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アフリカ、エイズとの戦いを最優先課題に
ナイジェリア・サミット、充分な「軍資金」の必要性を強調

2001年6月に発行された国連アフリカ専門情報誌「Africa Renewal」エイズ問題特集号掲載記事です。

4月、アフリカ各国の指導者とコフィ・アナン国連事務総長は、HIV/AIDSや他の感染症と戦っていこうとするアフリカの決意を後押ししていくことを確認した。アナン事務総長が、病気との戦いに必要な資金を確保するための世界信託基金の設置を提案する(「医薬品価格の急激な値下がりが、エイズとの戦いを元気付ける」参照)一方で、アフリカの指導者達はエイズとの戦いを「最優先課題」としていくことを誓った。具体的には、国家予算の少なくとも15%を「保健セクター改善」のために割り当てることを誓約したのである。

「私は、設置される世界信託基金と私たちの努力で、行く手に待ち構える長期間に及ぶであろう戦いで必要とされる資金が調達できることを強く希望しています。」2001年4月24日から27日にかけてナイジェリアのアブジャで開催されたHIV/AIDSと他の感染症に関するアフリカ・サミットで、オバサンジョ・ナイジェリア大統領は、他の指導者を前にこう述べている。この会議は、アフリカ統一機構(OAU)が国連と共催したもので、2000年12月3日から7日にかけてエチオピアのアジスアベバで開かれた第2回アフリカ開発会議(アフリカ・リカバリー、2000年1月号)のフォローアップ会議である。

サリム・A・サリムOAU事務総長は、これに先立って、必要とされる資金を次のようにわかりやすく表現している。「エイズそして結核や他の感染症と戦うために、アフリカ各国は、エイズ対策に特に力点を置いて基礎保健プログラムを実施できるよう相当額の予算拡大を実現する必要があります。」そして、そのためには、「大規模な予算、名目的だったり、あるいは象徴的だったりすることのない、巨額の予算が継続的に必要なのです。」

アナン事務総長もこれに同意する。「エイズとの戦争に勝利するためには、今までの大きさをはるかに超えた軍資金が必要です。」聴衆からの拍手で、しばしば中断された演説の中で、彼はこう語った。彼は、エイズとの戦いには、世界中で年間70億ドルから100億ドルの資金が必要であるとした。「私たちが要求している金額は莫大なものです。しかし、私たちは、今自分たちが直面している問題の大きさを考えなければなりません。」

現在、HIVに感染している人は世界中で3600万人に及ぶ。そして、そのうちの70〜80%がアフリカの人達である。サミットに出席したビル・クリントン前米国大統領は、今やエイズはアフリカ大陸で起っているすべての戦闘による犠牲者をあわせたよりも多くの人命を奪っていることを、その演説の中で訴えた。

OAUは、アフリカでエイズと戦うために必要とされる資金を年間30〜40億ドルと見積もっている。しかし、現在アフリカ各国の政府が約束している金額はその約10%に過ぎない。「私たちは、資金をかき集めることに関し主たる責任は、アフリカ自身にあることを認識しなければなりません。」サリム事務総長はこのように述べた。

ポール・カガメ・ルワンダ大統領は、アフリカ各国がHIV/AIDSと戦うために特別な予算措置をとること、そしてもしできれば、そのようなプログラムのために、前もって一定の割合の予算を割り当てるようにすることを、指導者達に促した。該当国であれば、「債務削減措置で、得られた資金を回す事もできるだろう」とカガメ大統領は言う。

危機に瀕した大陸

早急な行動が必要とされていることを、サミット参加者に嫌が応でも認識させたのは、41歳のナイジェリア人女性ジョルジニア・アハメフレ(Georginia Ahamefule)さんであった。1995年にHIV陽性と診断された彼女は現在、結核を発病している。「私たち、アフリカの人々が、あなたがたが持っている最大の経済資産です。それなのに、今、私たちはゆっくりとしかし確実に、これらの二つの病によって、消え行こうとしているのです。」彼女は、HIV、結核、マラリアそして他の疾病に感染した何百万というアフリカ人を代表して、アフリカの指導者達に語りかけた。「もし、皆さんが今行動しなかったら、20年後この大陸はどうなっているのでしょうか。」

