動している。

ここアンゴラにはHIV感染拡大の全ての要因が揃っている。400万の難民、武装し統制の利かない兵士たち、愕然とするほどの貧困、高い失業率、低い就学率、人であふれるムセックス(musseques、貧民街)、仕事のないたくさんの若い女性たち、彼女たちは教育を受けておらず、しかも唯一の資産である自分自身の体以外には稼ぐ手だてもない、そしてセックスには喜んでお金を支払うたくさんの男たち。

共同体は崩壊し、30年間の内戦で人びとの心は傷ついている。

「戦争がHIV/AIDSに拍車をかけるのです」、国連合同エイズ計画(UNAIDS)アドバイザーのダン・オダロ(Dan Odallo)は言う。「暴力があり、飢えていて、避難状態の時、セックスが食べ物、日用品、お金そして避難所に交換されるのです。セックスが商品になっているのです。」

アンゴラにおけるHIV感染率は8.6%と、20%を超える周辺諸国に比べればまだ高くない。1340万人の人口のうち50万人が感染者と見積もられている。

しかし、このデータは、子どもの問題を扱う国連機関であるユニセフが、18州のうち3州で行った調査によるもので、限界のあるものである。とはいえ、産院にチェックを受けた妊産婦のHIV感染が250%増加しているという、恐るべき実態を明らかにしている。

「この感染率の数字は変動が激しく、まだ多くのことがわかっていません」とユニセフのHIV/AIDSプログラム担当者であるメラニー・リュック博士は言う。

このユニセフのデータによると、ルアンダの産院、妊産婦の8.6%がHIVに、19%が梅毒に、そして6%がB型肝炎に感染しているという、驚くような結果が出ている。HIV感染率を高める性感染症の感染率の高さは、今後の問題の大きさを感じさせる。

首都ルアンダのセックスワーカーの中では、三分の一がHIV、また三分の一が梅毒、そして10人に2人がB型肝炎に感染している。

チコの店の女性たちは、どの客にもコンドームを使っている、と明言した。しかし、例外がある。武装警官と大統領警備隊だ。彼らは酔っぱらって乱入し、金を支払わない。しかもコンドームを使わず、もし女性たちが拒むと、暴行を加えて強姦していく。警察の保護がなくては店をやっていけないオーナーは、目の前で起こっていることに無表情で対応する。

地元の新聞は、政府系紙も含めて、しばしば酔っぱらった警官や兵士によって女性たちが強姦あるいは輪姦されたという記事を載せている。

首都があるフアンボ州では、ユニセフの支援を受けたアンゴラのNGO、UAJCAが州当局や軍と連携して、兵士たちや武装警官たちにエイズ予防キャンペーンを行っている。内戦が終結した現在、ユニセフは、反政府軍兵士55000人、反政府軍支配下にあった30万世帯にも、コンドーム、性感染症、HIV/AIDS情報を四つの民族語でキャンペーンする計画、またヘルス・ワーカーおよび軍隊の保健スタッフを訓練する計画を立てている。

南部のフイヤ州では、NGOであるPrazedorの青年ヘルス・ワーカーが長距離トラック・ドライバーを対象とした活動を始めている。この2月、反政府軍指導者ジョナス・サビンビが戦死し、アンゴラが休戦に入ったことで、道路を使った移動が可能になり、長距離トラック・ドライバーによるHIV感染拡大が懸念される今こそ、こうした活動が求められている。

「トラック・ドライバーたちは、ビックリするくらいHIV/AIDSについてオープンで情報を欲しがっている」と、リュック博士は言う。

フイヤ州はじめ三つの州で青年たちによって取り組まれているこれらの活動には、CNNの大立て者テッド・ターナーが年間1億ドルを拠出している国連財団の一つであるTelling the Story (TTS)が180万ドルを提供している。南部アフリカでは、この財団はHIV感染が広がる7カ国で青年たちの活動に資金を提供しており、国民10人のうち7人が24歳以下のアンゴラもその一国である。

「若者たちがHIVに感染することなく成人できるよう、予防の機会・手段を彼ら・彼女ら自身が提示しているのです」とオダロは説明した。

5月の終わりの暑い朝、ルアンダ近郊の人出でにぎわうカツェンガにあるマリー・ストープス病院に赤いロゴの入った白いTシャツを着た20数人の若者たちが集まった。

この町は、マリ人・セネガル人商人たちの倉庫があり、密輸、貨幣取引、麻薬取引などのセンターとなっている。毎日、これらの倉庫からルアンダ中の数千の女性の小物商たちが、商品を頭に載せて運び出している。これらの商品は、プラスチックの入れ物やジッパーから携帯電話機や金のシャンデリアにまでおよぶ。ここで商品を手に入れる手段の一つに倉庫の管理人とのセックスがある。

午前9時、マリー・ストープス病院に集まったメンバーは、家族計画、性感染症そしてエイズについて宣伝するために、カツェンガの市場に散っていった。

国家統計局の最近の調査によると、わずか8%の女性しか、HIV感染や予防についての適切な知識を持っていなかった。国の北部でも南部でもこれらについてはほとんど知られておらず、わずかに首都でのみ20%の女性がHIV感染を防ぐ三つの方法を知っていたにすぎない。

全国レベルでは、15歳から30歳までの女性の10人に6人がHIV感染防止方法を全く知らなかった。生殖年齢期の人びとの中でコンドーム使用はほとんどゼロであった。

マリー・ストープス病院のフェルナンダ・ルイス院長は、「若い人々は私たちの所へ不安と疑いを持ってやってきます。『コンドームのせいで不妊になるのでは?エイズなんて本当にあるの?』と言うのです。」まだごくわずかな人びとしか無償で行われているHIV抗体テストおよびカウンセリングを受けない。「私たちにはなすべきことがたくさんあります」と、ルイス院長は付け加えた。

▲このページのTOPへ

特定非営利活動法人アフリカ日本協議会 (Africa Japan Forum)

〒110-0015 東京都台東区東上野 1-20-6 丸幸ビル3階
TEL:03-3834-6902 FAX:03-3834-6903 E-mail:info@ajf.gr.jp

Englishプライバシー・ポリシーサイトマップお問い合わせ
Copyright© Africa Japan Forum. All Rights Reserved.