グローバルヘルス(国際保健分野)

アフリカ日本協議会(AJF)がネットワーキング、調査研究、政策提言の取り組みの中で力を入れているのが、グローバル・ヘルス分野です。

AJFのグローバル・ヘルスへの取り組みが始まったのはちょうど2000年です。当時、アフリカではHIV/AIDSが猛威を振るっていました。南部アフリカの多くの国で成人のHIV感染率が2割を超え、多くの人々が命を落とし、社会の崩壊も危惧されていました。HIVとともに生きていくことができる多剤併用療法はすでに開発されていましたが、知的財産権による独占で価格が吊り上げられ、多くの貧しい人々は治療にアクセスできない状況が続いていました。AJFは、日本の市民社会として、これに抗議し、公正な治療を求める世界の運動に合流したのです。

その後、AJFのグローバル・ヘルスの取り組みは、エイズ・結核・マラリアの三大感染症から、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(誰もが費用負担に悩まされることなく、必要とする質の高い保健・医療サービスを受けられること)、アフリカなど南の世界でも増えている非感染性疾患(いわゆる「生活習慣病」)などにも広がり、新型コロナ感染症(COVID-19)パンデミック以降は、保健危機の課題にも広がりました。しかし、その基本は、アフリカをはじめとする南の世界で命と健康のために声を上げる当事者やコミュニティ、市民社会の人々とつながり、連帯することです。

2015年に東京で開催したUHCと三大感染症グローバル・ワークショップ。これを機に、UHCはHIVに取り組む市民社会にとっても重要なアジェンダに

すべての人に健康を Health for All

アフリカをはじめとして、HIV陽性者やHIVの影響を受ける人々、脆弱な状況に置かれたコミュニティの当事者や市民社会と連携して活動を進めてきました。これをベースに、「すべての人に健康を」という立場から、取り組みの幅を大きく広げています。エイズ・結核・マラリアへの取り組みや、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の取り組みもこのコーナーでご覧ください。
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2019年『すべての人に健康を』を求めるデモ
国連UHCハイレベル会合に対して『すべての人に健康を』を求めてデモを行う人々(2019年)

新型コロナウイルスと公正な医療アクセス

2020年に始まった「新型コロナウイルス感染症」(COVID-19)パンデミック。AJFは、他の市民社会団体と連携して、公平・公正な保健・医療アクセスを求める取り組みを進めています。また、今後のパンデミック対策に関わる国際的な議論や、新たな多国間協力、グローバル・ヘルスの枠組み再構築の動きについても調査と提言を行っています
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コロナに関する知的財産権保護免除と公正な医療アクセスを求めて外務省に要望書を提出(2021年)

G7/G20などへの政策提言の取り組み

G7やG20など、先進国や「主要国」で作る枠組みは、国際保健にかかわるグローバルな政治や政策の形成に実質的に力を持っています。AJFは、これらのプラットフォームで行われる政策決定について、市民社会の一員として関与してきました。
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市民20(C20)サミット
G20大阪サミットに向けた「市民20(C20)サミット」保健分科会。世界中から市民社会のリーダーたちが集合(2019年)

アフリカと国際保健に関する取り組み

AJFでは、特に、TICAD(アフリカ開発会議)における保健課題に関しては、2003年のTICAD III以降、アフリカの市民社会との連携のもとにアフリカのグローバル・ヘルスに関する調査研究や政策提言を行ってきました。
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HIVと人権の課題に取り組む南部アフリカ・レソト王国のLGBTIグループの皆さんと(2013年)

政策提言の基盤 ネットワーキングの取り組み

市民社会の政策提言が、政府や国連などがかなえるべき「みんなの願い」として公共性を持つのは、市民社会のネットワークやコミュニティに支えられているからです。AJFは国際保健についても市民社会のネットワーキングに取り組んできました。
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幅広い市民社会ネットワークの存在で可能になったG20大阪サミットへの世界レベルでの連携(2019年、東京)

出版物・成果物

AJFでは、2002年以降、国際保健に関する調査・研究や政策提言を行い、さまざまな報告書やガイドブック、ハンドブックなどを刊行してきました。
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出版・成果物


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