アハメフレさんは、自分の結核が治療可能なものであるとしたが、ナイジェリアでは必須医薬品の価格が高いために治療を継続していくことは容易ではない。「医師は、もし私が治療スケジュールに従わなかったり、あるいは治療を最後まで続けられなかったりしたら、耐性結核と呼ばれるほとんど治療の見込みのない結核を引き起こすかもしれないと忠告しています。それは、間違いなく死の宣告を2度受けるものです。」

ナイジェリアの少年活動家である、15歳のアバヨミ・マイティ(Abayomi Mighty)は、アフリカの指導者達に自分達の義務について思い起こさせた。「皆さんは、戦いが起った時、私たちに戦場に赴くよう命令します。選挙キャンペーンのためのラリーに参加するようにも命令します。今、私たちはHIV/AIDSと戦っていくために皆さんを必要としています。死にゆくのは私たちなのです。」

ナイジェリア大統領は、アフリカの将来が危ういことを認めた。「私たちにあるのは、手におえなくなったエイズ危機の事実です。そして、それは私たちの国、子供たち、そして未来を脅かしています。」オバサンジョ大統領は参加者に語りかけた。「私たちは危機に瀕した大陸なのです。」

サミット期間中、指導者達に対して行われた情熱のこもった訴えを考えれば、アブジャ宣言の採択は、指導者達ができる最低限のことであろう。「我々は、我々の国々におけるHIVの急激な感染拡大、そしてエイズ、結核、他の感染症によって引き起こされる何百万という死について、深い懸念を表明するものである」、彼らはこう宣言した。そして、さらに「疾病への対策に真剣に奔走している我々の努力にも関わらず」これらの死が発生していることを加えた。

サミットの最後に採択された活動の枠組みの中で、指導者達はHIV、結核および他の感染症の感染率を「押え込み、減少させる」ための活動の優先分野と戦略を決定した。そして、病気との戦いに社会全体を巻き込んでいくためには、国家、地域そして大陸の各レベルでの指導力が必要とされていることを強調すると共に、情報、教育、報道、人権保護の各分野での改善を呼びかけた。

前進と挑戦

サミットの期間中、いくつかの喜ばしいニュースが届けられた。とても、小さな喜びではあるが。マラリアとエイズの治療法についての研究で前進があったことが報告されたのだ。世界保健機関(WHO)が、マラリアに感染した子供を治療するための新たな医薬品を開発したと発表したのである。その発表によると、アフリカにこの薬が紹介されれば、マラリアで死亡する子供の数が毎年10万人減少すると言う。現在、サハラ以南アフリカ諸国で、この病気で死亡する人達は、毎年百万人にのぼる。

中国の薬草artemisia annuaから抽出されて作られたこの薬は、Artesunateと名づけられている。直腸注入の抗マラリア薬として開発され、注入後直ちに吸収される。この薬は病気の進行を食い止めるため、「患者は意識を回復して、診療所まで出かけ、経口マラリア薬によるより確かな治療を受ける事が出来るようになる」とWHOは発表の中で述べた。

WHOは、また、1年前にやはりアブジャでアフリカの指導者達によって開始されたマラリアへの反撃(Roll Back Malaria)キャンペーンの1周年を記念して、この日をアフリカ・マラリアの日に指定した。このキャンペーンには、WHO、国連児童基金、国連開発計画そして世界銀行が参加しており、2010年までにマラリアの発生数を半分にすることを目標としている。マラリア汚染地域にある多くのアフリカの国々が、現在、マラリア対策プログラムを実施している。ナイジェリアでは、「普及をはかり、購入しやすくするために」蚊帳にかかる税金や関税を引き下げたとWHOは述べた。

HIV感染を予防したり、あるいは完治させたりするワクチンは存在していないが、国際エイズ・ワクチン研究所(IAVI)は、アフリカを対象に5つの予防ワクチンを開発中であることを発表した。IAVI総裁のセス・バークレーは、ケニアのナイロビで、既にこの3月から予防ワクチンの臨床実験を開始していること、そして、1年をかけて実験を行うことを語っている。しかし、彼は、開発がもっともうまく行った場合でも、ワクチンが普及するのは7年後であると説明している。

オバサンジョ大統領は、ナイジェリア政府が、インドから輸入した廉価な抗レトロウィルス薬を1万人のエイズ患者に投与するパイロット・プロジェクトを開始したことを発表した。

