Homeへ戻る特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会:Africa Japan Forum

2005年9月よりアフリカ理解促進事業の一環として「アフリカひろば」を開催しています。これまでに「在日アフリカ人」シリーズ、「アフリカ・ミクロ話」シリーズなどを開催しました。


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アフリカひろばvol.27
検証TICAD

AJFは、アフリカを知る、触れる、考える機会を提供するために、「アフリカひろば」を毎月開催しています。

4月19日に開催したアフリカひろばVol.27「検証TICAD〜TICAD(アフリカ開発会議)の成果とは何か?〜」の報告です。

4月19日(土)に行われたアフリカひろばの報告です。1993年東京アフリカ開発会議を皮切りに、5年ごとに開催されてきたアフリカ開発会議(TICAD)。5月には横浜で第4回アフリカ開発会議 (TICADW)が開催されます。会議を直前に控え、過去のTICADの振り返りや今回のTICADWの特徴、それに関わるNGOはじめとした市民社会の動きについてなど、多くの話題に触れながら、様々な角度からこれまでのTICADの成果やこれからのありかたについて4名の講師とともに検証していきました。

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第1部は、講師からそれぞれの目線でTICADに関する体験と意見を語っていただきました。

一人目は、(特活)アフリカ日本協議会の事務局長である斉藤龍一郎さんから、TICADとはなにか、今回のTICADWの特徴や課題についての概要を聞くことができました。

二人目は、西サハラ問題研究室主宰である高林敏之さんで、日本のアフリカ外交における問題点をはじめ研究者の視点からTICADの抱える矛盾点を指摘してくださいました。

最後に、DADA(アフリカと日本の開発のための対話プロジェクト)代表を務める尾関葉子さんはTICAD市民社会フォーラム理事である吉田昌夫さんとの対談形式で、それぞれが見てきたこれまでのTICADそして、今後のあり方について語っていただきました。第2部では、会場からの質問を受け、ディスカッションを行いました。

参加者は37名、講師4名、スタッフ11名、総勢約50名で、みなさん講師の方々の話を真剣に聞きいっていた様子でした。

さて、シンポジウムの内容ですが、各講師ごとに振り返っていきたいと思います。
はじめに、斉藤さんからは「TICADW(第4回アフリカ開発会議)の特徴、TICADWの3つの柱と4つの協力分野について」というタイトルで、基本的な情報について話していただきました。TICADは日本政府、国連開発計画(UNDP)、世界銀行などが主催する国際会議であり、1993年に初めて行われ、今年は4回目の開催となります。1993年のTICAD開催の背景には歴史的な世界情勢の変化に加え、国連常任理事国入りを目指す日本の戦略があるとも言われています。TICADは国際会議でありながら日本政府の方針で運営されてきました。また、市民社会の参加にも積極的とは言えませんでした。TICADWにあたりアフリカに関わるNGOが集まりTNnetが2007年3月に発足しました。TNnetはアフリカのNGOとともに『Voices2008』という提言書を作成しました。TICADWに向けてアフリカで開かれた地域準備会合、閣僚会合を通してアフリカが日本に期待している部分が多いことがわかりました。こうした取り組みによってNGOには達成感がみられているそうです。日本の外務省とNGOの定期協議会も開催され市民社会も巻き込んだTICADの実現を目指しています。

続いて高林さんからは「<審議会政治>への関与ではなく対アフリカ外交の第三者的監視を」というテーマでお話しをしていただきました。
話の中心となっていたのは日本のアフリカ政策の歴史的な問題点、それを含むTICADの存在意義と市民社会の政策関与の有効性でした。 まず、2006年に中国で開かれた中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)に、アフリカから41名の国家元首・首相が参加したことに注目が集まっていますが、南米、インド、韓国などとの間でも協力フォーラムが開催され、直接的な「南南協力」のパイプをアフリカ自ら広げる努力をしている点に注目すべきです。これらのフォーラムにおいてアフリカ連合(AU)が大きな役割を果たしているにもかかわらず、日本政府はTICAD開催にあたってアフリカのオーナーシップを言いながらAU を共催者に加えていないという事実があります。

