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カイロ宣言とルワンダ情勢

AJFは、季刊の会報「アフリカNOW」を発行しています。AJFの活動紹介にとどまらず、アフリカに関する最新情報を伝える、日本で出会えるアフリカを紹介する内容の記事を掲載しています。

【アフリカNOW No.16(1995年発行)掲載】

アフリカ平和再建委員会
事務局長 中野 智之

昨年、虐殺や内戦、難民キャンプでのコレラの蔓延と難民キャンプへの自衛隊の派兵等、様々な形で取り上げられたルワンダ問題も、最近ではほとんど取り上げられなくなった。しかし、当然のことであるが、日本で報道されようがされまいが、事態は進展している。最近ルワンダに関する動きとして最も注目に値するのが、11月29日カイロにおいてザイール、ウガンダ、ブルンジそしてルワンダの各国大統領が一堂に会したカイロ会議であろう。アフリカ平和再建委員会では、その会議の中で採択されたカイロ宣言の全文を入手した。ここでは、その一部を抜粋して紹介するとともに、私たちアフリカ平和再建委員会のカウンターパートであるルワンダNGOフォーラム(FORWA)のカニーゼス代表から送られた最新のルワンダ情勢についても触れていきたい。

 カイロ宣言は冒頭、会議開催の理由として、「長期化する緊張関係や治安の悪化、また最近発生した大湖地域での虐殺、さらにはそうした諸問題が民主主義の発展や経済開発へ及ぼす悪影響に深く憂慮した」ことを挙げている。その上で、「各国首脳及び代表団は、アフリカ主導で行われたこの会合の中で、大湖地域の平和、正義、再融和、安定及び開発を押し進めるための具体的な行動を共同で起こすことを誓う」としている。
 また、ルワンダブルンジの問題の背景について、カイロ宣言は、「植民地主義の負の遺産と恐怖や、いらだち、嫌悪をあおり、ひいては虐殺へと追いやった排他主義のイデオロギーを信奉する地方の日和見主義者達の問題が相乗効果となって現れた帰結」と分析し、国際社会に対する要望として、カイロ宣言は「征服及び権力の独占のための争いにおいて使われた、民族的また政治的な虐殺というイデオロギーを厳しく非難すること」を要求している。
 続いて、カイロ宣言は、「さらなる虐殺を防ぐこと」「1994年にルワンダで起きた悲劇的な虐殺に対して裁判を行った上で、国民再融和を達成すること」、「難民の帰還を促進すること」を決意したうえで、以下に述べる15項目の具体的な行動指針を決定したとする。以下その15項目の要旨を述べる。

A.各国首脳及び代表団は1994年にルワンダで発生した虐殺、及び過去に発生した大 量殺人、また、自己の目的追求のために使われた虐殺のイデオロギーを非難する。
B.各国首脳及び代表団は、それぞれの国の領土が武装グループによって他国への侵略や攻撃のため軍事拠点として使われないことを誓 う。また、各国首脳及び代表団はそうした行為の容疑者や、予期される侵略、また他の国への攻撃に関して、全ての情報を事前に提 供することにより、協力することに合意する。
C.難民の受け入れ国は、帰還を望む難民に対する脅迫を削減するために具体的な行動をとることを誓う。
D.各国首脳及び代表団は、軍事訓練及び民兵やその他の難民グループに対する武器の供給を防ぐことで合意した。
E.各国首脳及び代表団は、他国に対する違法かつ扇動的なラジオ放送を撤廃するために、行動を起こすことを誓う。
F.各国首脳及び代表団は、国際法廷の作業の促進を催促する。
G.ルワンダの首脳及び代表団はルワ ンダ政府が早い段階で、難民が帰還し、各自の所有物を回復し、安全で平和に暮らし、国家の再建に寄与するとともに、開かれ た国民総合政府の下、政治に参加することを望む。ルワンダ政府は帰還民の安全 を保障する。
H.各国首脳及び代表団は、難民のルワンダへの帰還に、主だった制約はないと認識 している。
I.各国首脳及び代表団は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)による難民への支援、及び難民キャンプにおける惨状を改善するたゆま ぬ努力に対して賞賛する。
J.1994年の忌まわしい虐殺はルワンダの司法制度を逼迫させた。ルワンダの司法機関は現在、多数の裁判官や弁護士の訓練など、前例のない要求に対処している。
K.(略)
L.各国首脳及び代表団は、大湖地域において平和を望むのであれば、国際社会による、当該地域に経済的及び社会的開発をもたらすこ とを目的とした、財政資源を結集するための、調整がとれた、かつ具体的な行動が伴わなければならないと認識している。
M.各国首脳及び代表団は、当該地域の政府間で財産及び資産に関する問題の解決を目指すことに合意した。
N.各国首脳及び代表団は、ニエレレタンザニア元大統領、トゥーレマリ前大統領、カーターアメリカ合衆国元大統領及び南アフリカ、 ツツ大司教がこの会議の結果及び当該地域において継続する諸問題を徹底的に分析し、1996年の初頭に2回目の5カ国会議までに検 討すべき提案を準備することを要請した。

 次に、カニーゼス氏からの最新ルワンダ情報の一部を紹介する。

1.キガリ駐在の国連事務総長特別代表はルワンダで発生した虐殺のアリューシャ 国際裁判が12月12日から開始されると報じた。
2.最高裁判所の組織が決定された。それによると、最高裁判所の役員は1人の総裁及び5人の副総裁により、構成される。
3.各地区の治安の向上のために、キブンゴ県に最初の警察学校が開校した。
4.難民の帰還に伴い、帰還民の定住、社会復帰の準備のために、政府、国連関係機関及びNGOが11月21日及び22日にミルコリンズホテ ルで会議を行った。

 最後に、アフリカ平和再建委員会について、簡単に説明したい。当委員会はアフリカ日本協議会内に、1994年7月に発足したルワンダ・ワーキンググループから発展して、1994年10月に設立されたNGOで、ルワンダのローカルNGOに対する支援やシンポジウムの開催等を行っている。

アフリカNOW No.16:記事

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