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アフリカ諸国の対応能力は大きい
アフリカ諸国のHIV/AIDSに関する国連特使、スティーブン・ルイス氏へのインタビュー

2001年6月に発行された国連アフリカ専門情報誌「Africa Renewal」エイズ問題特集号掲載記事です。

6月1日、カナダの前国連大使であるスティーブン・ルイス氏が、コフィ・アナン国連事務総長からアフリカ諸国のHIV/AIDSに関する国連特使に任命された。6月半ば、この率直な外交官はアフリカ・リカバリーのインタビューに応じ、自らの仕事はアブジャ・サミットでアフリカ諸国の首脳たちが表明したエイズに対する闘いへのアナン事務総長自身の関与を表明することにある、と語った。

アフリカにおけるエイズ危機について、ルイス特使は、何人ものアフリカ諸国首脳同様、「世界は恐るべき無責任さで放置してきた」と語った。1990年代の終わりに至っても、「多くのHIV感染者は見捨てられており、感染者たちの暮らす国々は大変な困難に陥っていた。世界中があえて踏み込もうとせず、誰しもが、この件については沈黙を保っている間に、我々の周囲全てで、この世界的な感染拡大は大災害を引き起こし始めていた。」と言うのである。

この64歳の外交官は、長年に渡ってアフリカの諸問題に関わってきている。1986年の国連アフリカ特別総会の準備・運営に関わり、1995年から99年にかけては国連児童基金の事務局次長を務め、一方で、1994年のルワンダ大虐殺にあたってアフリカ統一機構(OAU)が組織した調査団の一員も務めた。彼の主要な任務は、アブジャでかかげられた公約をアフリカ諸国の首脳たちと共同して実現することであるが、同時に、アフリカに関わる援助国・援助機関、民間部門のリーダーたちそして多国籍機関と連携を取っていくことにもなっている。

切迫感漂う

ルイス特使は語る。「幸いなことに、この4カ月から6カ月で全ての雰囲気がびっくりするほど変わりました。今では、紛れもなく切迫している、非常事態だという認識があります。今年初めから起きているのは、圧倒的な危機意識の高まりであり、またアフリカ諸国首脳が指導力を発揮すべきだという決意の形成なのです。今では、誰もエイズについて語ることを躊躇していません。」 ]

もう一つの決定的な出来事は、南アフリカの薬価低減の試みに法廷での闘争を挑み、この4月その提訴を取り下げることを強いられた大手製薬会社の劇的な方針転換と、それによって実現した途上国でのエイズ治療薬価格の急落である、と彼は語った。「製薬業界は、世界的に広がった激しい怒りに気づき、全ての人びとに関わる災難に関わりあることを認識して、特別な方針決定でやり方を変えました。それで、雪だるま式にある会社に別の会社がそれに続く形で、薬の値段を下げ、無償での供与を拡大し、ウガンダやボツワナでは病院を建設する費用も提供する、という状況になったのです。この状況の変化には、事務総長自身も自ら積極的に関わってきています。」

三つ目の心強い変化は、基金拠出です、と彼は続けた。事務総長が提唱した、途上国でのエイズ・マラリア・結核との闘いへの新たな資金拠出源として最終的には年間70億ドルから100億ドルを運用することを目指す世界エイズ保健基金は、「既存のシステムに衝撃を及ぼしている」。当初の拠出表明が4億5000万ドルであり、今後、基金拠出の増加を目指さなければならないことを、ルイス特使は認めた。

「しかし実現可能なことなのです。資金が集まれば集まるほど、大きな変化につながります。今、私たちはアフリカにおけるHIV感染拡大を押しとどめ、さらには感染を徐々に縮小へと押し戻していく瀬戸際にいるのです。」

ジェンダーそして借款供与をめぐる諸問題

ルイス特使は強調した。全ての取り組みを支えるのは、アフリカにおけるエイズ危機の見通しとあり方に関する理解が急速に広がり深まったことです。特に重要なのは、ジェンダー抑圧と関わっていることが理解されたことです。「やっと世界中が、アフリカにおいてはジェンダー抑圧とHIV感染拡大が関わっていることを理解したようです。女性がもっとも危険にさらされている、だから女性の社会的・文化的平等を実現するために何かをしなくてはならない、という認識がなければ、現在のエイズ危機を克服することはできないのです。これがこの危機全体の基本的なカギなのです。男たちが振る舞い・行動を変えなかったために、いずれにせよ女たちは男たちを撃退することのできる力量を身につけることを迫られたのです。」

ルイス特使が見るところでは、数十年に渡ってアフリカの人々の健康と教育を損なう政策を採ってきた国際金融機関の行動も、変わることを求められている。ルイス特使は、世界銀行ほかの国際金融機関によるエイズ対策への資金供与を「見るに忍びない」と表した。これらの金融機関が過去の政策の誤りを検討し始めたことは確かだが、ルイス特使は「過去の誤りが一掃されるのでなければ、納得いかない」と語る。

「先進国においてはすでに何年も使われている抗レトロウイルス薬によってHIV感染者の延命が実現しているというのに、アフリカでは1700万人が死亡し、2500万人がHIVに感染しているのを見ると、(金融機関の方針転換は)余りにも遅いのです」、と彼は言う。「やっと今になってアフリカでも抗レトロウイルス薬での治療を始めようとしているなんて、とても受け入れがたい、何とも弁解のしようもないダブル・スタンダードが存在してきたのです。アフリカのHIV陽性者も、西側諸国の人々同様、生きる権利を持っているのです。」一方で、彼は、患者に薬を届けることがと感染予防努力とが秤に掛けられてはいけない、「感染予防努力こそがすべての出発点なのです」と強調した。

アフリカ自身の力を動員する

6月、ルイス特使はボツワナに行きフェツス・モガエ大統領(President Festus Mogae)、国連当局者、HIV/AIDSに取り組むCBO(community-based organization)メンバーと面談した。ボツワナは世界で最もHIV感染率の高い国である。2002年初めに、ボツワナは30万人のHIV陽性者に対して抗レトロウイルス薬の使用も含む大規模な治療努力を開始しようとしている。「モガエ大統領は国家の生死を賭けて戦っているのです」とルイス特使は語る。

このボツワナの治療の試みは、アフリカではHIV感染者の治療は不可能で感染予防だけが実施可能だとする北側の人びとアフリカへの不信への挑戦でもある。「この試みが成功し、人びとが体調を取り戻し、健康そうに感じられ、体重も増え、そして再び生産に寄与することができるようなれば、間違いなく周辺諸国へインパクトを与えるだけでなくアフリカ大陸を見る眼自体が変える力をもつ。」

ルイス特使は言う。ボツワナで最も彼の感銘に残ったのは、普通の人びとの意識と状況を変えようと言う決意だ。「大衆的な参加意識は、行けば判る。すごいものがある。ここに希望がある。これがアフリカの力なんだ。治療が実現し感染予防が実を結び普段いる場所でのケアが充実していけば、この巨大な人的資源を活用することができる。それが可能だと確信できる。今は、食べる物がなく、毛布がなく、配るための薬もない。しかし、人びとが秘めている力はすごいんだ!」

彼は強調する。「カギは女性たちだ。物事を動かすのはいつだって村々の女性たちなんだ。」危機意識が共有され、治療とそれを支える資金供与が実現した時、国連の果たすべき役割は、エイズとの闘いの中で国際社会とこの村々の女性たちを結びつけることなのだ、というのがルイス特使の結論である。「事務総長のために果たすべき私の役割は、この結びつきが実現するよう導くことなのです。」

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