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ウガンダ、エイズを撃退
前進のかぎは指導力、教育、そして開かれた対応

2001年6月に発行された国連アフリカ専門情報誌「Africa Renewal」エイズ問題特集号掲載記事です。

文 Fred Kirungi、カンパラ

ウガンダでは1993年以降、HIV感染率が目覚しく低下している。保健省(the Ministry of Health)のエイズ・コントロール・プログラム(ACP)による最近の統計によると、妊婦のHIV感染率は1898年の24%から、1992年の30%と上昇しているものの、1999年までには10%にまで低下している。ウガンダ最先端の病院ムラゴ(Mulago)では、性感染症(STDs)患者のHIV感染率は、1989年の44.2%から1999年の23%と低下している。

この成功には4つのかぎがあると、ACP副マネージャーであるヨシュウア・ムシングジ博士(Dr. Joshua Musinguzi)は言う。エイズ対策に政府が幹部を先頭に対応をとったこと、HIV感染の実態を公開したこと、社会のあらゆる階層が取り組みに参加したこと、そして政府が地方分散型の政策を採ったこと。ヨウェリ・ムセベニ大統領ですら「早い段階でエイズ対策に動き出し、他の政治的指導者たちにも追随するよう促した」と、ムシングジ博士は『アフリカ・リカバリー』誌に語った。

ウガンダにおけるエイズの状況

HIV陽性者(1999年) 82万3000人
HIV陽性 女性(15-49歳) 42万人
HIV陽性 男性(15-49歳) 35万人
HIV陽性 子供 5万3000人
成人のHIV感染率 8.3%
AIDSによる推定死亡者数(1999年累計) 11万人
片親、あるいは両親を亡くした子供 170万人

資料:『国別 アフリカにおけるエイズの状況 2000年』(国連エイズ計画、国連アフリカ経済委員会)

明確な意志を持った出発

1986年、ムセベニ大統領がその職に就いた同じ年、政府は反HIV/AIDS運動の先頭を切る目的でACPに着手した。ムシングジ博士によると、このプログラムの趣旨は、HIV感染拡大を防ぎ、HIV陽性者およびその家族をケアするための仕組みを打ち立て、そしてエイズ被害拡大を食い止めるに足る力を養うことにあった。「このプログラムの主力となるのは、情報、教育、そして報道である。この問題に国民の目を向けさせ、意識を高めることによって、人々の行動を変えていくよう働きかけなくてはならなかった」と、ムシングジ博士は語る。

このACPによるHIV感染防止呼びかけの中心は、禁欲、配偶者への忠誠、そしてコンドームの使用であった。「現在コンドームの使用は増えており、その場限りの性行為の数は減少してきている」とムシングジ博士は言う。

昨年ACPのもとだけでも8000万個のコンドームが配布され、その数は今年1億2000万個に増やされる見込みだ。ちなみに、1990年に配布されたコンドームの数は400万個にすぎなかった。2000年6月の報告によると、ウガンダ全土でのコンドームの使用は増加傾向にある。カンパラでは1998年、調査対象者の51%がコンドームを使用しており、この割合は1995年には42%であった。また同報告書によると、決まった相手以外との性交渉の割合も、1995年の14.1%から1998年の13.7%と、わずかではあるが減少している。しかしながら、決まった相手以外との性交渉でコンドームを使用する割合は、58%から76%と著しく増加している。

地域評議会

ムシングジ博士によると、ACPはラジオやテレビ、新聞を通じて情報普及キャンペーンを行い、チラシやポスターを配布し、そして国中に掲示板を掲げたという。しかしながら特に地方など、こうした媒体が届く範囲は限られており、このプログラムもまた既存の行政機関や社会制度を利用した。

「ACPが特に地域評議会(Local Council, LC)制度を利用したのは、反エイズ運動の主旨をすべての村々に行き渡らせるためだけでなく、この運動が一番低いレベルで進められ、実施されていることを明らかにするためでもあった」と氏は話す。

