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2005年9月よりアフリカ理解促進事業の一環として「アフリカひろば」を開催しています。これまでに「在日アフリカ人」シリーズ、「アフリカ・ミクロ話」シリーズなどを開催しました。


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アフリカひろばvol.23
フェアトレードA to Z〜タンザニア・ルカニ村のコーヒーの事例から学ぶ〜

AJFは、アフリカを知る、触れる、考える機会を提供するために、「アフリカひろば」を毎月開催しています。

11月23日(金)に行われたの報告です。

11月23日金曜日、アフリカひろばvol.23「フェアトレードA to Z タンザニア・ルカニ村のコーヒーの事例から学ぶ」 がAJF事務所隣のオックスファム会議室で開催されました。 今回は京都大学大学院・農学研究科・准教授の辻村英之さんをお招きし、辻村さんが実践しているタンザニアでのフェアトレードプロジェクトや、 フェアトレードの定義など、フェアトレードについての広範な話をしてもらいました。 参加者は34名(ボランティアスタッフ7名含む)で、参加者には、辻村さんにお持ちいただいた、フェアトレードの「キリマンジャロ」コーヒーが振るまわれました。

講演の前半は、フェアトレード運動の始まりからその発展、各種機関の設立、フェアトレードの定義と目標、 世界各国における普及状況など、まさに「そもそもフェアトレードって何?」というところから始まり、 フェアトレードに関するイロハがわかりやすく順序立てて説明されていきました。

フェアトレード運動はそもそもは1940年代のアメリカ、もしくは1960年代のイギリスで、教会やNGOが主導する形で始まったとされています。 この運動は、各団体がそれぞれに始めたものであり、当初は各団体の独自の基準でフェアトレードが実施されていました。 それが、1989年にIFATという機関が設立され、このとき初めて国際的に共通するフェアトレードの原則が確立されました。 その後、97年にFLOという認証機関が設立され、FLOの認証を受けた商品は、その商品にFLOの「フェアトレード」ラベルを貼ることが認められるようになりました。 日本では、93年にフェアトレードラベルジャパンが設立され、大手企業では02年にスターバックス、03年にイオンが、 FLO「フェアトレード」ラベルを貼付した販売を開始しています。
世界における普及状況ですが、コーヒーに関しては、イギリスが一番普及しており、焙煎粉コーヒー市場におけるシェアは約20%であるとのことです。 また、アメリカでは、コーヒー市場全体におけるシェアが2%程度となっています。一方、日本のレギュラーコーヒー市場におけるシェアは二年前の数字で 約0.2%であり、「フェアトレード」の注目度は高いものの、欧米に比べて大きく普及が遅れているようです。 日本で普及しない要因としては、消費者が魅力を感じないという問題が大きいが、上記のFLOのラベル認証を受けたものと、 独自の基準・関係を持っているものが混在しており、その両者がなかなか歩み寄れないことも重要ではないかという説明がされました。
日本におけるこの多様なフェアトレード主体を語る上でキーワードになるのが、認証基準型フェアトレードと産消提携型と言われるフェアトレードの二つのタイプです。 大手企業による認証基準型フェアトレードとオルタートレードジャパン(ATJ)による産消提携型フェアトレードは、生産者から高価格で買い付けるという点では 共通しています。しかし、目標とするところを異にしており、前者はCSR事業という先進国の企業の利益拡大の流れの下にあります。 ところが後者は社会変革運動の流れから始まっていて、「先進国側にたまった利益を途上国側に戻す」ことを重視しており、前者とは相容れません。 この2者を両端として、中間に多様なフェアトレード主体たちが存在するというのが現在の日本の状況です。 2者が歩み寄るのは無理ですが、中間にいる主体たちがいかにお互い手を取り合っていけるかが、 今後のフェアトレードの普及を考える上に重要な論点になるとのことでした。