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さらに、アフリカとの関係で忘れてはならないのが、日本は、これまでアフリカが国際社会において求めてきた「公正・平等な新国際経済秩序」や「普遍的人権」に背を向けている点です。これは国連での投票行動においてはっきり実証されており、日本の姿勢は資源と市場を追求してアパルトヘイト体制と親密な関係を築いてきた冷戦時代と何ら変わっていません。そのことを端的に象徴しているのがTICADからの西サハラ排除問題です。大意以上のようなお話のうえで、TICADT以来15年にわたるNGOの「積極関与」は日本の対アフリカ外交の根幹に変化をもたらさず、ただ単に政府外務省に利用され「審議会政治」に陥っているとの指摘がありました。つまり、政府は「選ばれた市民」として限定された人しか「意見上申」の役割を与えず、それでもって市民の意見を聞いたTICADと主張しているということです。これらの点を総合して高林さんはTICADの存在自体を懐疑的な目でみる必要があるとおっしゃっていました。

最後にこれまで初期の頃からTICADに関わってこられた尾関さんと吉田さんに「TICADWにいたる15年で変わったものは?」という点について話していただきました。
尾関さんたちが活動を始めた当初は政府に市民参加を呼びかけても「TICADは政府間の会議だから、民間の人は…」と返されとりつく島もなかったようです。しかし斉藤さんの報告にもあったように市民と政府とが徐々に歩み寄るようになってきたのも強い信念をもって活動し続けてきたNGOの努力の結果であると感じます。フォローアップの予定は会ったものの、当初は継続して行われる予定はありませんでした。したがって、NGOの活動も、連続的に続いてきたのではなく、時期が来ればまた動き出すといったものでTICADV後につくられたTICAD市民社会フォーラム(TCSF)というTICADを目標としたNGOがまずAJFメンバーを中心として生み出され、他のNGOとネットワークを組んで、AJFも重要メンバーとなっているTNnetのようにまとまったのはごく最近のことなのです。

2003年の報告書『市民から見たTICADの10年〜TICADVに向けた市民行動〜Act2003』が出された後、次回のTICADをどうするかといった話題が浮上したとき、吉田さんら現在のTICAD市民社会フォーラムの創始者たちはアフリカと日本の市民社会が日本のアフリカ政策部分に発言をしていくことは必要であるとして、アフリカ内の市民社会ネットワーク成立に力を貸し、日本のアフリカ連携ネットワークのお膳立てをしました。それに対して日本の政府のいい加減な部分の多いアフリカ政策に潜り込み、透明性のある、アフリカの利益になる援助、対アフリカ政策の構築を目指すことの重要さを説き現在にいったっているのです。

第2 部では、講演を踏まえた上での質疑応答とフリーディスカッションが行われました。

会場からは、「先程、市民社会が利用されているのではないか、ということが指摘され、それについて論理的に確認できたけれど、しかしやはり中に入って行か ないとなにも変わらない気がする」という意見が出されました。

それに対し高林さんから日本の援助政策は開発政策、ODA政策に偏っているが、日本にとって重要なのは、人権問題である。その中で、かつて日本で起こった南アフリカに対する反アパルトヘイト運動から生まれた草の根の運動を振り返り、反アパルヘイト運動が外務省と対峙することで得たことが、どのくらい生かせるかが重要になってくる。そしてジャーナリストや国際政治家らが政策検証に向けてより積極的に関与していくべきだとの意見が出ました。当時の運動をよく知る吉田さんからは、そのときの運動があったからNGO活動が活発になった。多くの人がNGO活動の重要性に気づくきっかけとなった。人権運動は反アパルトヘイト運動以外にも起こっており日本政府はそれを無視しようとはしていないはずだという意見が交わされました。 最後に講師の方々から一言ずつ意見を頂きました。「やはりアフリカの問題が一番取り上げられるのはTICADであり、私はそれに距離を置かずに関わりたい。みなさんにも参加してもらいたい。」という吉田さんの言葉で締めくくられました。

ここでアンケートに寄せられたメッセージを紹介します。

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◆第一部の報告の一つ一つがわかりやすく、楽しく聞けました。満足しています。今回の 講演を通じて自分の目標へ向けて頑張っていこうという強い思いがもてました。ありがとうございました。(20代男性)

◆メディアからのみ得られる情報のみではなくTICADの背景を知ることが出来た。日本のアフリカに対する外交の姿勢や他国の外交の姿勢について少し知ることが出来た。(20代男性)

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