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アフリカのHIV陽性者に治療の機会を!!

世界貿易機関(WTO)に『薬の特許』見直しを求める署名の呼びかけ
アフリカのHIV陽性者たちと出会い、昨日帰国した 林 達雄

本人が自分自身のありのままの状態を受け入れること。それが、問題を抱えながらも生き、生活してゆく出発点である。エイズという病気はその手助けをするカウンセラーを多く育ててきた。感染者自身がカウンセリングを学び、次の感染者たちが前向きに生きることを支えてゆく。そんな支え合う文化を生み出してきた。目覚めた感染者たちは、自分自身の体験をスラムや学校で若者たちに語る。それは最もインパクトの強い予防啓発活動である。感染者を支え、その体験を語ってもらい、次の世代のために生かすことが最も有効なエイズ対策だ。そのことを人類は過去20年間のエイズとの格闘の中で学んできた。

しかし、問題があまりに過酷すぎると、それを受け入れることは難くなり、問題を避け、口を閉ざすようになる。今のアフリカがそんな状態である。多くの女性たちは妊産婦検診の際、感染していることを知らされる。その子供が育ち、成人するまで自分が生きられないことを知る。10年前だったら親戚の誰かが自分に代わって子供を育ててくれた。しかし、都市化、核家族化が進んだ今では、自分が死ねば、子供は路頭に迷う。多くの労働者たちは、会社での定期検診の結果が陽性だとわかった途端に首になる。それは、家族全体が明日から飢えにさらされることを意味している。問題が幾重にも重なるアフリカでは、『病気』は本人の死刑宣告にとどまらない。家族全体の絶望を意味している。

そんな状態で受けとめ、語れといっても無理な話だ。ひっそりと口を閉ざしたなか、アフリカのエイズは静かに広がる。せっかくの経験の語り手やカウンセラーたちも、ひとり、またひとりと死んでゆく。

こうした絶望の循環にも終止符を打つ手はある。感染者を治療し、死ななくてもすむようにすることである。治療法が進歩し、日本を含む先進国では、エイズは感染しても、健康な人と同様に生き続けることができる病気になりつつある。しかし、この科学の成果は、感染者の7割が暮らすアフリカには届いていない。 米国を中心とする国際社会が届けようという意志を持って来なかったからである。

産業開発を促進する手法として『特許』というやり方がある。独占を招く危険があるという理由で、医療などの公共性の強い分野には不向きであると言われてきた手法である。これを米国は医薬品の開発に使い、世界貿易機関の国際協定に盛り込んだ。自国製の治療薬を作り、値段を下げ、感染者に供給したブラジルやタイに政治的圧力(経済制裁)をかけてきた。しかし、過去一年間、この問題を認識した感染者やNGOが『特許』を緩和させる運動をおこし、EU諸国を含む国債世論がこれに連動しはじめた。特許法をめぐる南アフリカでの法廷闘争、ケニアの法改正時に感染者側が勝利した。国連関係者を仰天させる結果であった。そして、11月9日から開かれる世界貿易機関の閣僚会議では、ブラジルを中心とする50の途上国から国際協定の見直しが動議される。これは世界のエイズ関係者の決戦の場である。

この会議で医薬品に関する特許の緩和が決定されれば、エイズ治療薬の値段は現行の10分の1程度までさがる。無論その値段でも貧しい感染者の手には届かない。しかし、それはエイズ治療費をただにする医療制度を可能にする。

たとえばタイでは国民の医療負担を0もしくは最小限にする新しい医療制度が成立しつつあるが、この制度にエイズ治療薬を含めることが可能になる。また、世界の結核対策では『感染者を治療し尽くすことこそが最も効率のよい予防である』として、患者の経費負担をただにする手法が確立し、成功をおさめている。エイズ治療薬の値段が特許の見直しによって下がれば、エイズにこの手法が導入される可能性が高まる。世界保健機関(WHO)はすでにその準備を始めている。

アフリカのエイズをこの目で確かめ、昨日帰ってきた。2500万の感染者、1000万を超え、さらに増え続ける孤児たち。偏見、貧困、失業、食糧難。それらの困難の中でも、助け合い、子供を守ろうとする母親たち。ケニアの法改正の際、5日間で5万人の署名を集めたのは彼女たちだという。その彼女たちを応援する道は私たちにも開かれている。

『治療』への道は、一見、困難に見えて、最も現実的な解決策である。薬はすでにあって、あるところから、必要とするところに届けさえすればよいのだから。そして、その道は、世界からの署名によって開かれる。貿易やビジネスの上での取り決めは、意外なほど国際世論に左右される。そのことは過去一年間の南アフリカやケニアでの実績で証明されている。

残念ながら今回の会議まで後10日しかない。残念ながら、今回の会議では中立が予想されていた日本、カナダ、スイスの政府が米国側につくことを表明している。しかし、日本に暮らす私たちが、アフリカの感染者の治療に協力できる初めての機会である。この機会を逃したくない。私たちの1つ1つの署名という意志表明が、アフリカの人々の生きる希望につながるからだ。


署名は下記のサイトでお願いします。
http://oxfam.org.uk/e-campaigns/unclesam/uspetition.html
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