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さて、いよいよ後半です。後半は、辻村さんが関わっているタンザニア・ルカニ村でのフェアトレードプロジェクトを例にとって、 コーヒーの生産から消費までの流れやコーヒー危機がルカニ村に与えた影響やそれを緩和するためのフェアトレードの役割などをお話ししていただきました。
まずは、タンザニアにおけるコーヒー産業の説明がありました。 コーヒーは、タンザニアにおける最大の輸出作物であり、80年代後半にはコーヒーの作物の輸出額割合において30%を超えていました。 ところが90年代には18%まで下降し、コーヒー危機に見舞われた00年代前半には、市場最安値まで落ち込み、最近の04年の輸出額割合は、 なんと3.7%まで下がっています。
コーヒーの生産から消費までの流れの中に、生産者にとって二つの不公平が存在します。その一つはニューヨーク先物取引所で決まる価格が、 価格決定の絶対的な基準となっていることです。ニューヨークで価格水準が決まってしまうので、コーヒー生産者が価格を引き上げようと努力しても限界があります。 そしてもう一つの不公平は、生産者価格と消費者価格の差があまりにも大きすぎることであり、最安値を記録したときの数値で換算すると、 その割合は271分の1になるとのことでした。
次に写真を用いながらの、コーヒーの生産の様子が説明されました。収穫されたコーヒー豆は、皮むき・洗浄・発酵などの段階を経て、 工場へと出荷され、選別・格付けがされます。そして、格付けを参考にして輸出業者がコーヒー豆を競り落とします。 その後、高品質のものはほとんど日本へと運ばれるとのことです。焙煎業者の購入価格は生産者価格の2.5倍、小売り業者の購入価格はその8.5倍、 そして私たち消費者の購入価格はその10倍となり、最終的には前段で述べた271倍という数字になります。
その次に、コーヒー危機がルカニ村に与えた影響についての説明がありました。 コーヒー危機によってコーヒーの販売価格が下がった一方で、政府の補助金がなくなり、農薬価格が高騰したため、農薬が使われなくなりました。 その結果、病虫害が増え、さらに販売価格が下がるという悪循環に陥ることになりました。コーヒー販売だけでは生活が成り立たず、 出稼ぎやトウモロコシ栽培が増えたとのことです。トウモロコシは、直射日光を求めるので、森林を破壊しなければならず、アグロフォレストが破壊されることと なりました。またコーヒーの代わりに材木を販売する若者が増え、さらに森林破壊が進んでおります。
これらの話を踏まえた上で、生産者はコーヒー販売で得た収入をどのような使途に用いているのか、フェアトレードプレミアム代金は どのように社会開発に割り当てられるのか、またルカニ村のフェアトレードプロジェクトは次の段階に進むため、現在は休止中であることなどが説明されました。

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最後に締めくくりとして、今後の最大の課題は、香味だけでなく生産者支援できることを コーヒーの品質の1つとしてとらえることのできる消費者が増えること、そしてフェアトレード・コーヒーの消費によって、 つまりフェアトレードの最低価格保証・プレミアム支払によって、生産者にどのような成果がもたらされるかを、 商品に具体的に表示していくことが大事であるというお話をされました。

その後、質疑応答においても活発な議論がなされ、講演は終了となりました。講演終了後も辻村さんに直接話を聞きにいかれる参加者の姿が見られ、 フェアトレードへの関心の高さが伺えました。

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最後にアンケートに寄せられたメッセージを紹介します。

  • フェアトレードについて理解を深めることができた。全体的に説明を聞き取りにくい感じがあったが、フェアトレードの歴史から、 現状、フェアトレードが実際どのような意味を持つのか、論点まで広く知ることができたのがよかった。(20代女性)
  • "フェアトレード"という言葉は聞いたことがありましたが、具体的にどの様な背景があるのか知りませんでした。 今回の講演では、分かりやすく資料・写真などがあり、イメージが膨らみよかったです。(20代女性)
  • 実際に現地の写真などを見ることができたので、現地の様子やコーヒーの流通の仕組みをわかりやすく学ぶことができました。(20代男性)
  • プロジェクト内容を詳しく知れてよかったが、日本のフェアトレード流通事情をもう少し詳しく知りたかった。(20代女性)

次回は、1月19日(土曜日)は、西浦昭雄さんにお越しいただき、「アフリカのビジネス〜南部アフリカ衣料産業への中国インパクト〜」をお話していただきます。都合がよければ皆様もぜひご来場ください。(インターン高橋直人)

アフリカひろばvol.24「アフリカのビジネス〜南部アフリカ衣料産業への中国インパクト〜」
http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/africa-hiroba/024.html

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