LC制度は、村レベルから地区レベルまでの階層的行政構造をとっている。それぞれのレベルには、選出された9名のメンバーからなる管理委員会があり、そのなかにはそれぞれ保健、女性、そして青少年を担当する事務官が含まれている。ACPは、地区レベルの、そして場合によっては郡レベルのLCの役人を養成し、この役人たちは同様に、エイズ関連問題についてより下のレベルの役人たちを教育する。「こうした方法を採ることで、地方の役人が、エイズ問題と取り組むために独自の政策を作りあげ、それを実行に移していけるよう後押しした」とムシングジ博士は話す。

村ごとに行われるエイズ関連活動に対して、政府から直接資金援助があったわけではないが、LCの委員会は、情報源となるチラシやコンドーム、時にはHIV抗体テストといったかたちで援助を受けていた。政府が地方分散型の政策を採用した1996年以降、税収入の65%が郡レベルに割り当てられ、そのうちのいくらかが反エイズ活動に注がれている。

加えてACPは、劇団や学校、教会、モスク、そして地域団体を使って、反エイズ・キャンペーンを広めようとした。「エイズについて公開しているからこそ、エイズ問題に挑んでいくことが、全国民の関心事となった。教会やモスク、学校、軍隊、そして民間企業までもがそれぞれ独自のプログラムを作り、この問題に取り組んでいる」と氏は話す。

汚名との戦い

ムシングジ博士によると、エイズの実態を公開することもまた、この不幸な事態にまつわる汚名を払拭し、HIV陽性者がこの戦いに参加できるよう背中を押す役割を果たしてきたという。そうした団体のひとつ、ブオロメラ開発協会(Buwolomera Development Association; BUDEA)は2000年10月、首都カンパラの東に120キロほど行ったところにあるIganga地区に設立された。55名のメンバーすべてがHIV陽性者であり、うち43名が女性である。

この協会を設立した目的は、互いを支えあうことだけでなく、地域社会におけるほかの感染者が、その運命を少しでも避けることができるよう手助けをすることにもあると、フローレンス・クムンフユさん(Ms. Florence Kumunhyu)は話す。「お互いを訪問しあい、物質的、精神的に支えあうのです。全員が感染者であるため、お互いの抱える問題や、この災いの危険性について、誰よりも理解しあえるのです」と、クムンフユさん(Kumunhyu)はそう語る。

BUDEAのメンバーは、学校や教会、モスクを訪問し、HIV感染拡大を防ぐために講演をしている。また彼らは家々を戸別に訪問するという運動も展開している。「みんな感染者に対して真剣な態度を示してくれます。HIV感染を食い止めるための戦いの中で、私たちの立場は弱点であるというよりも、むしろ有利に働いているのです」クムンフユさんと言っている。

BUDEAのメンバーは外からの援助は一切受けておらず、教育や在宅医療活動のための資金はメンバーの尽力に頼るのみである。「私たちは鶏を飼育し、農作物を育て、工芸品を作って資金を調達しています」クムンフユさんはそう説明した。

社会全体の共同活動

もともとBUDEAのメンバーは、より大規模な非政府組織である総合開発とエイズ対策を目指す活動(Integrated Development Activities and AIDS Concern; IDAAC)に属していた。10年前に組織されたこのNGOは、ウガンダ東部の3つの地区で活動している。

「われわれは村々を訪ね、HIV抗体テストを受けるよう勧めてきた。メンバーになった者には、在宅医療のための支援とカウンセリングを提供してきた」IDAACのプログラム マネージャー、ジャクソン・ムテーバ師(Rev. Jackson Muteeba)はそう話す。しかしながらメンバーが増えるにつれ、このようなサービスを提供していくことが困難になった。「そこで、地域協会を設立し、メンバー同士が支えあうことができるよう後押しした。相互支援という方法は、家庭という最も下のレベルから適用されれば、より効果的で、しかもより継続可能なのだ」とムテーバ師は言う。4,500名を超えるHIV陽性者が登録するこの団体は、そのメンバーである協会には教育やアドバイスの提供といったサービスを行っている。現在ウガンダには、HIV活動にかかわるNGOや地域組織が1,500以上存在する。