これらの前進にもかかわらず、道のりは遠い。「自分達をごまかすのは止めましょう。HIV/AIDSはまさしくここにあるのです。」国連エイズ合同計画ピーター・ピオット事務局長はこう述べる。「だから、私たちは、今後を見据えたキャパシティの構築と共に、現在のための緊急行動を始めなければならないのです。」

汚名・恥辱からの決別

サミットにより、1歩の前進がもたらされた。それは、新たな感染を防ぐための戦いにおいてばかりではない。エイズにまつわる沈黙、汚名といった輪を打ち破ることにおいてでもある。サミットに参加した幾人かのHIV陽性者は、この問題に実体を与えた。この病気にまつわる社会的な汚名のために、感染者の多くは、自分達の感染を公表しないし、その他の人達はHIV抗体テストを受けに行くことさえしない。

「私たちは、皆長い道程を歩いてきました。ウィルスと共に生き、多くの節目を通り過ぎました。衝撃、恐怖、不確かさ、否定、罪悪感、恥辱、非難、そしてもちろん希望といった節目です。」ナイジェリア人の活動家で、HIV陽性者を代表して発言した一人であるモハメド・ファルク・アウワル(Mohammed Farouk Auwalu)氏はこう語りかけた。

「この病気の感染が広がり始めてからの長い歳月、そして科学の発達にも関わらず、未だにこの病気にまつわる汚名や、差別はひどいものです。」軍情報機関の将校であったアウワル氏はこう語る。「子供にだって、容赦ありません。」

アハメフレさんのケースは典型的である。彼女の雇用者は、彼女の同意なしにテストを行った。そして、陽性であることがわかると、解雇したのである。憤慨した彼女は、裁判所にこの件を持ち込んだ。しかし、裁判所は彼女の訴えを認めなかった。そして、彼女は控訴裁判所に提訴し、現在この件は係争中である。

22歳の看護学校生で、HIVに感染しているインカ・ジェゲデ(Yinka Jegede)さんも同様の経験をしている。学校経営陣は、HIVに感染していることを彼女が公表することに不快感を示した。その結果、学校は、しばらくの間彼女を停学処分にしたのである。今、彼女は、卒業するために余分に一年間学校に通わなくてはならない。会議の冒頭に開かれた閣僚級会合で彼女はHIV陽性者への態度を変えていく事を要求した。「私たちの権利は完全に認められなければなりません。」彼女は、また、エイズに関する国家政策策定の場にHIV陽性者が参加できるようにすべきであること、HIV陽性者の指導的役割を認めることを各政府に求めたのである。

参加者達は、HIV陽性者達が、この状況を打破するために演ずるべき役割があることを認めた。「元首は、沈黙を打ち破るためのイニシアチブを自らとる必要あります。そして、人々がエイズについて話し合う事ができるようにしなければなりません。」クリントン前大統領はこう発言した。

計画とパートナーシップ

エイズとの戦いの中で、お金は重要である。しかし、行動計画がないならば、アフリカ各国が、前進できるチャンスはほとんどないだろう。計画策定の際は、それを「重点分野」とすることが大切であると、カガメ・ルワンダ大統領は述べている。「これは、今後長期間にわたって、私たちが共に生きていかねばならない問題です。」彼は、他の指導者達に対して、「短期的な対策」に頼ることのないようにと語りかけた。

指導者達もこの点を理解している。「我々は、エイズ、結核、そして他の感染症の感染拡大を食い止め、感染率を減少に転じさせることが、21世紀の最初の四半世紀における最重要課題であることを完全に認識している。」アブジャ宣言ではこう述べられている。

国家計画の策定にあたっては、エイズとの戦いで中心となるのがアフリカ各国であることが明確にされなければならない、と発言者は主張する。更に、国内の資源を動員し、そのコミットメントを確保することは、各国の政治的意志を明らかにするものと言える。そして、この事が、エイズとの戦いに勝利するために最も重要な鍵であることを、ほとんどの参加者が同意している。

言い換えれば、このような行動は、アフリカ各国がこの戦いに真摯であることを国際社会に納得させ、国際社会とアフリカ大陸との間でより強力なパートナーシップを構築していくための基礎となるだろう。「目の前の道はたった一つしかありません。それは、パートナーシップ構築の道なのです。」ピオット事務局長はそう語った。

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