「もともと社会の異なる活動分野がかかわっていたからこそ、全てのエイズに関わる活動をまとめる目的で1992年、ウガンダ・エイズ委員会(Uganda AIDS Commission; UAC)が設立されることになった」ムシングジ博士は言明した。UACエイズ研究・政策開発の責任者であるジョン・ルオムシャーナ博士(Dr. John Rwomushana)は次のように説明した。委員会が1993年に採用した全セクター的取り組みのもと、反エイズ活動は広がりを見せ、活動対象も貧困や非識字、児童虐待、そして多妻婚や妻相続といった文化的風習にまで及んだ。これらの問題によって、人々はよりHIV感染にさらされやすくなるのだ。

UACによると、結局のところこの5年間で、エイズ関連活動に必要な費用は1億8100万ドルになる見通しだ。政府は6,000万から8,800万ドルの費用を割くことになっており、不足分はNGOや資金援助機関によってまかなわれることが期待されている。

複雑な文化事情

ルオムシャーナ博士は次のように語った。「われわれの教育運動が取り組んでいたのは、エイズ問題や保健関連事業だけでなく、一触即発ともいえる文化的風習にまで及んでいた。HIV感染防止は、ウガンダの公的教育や貧困をなくしていく政策においても不可欠な要素になっていた」

ルオムシャーナ博士によると、もっとも大きな試みのひとつは、文化的・宗教的に敏感な部分に動揺を与えることなく、いかにエイズや危険な行為に対抗する行動を起こしていくかということだ。氏はさらに次のように述べた。「われわれは、異なる社会集団や宗教団体間の衝突を避けるような包括策を採っている。このことは、ウガンダ・エイズ委員会の議長ハルム・イマナ(Halem Imana)が、もとカトリック司教であったことからも明らかである」

特に問題となった政策のひとつは、コンドームの使用促進とその配布であった。多くの宗教団体がこの政策に反対し、当初ACPやUACに対し、この政策を無理強いしないよう圧力をかけてきた。現在では、この問題は解決に向かっているとルオムシャーナ博士は言う。

また氏は次のように言及した。「HIV感染を避ける手段として、道徳性を説く団体にはその団体にあった方法をすすめつつ、しかしながら、容認しがたい方法をすすめていることになる、その他の団体をないがしろにするようなことがあってはならない」

大いなる挑戦

これらすべての成果にもかかわらず、特に増え続けるエイズ遺児の問題など、これから立ち向かっていかなくてはならない深刻な問題が残されている。UACによると、エイズで片親もしくは両親をなくした子供が、ウガンダには190万人いる。「尽力すべきは、こうした子供たちに住居や食料、教育を提供していくことである」そう話すルオムシャーナ博士は、エイズ遺児問題に取り組むための国家政策を組織化する役割を担っている。

ムシングジ博士によると、もうひとつの大きな試みとして、かなり高いHIV感染率を示す、15歳から19歳の少女たちの感染を減らしていくことがあげられる。2001年3月のUACの報告によると、少女は同じ年齢の少年より、6倍もHIVに感染しやすいことがわかっている。「やさしいおじさん(sugar daddy)」症候群がこうした状況の原因であると、ムシングジ博士は見ている。つまり、年配の、比較的裕福な男性が少女たちを性的関係に誘い込むのだ。「少女たちを学校に入学させ、授業を継続的に受けさせ、それによってこうした男性の誘惑に負けないだけの技術を身につけさせるような、幅の広い取り組みが必要だ」ムシングジ博士は言う。

少女たちに焦点をあてた無料の月刊誌、『本音を語ろう(Straight Talk)』誌の編集者であるアン・アキア・シドラーさん(Ms Anne Akia Sydler)もこの意見に賛成だ。「少女たちがいとも簡単に“やさしいおじさん”の餌食に身を落としてしまうのは、自分に有利な駆け引きができるだけの力がまったく身についていないからです。『Straight Talk』誌は、こうした少女たちが、駆け引きや意思表示できるだけの技術を身につけられるよう力を尽くしているのです」彼女はそう話す。

ルオムシャーナ博士は、こうした試みにくじけることがあっても、いつかは乗り越えることができると信じて疑わない。「全ての人々がかかわっていくことで、われわれはなんとか感染率を低下させてきている。独り善がりなどない。状況は改善に向かう以外ないのだ」

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